五行日記
ガム



 総決算04。

最低だった去年の流れを引きずったように

最低だった今年の前半。

後半盛り返して得た若干の当期純利益。

彼女の笑顔のおかげで。

なんて言うか、プライスレス。

2004年12月31日(金)



 Castaways。

約3時間。雪の中を泳いで辿り着いた。

そこは無人島じゃなく賑やかな島。

暖かく、温かい島。

懐かしい面々にも会えた。

こんな島ならずっといてもいいかななんて。

2004年12月30日(木)



 葦もどき。

朝まで飲んでいたせいで半日間寝たきり。

人間が考える葦だと言うなら、

何も考えなかった今日の僕は一体何者だったのか。

何かに依存し始めてるのは分かってるけど、

もう止められないことも分かってる。

2004年12月29日(水)



 サプライズ2005。

青から緑へ、2004年の居住地での飲み納め。

愚痴、弱音、近況報告、聞いてくれてありがとう。

そして来年の目標を掲げて自らを包囲。

追い込むだけ追い込んだら後はやるだけ。

大なり小なり用意して、絶対に驚かせてやる。

2004年12月28日(火)



 破顔一笑、歯痒いっしょ。

あの重いボディブローが今頃効いてきてる。

笑っていられるように、口角が下がらないように、

見るに堪えない自分の顔を鏡で確認する。

でも口だけじゃダメだな。もっと顔全体で笑わなきゃ。

何かこう、飲んでる酒がしょっぱいよ。

2004年12月27日(月)



 バックドラフトヒューマニティ。

燻ってるんじゃない、静かに燃えてるんだ。

躰の中で静かに、その時を待ってる。

切っ掛けさえあれば、直ぐにでも爆発できる。

目を見れば分かるはずだよ。

燃えてるだろ?飛雄馬みたいに。

2004年12月26日(日)



 世界が白でも汚れていても。

何かを忘れてるような気がするけど

そんなには気にならない。

ピロウズの曲を枕にうたた寝をする。

目が覚めても僕が消えて無くなってることはないだろう。

きっと僕もストレンジカメレオン。

2004年12月25日(土)



 まるさんかくしかく。

テキストを渡した昨日。お礼のお菓子を貰った今日。

彼女はもう勉強を始めたのかな?

僕も負けないように何か始めようかなって

貰ったお菓子を食べながら資格について考えた。

お菓子のおまけの雪だるまが気持ちを後押しする。

2004年12月24日(金)



 会話の回転数。

一夜にして煙草臭にまみれ、使用済み食器で溢れた部屋。

こんなとこ居たくねーやって、電話して昼飯を誘ってみる。

食べたものは美味かったけど、会話は雪道の運転同様、

エンジンブレーキを多用してるような感じで。

回転数は上がってるのに言いたいことの半分も言えない。

2004年12月23日(木)



 いい人。

「いい人」で終わるのが嫌でわざと悪ぶったり

嫌われるようなことをしたこともあったっけ。

でも「いい人」だって多少の演技は入ってる。

肩の力が抜けたときに初めて素の自分が

自然に出てくるんじゃないかって。

2004年12月22日(水)



 笑ってる、笑ってる。

一般的には「失った」ということになるんだろう。

でも得たものも大きいと思うのは決して錯覚じゃない。

何事もなかったように過ぎていく時間。

その状況が可笑しかったり嬉しかったり。

作り笑いじゃないことは見る人が見れば分かるだろう。

2004年12月21日(火)



 ジョーカー。

自分でいることに疲れたもんで

髪の色変えて、メガネかけて、普段着ないスーツ着て出勤。

ここぞとばかりに弄ってくる職場の皆々様。

めんどくさいからって適当にあしらう。

双子の弟だとか、サラリーマンのコスプレだとかなんとか。

2004年12月20日(月)



 じんわり、ぼんやり。

紙で切った傷から滲み出る血のように、

じんわりと溢れてきては視界を霞ませるもの。

不完全燃焼の燃えかすに落ちては煙をあげる。

本当に血を流したかのように赤くなった目。

一本道のはずなのに、またいつもの分岐点に見えてきた。

2004年12月19日(日)



 ハートブレイクショット。

胸の真ん中を打ち抜かれ、一瞬、鼓動も呼吸も止まった。

我に返ると解け出した感情が堰を切って流れ出そうとしてた。

その場では何とか防ぎ止められたけど、

こうして独りになると、お構いなしで溢れてくる。

そしてそれはパンフレットの上に零れた。

2004年12月18日(土)



 強さを勘違い。

もしかしたら僕は今までずっと間違ってたのかもしれない。

独りでいれる者が強く、群れを作る者は弱いと思ってた。

強くなるために独りで頑張ってきたつもりだけど

今のこの弱い自分は何なんだ。

独りでいることにも、群れにいることにも耐えられずにいる。

2004年12月17日(金)



 迷探偵の上司様。

推理小説を1行読んで「で、誰が犯人?」みたいな、

そんな書類の見方があるかよ。

答えは全部その資料の中にあるっつーの。

全部目を通してから聞いてくるのが筋だろうよ。

あんたの脳細胞は何色だよ。

2004年12月16日(木)



 誘いに乗って高ぇお茶漬け。

「高ぇお茶漬け喰いに行くぞ。」って先輩からの誘い。

なんてことはない「飲みに行くぞ。」ってことだ。

昨日の職場の忘年会なんてストレスが増えることはあっても

楽しいことなんてほとんどと言っていいほど無かった。

気の知れた仲間との飲み会の方がよっぽど忘年会らしい。

2004年12月15日(水)



 笑顔より先に。

8時前の占いは言った。今日のおうし座は2位。

笑顔を振りまけばいいことがあるって。

僕は思った。昨日の今日で笑えるわけないだろって。

8時3分、「週末どこか行きましょう」のメール。

さっき泣いたカラスがもう笑った。

2004年12月14日(火)



 歪みの泉。

さっき口に入れたあめ玉がもう無くなってる。

最後まで舐めたからじゃなく、途中で噛み砕いたから。

僕の気の短さはこんな感じで証明できる。

それでも彼女から連絡を待つ間、僕はただ、じっと待ってる。

こんなとこから歪みは湧き出る。

2004年12月13日(月)



 三つ巴のギャップ。

現実の自分像と理想の自分像とのギャップに為す術もなく

ひざを抱えて座り込む。

他人が見る自分像とのギャップも相俟って混乱は頂点。

理解してもらおうとしたところでどうなるというのか。

理解されたからといってどうなるというのか。

2004年12月12日(日)



 代わり泣き。

冬のような雪の降り方。

どおりで冷えると思った。

まだ夏用のワイパーが

フロントガラスを滑りながら悲鳴を上げた。

まるで誰かの代わりに泣いてるみたいだ。

2004年12月11日(土)



 猫背に降る光。

風に舞った木の葉がくるりと僕の足下を撫でた。

8の字を描いて擦り寄る猫みたいに。

一瞬立ち止まって辺りを見回すと

イルミネーションが降る街にコートの群れ。

温もりが欲しいのはみんな同じなんだ。

2004年12月10日(金)



 空、心、晴れてるからこそ。

全てが霜に包まれた朝、僕も一旦クールダウン。

それでも心の芯までは冷やしきれず。

熱い気持ちをボールにぶつけてフットサル。

ため息と躰から上がる湯気で本日二度目のクールダウン。

身を以て放射冷却を体験した一日。

2004年12月09日(木)



 流れ星を見逃さないように。

星がきれいな季節になった。

ゆっくり歩きながら星を見るなんていつ以来かな。

冬の数少ない楽しみのひとつ。

下ばっかり見てたら見えないものだから

顔を上げて進むためのきっかけにしよう。

2004年12月08日(水)



 明日の一手。

自分自身のとった予定外の行動に自ら吃驚仰天。

焦った訳じゃないけど、明日の一手を今日打った。

こうしてまた、目標まで近付けたようで遠回り。

急がば回れとは言うけど、何だか、

全ての道が回り道のような気がして。

2004年12月07日(火)



 刻一刻。

過ごしてきた時間は積み重ねられ、

残された時間は減っていく。

同じように流れる時間の中で、何故、

残された時間にだけ目が行くのか。

もう少し、積み重ねてきたことにも目を遣ろうよ。

2004年12月06日(月)



 向き合えない痛み。

ときどき背中の真ん中にやって来ては居座る激痛。

今日もまた、どこからともなくやって来て暴れてる。

せっかくの日曜なのに外出もせずに悶える。

手が届かないところの痛みなんてまるで…。

どうせ痛むんなら向き合いたい。

2004年12月05日(日)



 今年の冬は暖かいけど。

燃えるゴミを出し損ねて朝から憂鬱。

サッカーチャリティーマッチもK−1グランプリも不完全燃焼で

心を覆った雲を完全には取り除いてくれない。

「もう12月なんだね。」

来年のカレンダーを見ながらため息をついた。

2004年12月04日(土)



 こころまち。

例えば何文字かが切れて読めなくなってるネオンサイン。

古いこの街はこんな風にどこかが壊れたもので溢れてる。

誰も自分で直そうとしないのに直してくれる人を心待ち。

行ったこともないのに時々夢に見る街並み。

何処にだってあるこんな街。誰の心にだってあるこんな街。

2004年12月03日(金)



 「幸」と「辛」は紙一重。

才能がないのに芸能界でやっていくって大変だね。

なんて思いながら盗んだレシピできりたんぽ鍋。

隣で鍋をつついて、隣で食器を洗って、

腹ん中も胸ん中も充たされたわけで。

こんな風な充実感が長く続いてくれたら良いんだけど。

2004年12月02日(木)



 迫りくるししゅう病。

些細な喜びを感じては、浮かれまくって地に足がつかない。

そもそも「今の僕に足があるのか」なんて確認してみる。

確かに足はあるし、間違いなく僕は生きてる。

なのになんだろう、この躰から出る嫌な匂い。

生きているのに死臭がしてるみたいだ。

2004年12月01日(水)
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