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2001年11月27日(火)
距離

朝すごく早起きしたと思ったのに
もぅすでに彼は起きていた。
「おはよー」
・・・・・・。
いっぱいいっぱい元気に挨拶してみた。
本当は朝は苦手なんだけど
思いっきりテンション高かった・・・。
寝起きの彼の顔もしっかりチェック。
なんだかうれしかった。
すっぴんでまともに会話もできず
とりあえず・・・化粧をした。

たしか日本列島は台風まっただ中のはず。
なのにすごいいい天気。
あたしのうかれぽんちは台風まで遠ざけてしまったようだ。
さっそくドライブにでかける。
もちろんみんなで。
避暑地の木々も風も空気も異常にきもちよく綺麗に見えた。


それからみんなでボーリングをした。
うまくいった時勢いづいて彼と手を合わせる。
大きい手だな・・・。
離したくないけどすぐ離す。
またうまくやろ・・・・。
そしたらまた手あわせられる。

・・・・・なんだか中学生レベルだ。
どーしちゃったんだろ。
こんな事で舞い上がってる。
楽しくってしょうがないんだ。
君が側にいること。
笑顔みられること。
ふれられること。
やっぱり逢ってよかった。

ほんの数センチの隙間が
いままでの涙もさみしさも
みんな消してくれる。

このままずっと笑っていたいね。

この瞬間だけは
すべてを忘れることができる。

せめて今だけは。

あたし一人を見ていてほしいよ。





2001年11月26日(月)
ピアス

一息ついたところで
「ちょっとこい」
と外に呼び出しされた。
2人の事情はしらない友達の前で
ちょっとあせったけど・・・・
「なんだろーね・・・」
なんて出ていく。

車の中をごそごそしている。
そして出てきた小包。

「ほら」

恥ずかしそうに手渡された箱その場で丁寧に開けた。
ちょっとだけ手が震えているのを隠しつつ
暗闇で車のルームランプを頼りに中をのぞき込む。
彼らしいシンプルなシルバーのピアス。
すごく嬉しかった。
買い物嫌いの彼が一人でこれを買ってきたのかと思うと
おかしかったけど。

「適当に選んだ」

なんてすこし怒ってるようにも見える照れ隠しの顔。
ちょっとだけ触れた手と
夜の静寂と
ぎこちない間と 

どうにも2人とも照れてしまって
結局ありがとうだけ言ってまた中に入った。

キスぐらいするかと思ったのに・・・。


何事もなかったようにまたおしゃべりは始まる
あたしはこっそり部屋にいってピアスをしてみた。
髪で隠れてみえなかったけど
一人うれしくてまいあがった。

移動で疲れ切ったあたしたちはその夜
別々の部屋で眠った。






わずか数メートルの距離に彼を感じて。











2001年11月23日(金)
意思は弱い。

逢いたい気持ちがどんどん押し寄せてくる。

電話の度に逢いたいのに逢えない理由を繰り返す。
自信のない自分のイイワケ。

実際逢って幻滅されたらどうしよう?
そんな事ばかり考えている。

そんな事ないから。

彼は言うけど。

だいたいネットで知り合ったヒトと逢う事自体
ちょっとちがうわ。とか。
まだまだ信用しきれてないとか・・・。
そんなことばかりブツブツ繰り返す。


心のどっかでは決心ついてるのに。




もぅいいや。



結局あたしはあたしでしかないんだ。
ありのままのあたしをみてもらおーじゃない。


かたくなに逢わないと言っていたアタシの意思は



弱かった。



・・・・・・・・・・。


目がぱっちりしたのすきなんだっけ?
あたしはいつも眠い目してるわ。
肌の綺麗なの好きなんだっけ?
夜更かししすぎてぼろぼろよ。
色白はだいたいあってるわね。
やせ型っていうよりはやせすぎなの。
胸もないのよ?
髪はのばしかけ。肩より長いくらい。

外見ばかりを気にするあたし。

そんなんで好きになったわけじゃないだろ。

という彼。

わかってるよ。
わかってるけど
少しでも彼に近づきたくてリサーチしてんじゃんかよ。ばーか。



結局・・・・・逢いたい気持ちにはかなわず。

奥様が出産で実家に帰ってる間に逢うことになった。

なんだかそーいうのって好きくない。
しょうがないんだけど。
彼が自由になるのはそんな時ぐらいだから。

オフ会という事で4人で逢うことにした。
2人で逢いたいという彼に
壁をつくってしまうあたし。
とりあえずは・・・・みんなで盛り上がれば。
そうじゃなきゃあたしの心臓が
どっかにぶっ飛んでいきそうだったんだ。

緊張して緊張して体調壊すぐらい。

・・・・・・・・・・・。


駅で待ち合わせ。

携帯が鳴る。

彼だ。

「いまどこ?」

電話で返事するよりも早くあたしは彼をみつけた。

初めて逢う彼なのに
遠くの人混みから歩いてくる彼を
あたしはすぐ見つけたんだ。
視力あがったのかな・・・・。
ぜったいあのヒトだ。って思った。

背が高い。
猫背ぎみにべったらべったら歩いてくる。
思ったより見た目が若い3つ上の彼。
にっこり笑いかけてきた。

正解。

今にも飛び出して来そうな心臓。
ばれないように。
第一声は 
「どこみてんだよ」
・・・・・たしかそんなかんじ。
その時だけであとは目合わせられなかった。

彼の視線を感じながらぎこちない会話がつづく。

とにかくしゃべり続けていたような気がする。

・・・・・・・・・・・・・・。

またやっちゃったかな。


うるさい女って思われているかな。
行儀がわるいって。
男っぽい言葉使いで。
がさつで。


結構これでもいっぱいいっぱいなんです。


ぁーぁ・・・本当はクールに行きたかったのにな。


初対面でこれじゃぁ彼もあきれますね。


どぅ思ってるんだろ・・。



彼を盗み見しつつ・・・宴会はつづく。








2001年11月22日(木)
日向ぼっこな日々

信じてくれ。と彼は言う。

信じたいけど まだ 半分も彼を信じていないアタシがいる。

これでもいちおプライドあるんだよ。
女としての。
あとは 実際にあなたにふれた事がないから。

でもほとんどを締めてるのは
「自分に自信がない」という事。

とにかく何か。
自分に自信がつくもの見つけたくて。
そしてあきらめて。
結局はやる気とそれを実行する行動力なんだけど。
適当に毎日過ごしているアタシにとって
「何か」とはいい加減なモノで
結局やりたい事も 行動力もなく
ただ年齢をかさねていくだけ。
自分の価値をどんどん高めていく同世代を横目に
うらやましがって指をくわえているだけ。

アタシにできる事はなんだろう。

他の事を新しく始めるよりも
今の生活を充実させようと思った。

家の事も手を抜かず
仕事もやれる範囲でこなして

今までただしばっていた髪をほどき 伸ばし始めた。
彼が髪の綺麗なヒト好きだから  綺麗に長く。

・・・・・・・・昔のアタシじゃ考えられないな。こんな事。

好きな人の為に何かをがんばるっていうの。

なんか気恥ずかしいっていうか。
「自分自身の為に」が主で
好きな人の為に服の趣味が替わったり髪型変えたりするヒトを軽蔑してたし。
自分は自分だよ。
今のあたしが嫌いならどーぞ勝手に。
と思っていたのに。

どうしちゃったんでしょうね。
まったく情けない。

いくら面倒臭くても いつも自分自信を内面的にも外見的にも
磨く事に努力した。
限界があるだろうけど できる範囲で。

彼があたしから目を離さないように。

彼がアタシを変えていく。

そんな日々が心地よくて

ずっと眠っていたいような。

彼のひざの上でひなたぼっこする猫のような。



そんな夏の日を過ごしていた。





2001年11月21日(水)
ハチ公

自暴自棄なあたしを彼は慰める。

いろんなやさしい言葉をかけてくれる。

それなのにアタシは
「守れない約束なんてするな」
と彼を傷つける。
例え守れないとしても 言うぐらいいいじゃんか。
彼のやさしさに素直になれない。

1対1で向き合いたい。

そんな願いもむなしく 
彼は今 重要な場所にいる。
家族においても社会においても。
身動きのとれない場所にいる。

わかってる事。
言えないこと。
言われない事。

仕事の忙しい彼の連絡をアタシは 待つだけ。
飼い主を待つ犬のように。
ただじっと電話をみつめて。
いつでも彼からの連絡受けれるように。
環境を整えておく。
いざというときの対応も抜け目なく。

ただただ彼の声が聞きたくて。
恋いこがれて。

忘れていた何かを思い出したくて

自分が女で在るために

非日常に酔う。



2001年11月20日(火)
自信過不足

あっけなく次の日彼は電話をくれた。

ちょっと気が抜けた。

多分・・・しばらくはかかってこないと思ってたから。

「もぅ大丈夫だから。終わったから」
と彼は言った。
電話したんだね。
彼女とけりをつける為に。
どんな話しをしたかなんて
聞けるわけでもなく。
とりあえずきちんと別れた上で
あたしと向き合う気のようだ。

ありがとう。



恐縮しているのに・・・。

彼女の事話しだす。
まったく・・ワカッテナイ。
そういえばまだ彼女と続いているとき
「すごい美人なんだよ 背が高くて・・・」
なんて聞かされてたんだよな。
へぇ・・なんて聞いてたけど。

「考えさせて下さい」期間の間に彼女は海外へ留学し
スキルアップを図ったらしい。
そして帰国。
心機一転 彼に連絡をとる。

すごいな。

あたしにはできない。
かなわないと思った。

彼は自らを高め向上していく人が好きだ。

うれしそうに話ししないで。

どんどんみじめになっていく。

ちっぽけな自分が。

そして何の自信ももてていない自分が
彼からのまっすぐな視線をさけてる。


「もう安心していいよ。ごめんな。」


なんて言われても自分に自信のないものが
どうやってこんな遠く離れたところで安心していられるの?
何一つ満足にできていない。
自分の事すら制御できないこのあたしが。


「自信をもっていいんだよ」


あなたは言う。
何度でも言ってくれる。


けど だめなんだよ。
何度言い聞かせても 弱い自分がいる。
もっと強くなりたい。
自信を持って歩きたいと願う。


自分に自信がもてたら 
まっすぐ向き合えるようになったら
きっと君と逢えるような気がするよ。








2001年11月19日(月)
彼女復活?

ひまわりの頃
あたしの誕生日がきた。

始めて迎えた誕生日。

だからといって一緒に過ごすわけでもなく。
ただ遠くからおめでとうのメッセージを貰う。
メール見たらガーベラの花束の写真が届いてた。

よく覚えてたな・・・ずっと前にあたしが言った好きな花。

かわいい写真。

あの彼がこのかわいい写真探して送る姿もなんだか楽しかった。

彼なりの気を使ったプレゼント。
花の香りやあなたの笑顔は届かなくても
すごくうれしかったよ。
その気遣いが何よりのプレゼントです。



相変わらず友達みたいなつきあいで
それはそれで良かったんだ。
電話でばかな事話して笑ったり
愚痴ったり。
このままこの状態が続いてくれれば。



「このままで満足できるの?」

なんていう自分自身の問いには目を瞑って。



彼の誕生日はちょっとの差であたしより遅かった。
ずーっと前に聞いてた日にちしっかり頭にインプットされてたので
その日はいつもは言えない言葉伝えようといろいろ考えてたんだけど
あたしの少ないボキャブラリーでは何一つうまく伝えられなくて
結局でたのが「ダイスキ」という言葉。

ちょっと・・恥ずかしかったけど。
電話では到底言える言葉でもなく。
パソコンから伝えただけ。
なにやってんだ・・・アタシ。
ガキじゃないんだから。
どうにかしろ。

もっと気の利いた事したかったんだけど。

制限がありすぎる。
距離が遠すぎる。

ほんとにありのままを言葉で表現するしかなく。

でもすごく喜んでくれたみたいだった。
彼がうれしいとあたしもうれしい。
また一歩進歩したような気がしてた。




なのに。

別れたはずの彼女からメールが届いたらしい。
誕生日に。
アタシには言わないでおこうと思ったらしいけど。

彼女はちょっと考えさせてください。
と言って彼の元を去ったらしいけど。
どうやら考える期間が終わったらしい。
別れてないと思ってるらしい。



「どうするの?」
あたしの問いに
「ちょっとまっててくれないか。」
という彼の答え。


もぅだめだと思った。
ちょっとってどれぐらいなの?
なんて事も聞けないまま。

あたしは繋ぎだったのかよ。
彼女が戻ってこれば はいさようなら。だったのか。
頭の中がパンパンになった。
あんなどうしようもない奴。
本当は最も嫌いなタイプのはず。
自分がばかみたいに思えて。
一人舞い上がってた気がする。
考えてみれば彼女と駄目になってまだ5ヶ月か。
その間にすでにアタシとこんな関係になってる彼を
どう信じたらいいのか。



自分が今してる事。
彼が今してる事。



考えて。



ひどく落ち込んだ夜をすごした。








2001年11月17日(土)
月夜

ただ愛おしく思ってた日々。
先の事など聞きたくなかった。
考えたくなかった。

ただ今の現実が満足のいくものであればよかった

そう 自分に言い聞かせていた。

刹那的思考。

クールな女はそうでなくてはいけない。


ある時 なんともいえない感情を覚える。
いや わかってたけど目を背けてた部分が
出てきてしまう。

暗闇に落ちたような
ひとりぼっちの感覚。


もちろんひた隠し。


いつもの電話がおわった後 孤独感と戦う。


これから彼は家族の元へ何もなかったように帰るんだろう。
家に帰るとかわいい子供と奥さんが出迎えて
あったかい食卓で1日の出来事話するんだろう。
きっと彼はいやがる事もなくいつものように
やさしい笑顔で答えてる。


こんな想像。

やきもち。
独占欲。

醜い部分が顔を出す。

あたしは一人さみしさと戦う。
誰もいない夜は泣けるだけなく。
我慢するとひきずるから。
一番底まで落ちてまたはい上がる。
その繰り返し。

彼との距離のバランスを保つため。

次の日また平常心で彼と会話するため。



「月の綺麗な夜は空をみようか」


二人の距離を埋める月。

月はどこから見ても一緒だね。

少しは夜の孤独から抜けられそうだよ。



ある日電話の途中

「ねぇ、今、そっちから月みえる?」

「みえるよ。綺麗だね」

一緒に見てるんだ。
同じ月。
同じ時間に。

それだけの事。

それだけの事なのに涙がとまらなくなった。

彼の前では泣かないと決めたのに
気が緩んでしまったのか・・・・。


ちょっと失敗。


ちょうどいいというか、彼の携帯の電池がそこできれてしまった。

よかった。
なんとかばれないですんだと思った。

なのに・・・彼は公衆電話を必死に探しまたかけてきたくれた。

「大丈夫?」

「・・・ごめん 大丈夫だよ」

・・・・・・・・・・。


ばれてた。



このあたりから彼は
少しずつ変わっていった。


少しずつやさしくあたしをつつみ込むように。


暗闇を怖がらないように。


そしてあたしは安心して眠る。




















2001年11月16日(金)
アントシアニン

初夏の風は気持ちよくて
海に近い場所で暮らすあたしは
よく海にいくようになった。

彼の好きな海。

お互い見ている海の景色は違えども
どこかで繋がってると感じる。

ぼーっと海を眺める。
1日たりとも頭から彼を忘れる事はない日々。
まだ写真でしか見たことのない人に
なぜ日ごと思いがつのるのか
自分でも不思議でならない。

外見ではない中身から始まる関係。

見えない相手だからこそ
自分を知ってもらおうと
良く思ってもらおうと
暗中模索の日々。

どんな顔で笑うの?
どんな顔で話しかけてくれるの?
どんな手であたしを包んでくれるの?


いつしか
「逢ってみる?」
なんて聞かれるようになった。


まだこの時は絶対逢わないと決めていた。

家族に対するあたしなりのけじめとして。

そしてまだ彼をどこかで信じていない自分に対して。

これが恋なのか愛なのか
確信もないまま
ただただ惹かれていく彼の存在が
まだなんなのかはっきりしていない自分
海に漂流する藻屑のように
ゆらゆら流れるまま流される
たどり着くのは何処なのか。

そんな中途半端な気持ちで逢う事なんてできないよ。

「逢いたいけど逢えない」

わかってくれるかな。

ふれてみたいんだよ・・・・。あたしだって。


でもこれだけはわかって


もぅあたしは彼のアントシアニンで
真っ赤に染まってるの。







2001年11月15日(木)
暗黙のルール

静かな日々。
少しずつ彼の事を知っていく。

家族の事 昔の話し
いろいろ聞かせてくれた。

でもね聞きたくない事があったの。

今までの女性関係。

前から聞いてた話から想像すると
学生時代はかなり遊んでたもよう・・・。
イマサラ何?
って思うかもしれないけど
いらない事考えたくなかったから。

だから始めに約束したじゃん
「あたしに過去の事話ししないでね」って。

どーいう意味かわからなかったみたいだけど

だめなの。

つまんない事だろうけど気になるの。

いい年してまるで子供のような感情。

ほら。
・・・・・・・。
いわないこっちゃない。
ふつふつとこみ上げてきちゃう。

家族の事。話ししないのは暗黙のルールと思ってたけど
彼は普通に話しするんだ。
奥さんの事子供のこと。

あたしは少しずつ自分の家族の話は遠ざけた。
こんな関係の思いやりとして。

彼は気づかないんだ。こんな気持ち。

あたしに家族といる彼を想像させないでほしいのに。

もどかしい気持ち。
でも言えない。

「大人」なふりをする。

「大人な関係」でいられる為に
クールな振りをする。

よかった遠距離で。

電話だったら笑っていられるもの。

電話切ってから泣けばいいんだもん。


クールでいつづける為には

彼の前では泣かないでいようと思った。




2001年11月13日(火)
かもしれない・・・。

探り合いの日々から1歩進んだ気がした。

始めて男に自分から歩み寄ったんだ。

怖かったよ。
もぅ今までのようにいかないんじゃないか。
ってね。

それでも彼は逃げるわけでもなく
やさしい。

いっそのこと 突き放してくれれば。
あれは夢で終わってたのかもしれないのに。

中途半端な気持ちのまま続く
ばかなおしゃべり。
核心に触れないまま。

それでも少しずつ少しずつ距離は縮まっていってる気がした。

暴走しはじめたあたしの心。

白黒はっきりさせたいこの性格が
もどかしい日々を
灰色にしようとしている。


いつしか逢いたいと思っている。

逢うと歯止めがきかなくなる気がして
必死にこらえる。

もぅ自分の気持ちすらブレーキがきかなくなってる。

お願い。
はっきり聞かせて。
そして安心させて。

結果が良くても悪くてもいい。
中途半端に期待しているこの気持ちに終止符を。

「好きなのかもしれない・・・」

ある時彼は言った。

きっと彼の彼女の事
家族の事

考えて考えて
ずっとうらむやにしてきた日々から
ようやく出てきた彼の言葉。

かもしれない・・・。
それでも灰色の日々から救われた気がした。

どちらかといえばきっと
あたしも 同じ立場だったら
そんな言い方していたかもしれない。

考えて考えた挙げ句の「かもしれない」

ずっと思ってた
似たもの同士だな。

育ってきた環境も土地も友達も
違いすぎるほど離れているのに

似ていると思った。
心の中。



それからの日々
メールには今まで我慢していた素直な気持ちを
書くことにした。


素直に接し始めると
彼もゆっくりと時間をかけて心を開いてくれた。

表現がへたくそなあたしは
好きな歌でさりげなく心を開く。

君の好きな歌。
あたしの好きな歌。

2人で好きになった歌。

伝えたい事が増えていくだけ
好きな歌が増えて
いっぱいになった。


もぅ良いのかな?



君とあたしはつながったのかな・・・・・・。



2001年11月12日(月)
5月の空

彼の奥さんが第二子を身ごもった。

彼の彼女に話ししたらしい。
返事は「ちょっと考えさせて下さい」
だったそうだ。
「もぅ駄目かもしれない」
そうつぶやく彼に
「別れるなら今」
と助言したあたし。

心中は複雑。

彼女と切れて家族のモトに帰りな。

今のあたしにはこれが精一杯の慰め。

これでいい。これでいいんだ。と
自分自身に言い聞かせる。

友達としての当たり前の意見を
ただ並べる。

早く彼から彼女が消えますように。
祈りながら。



あっけなく2人の関係は終わったようだった。

あたしには詳しくは話ししなかったけど。
どうやらそのようだった。

また いつものように普通に会話する日々。

彼女と別れたからなのか
週に1回程度の電話が2回になり・・・・・・3回になり・・。


「あたしの事なんだとおもってんの?」

「んー・・・・君は・・特別。」

「なにそれ」

「話ししてておもしろい キャラ」

「キャラ・・・・ですか。」


いつか彼の口から何か言ってくれるのではないかと言う期待。
探り合う毎日。
でも彼の口からは何も出てこない。
あたしが期待するような言葉は。
暗黙の了解のごとく。
一線は越えてはいけない「友達」のぎりぎりのラインを。
時には楽しんで。
時にはさみしくて。
小さい駆け引きは続く。


逢ったこともない彼に。
なつかしさを覚える。


声と文字だけの彼に。

あたしは何を求めているんだろうか。


そして発信された。
精一杯の告白。


「本当は電話待ってる自分がいる。」


彼はとまどっていた。
多分。


これでもう電話こないかな。

なんて思うけど。
黙ってはいられなかった。
もう限界だったんだ。
この気持ち。

笑ってばかりはいられなくなっていた。


彼の反応ははっきりしなかった。
わかってた。
彼女と別れてまだ間もないし。
それ以前の問題。


それにあえて向かう自分がいたなんて

いつも自分からは行動しない。

特に男に関しては。

この年になってバカみたいだな。

ていうかバカだ。


何やってんだあたし。


でもこの雲がかかったような頭の中は
冷静さを欠き 5月の遠い空ばかり眺めている。





2001年11月10日(土)
彼の彼女。

しばらくは いい感じでおしゃべりを続けた。

どんどんメンバーの事知っていく。
そして彼の事も知っていく。

彼と私。

結構共通点があった。

なんだかうれしくなる。

お互いの事話始める。

一定の距離を保ったまま。



直に声が聞きたくなった。



かたくなに拒む彼。


かけてこなくてもいいよー。
なんていいつつ 自分の携帯の番号を簡単に教えてしまう。
誰でもイイカゲンに教えていたわけではないけど
他のメンバーにも教えてたし そののりで。
特定の女にかけてくるような事はしないだろう
という気持ちと、もしかしていつかかけて来てくれるかな。
という期待と。



かかってきた。

まさか。という気持ち。

異常に緊張した。

いつもはチャットで平気で話していたのに。
生の声は耳の奥から心臓へと響く。
やさしい声だった。
「本当はかけないと思っていたんだ」
なんて。
ちゃっかりかけてきてるじゃないの・・・。
緊張してうまく話せないのに。

「おもしれーなぁ またかけちゃおっかなー」
なんて。
思わせぶりな事を言う。
抑えて多モノがでてきそうだ。
何も期待してはいけない。
ただただ友達としての会話を楽しむ。

夜メールが届いてた。

電話をする前に書いたらしい。

”ネットで知り合った好きな彼女がいる。
現在進行形。電話をすれば逢いたくなったり
感情がでてきてしまうだろう。だから電話はしない”

そんな内容だったと思う。

それまでいっぱいになっていた思いが
さーっと引いていくのがわかった。

既婚だという事よりもなんだかショックだったな。
自分がちょっと特別に思えていた矢先の出来事。
チャット繋いでいたのも彼女を待っていたから。だった。

なんなんだろう。
この気持ち。

自分の気持ちそっちのけでなんか説教のメール書いた気がする。

「別れた方がいいよ。家族の為にも」

そんな事を言い合えるぐらい
もぅ自分の感情は無視の日々が続いた。

そう。あたしは良き相談相手として
彼に接する事を決めた日。

まだまだ自分の感情なんて消せるし
白紙に戻せる自信があった。

素知らぬ顔で過ごす日々。

彼に媚びたりするのはいやだったから
まっすぐダメなものはダメという人間になった。

彼女を思う彼を。

彼の電話を待ってても 待っていない振りをする自分を。

お互い違う方を向いていた日々。

ちょっと変わった日常に
もしかしたらあこがれていただけかもしれない思い。

自分の心臓の鼓動聞こえないように耳を塞ぐ日々。

それでもチャットは続く。
メールも送る。

友達として つまんない彼の彼女の話を聞く。



ある日 我慢していた感情が
心臓から飛び出し
この指からキーボードをつたって
発信してしまった。







2001年11月09日(金)
あなたを見つけました。

出会いは単純なモノで。

3年程前にさかのぼる。
ネット遊びをしているうちに「チャット」というモノを知る。
同時にいろんなヒトとお話できるこの機能。
初対面名の人との話しは苦手なアタシでも
ネットでなら気軽に友達になれる自分を発見する。

そして毎日チャットしてた。

時々同じメンバーと話す。

そのうち特定の人達と同じ部屋で話しするようになった。

そして

出会った。

彼と。



と言ってもあたしは既婚。
彼も既婚。


恋愛感情などまったくなく
ただただ毎日同じメンバーとチャットでバカな話しでもりあがる。
その中の一人。


毎日毎日その時間が楽しみになる。


ある日ただ繋いでたアタシに個人で話しかけてきた。

「ただ おもしろいから」

それだけの理由。

あたしもたまに見つけては話しかける。

「ただおもしろいから」

それだけの理由。


1対1で話す。


けれども いつものバカ話し。


お互いの胸の内 探りながら。
笑っているだけ。

それでも楽しい。

何も求める事はない。

楽しければいいんだ。



そんな日々がいつまでも続くと思った。


気が合う人もいるもんだな。
なんて。
自分の心に蓋をして。

なにかこみあげてくる思いを必至に押さえていたあの頃。


そんなやつらが大嫌い。
こんな駆け引き大嫌い。
世の中間違ってる。
いい加減なオトナだらけだ。
しっかり自分の意志貫けるやつはいないのか。


なんて 思っていたあの頃。





エンピツ