記憶の記録。

記憶の記録。
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2003年11月30日(日)

サイトの移転

携帯版からＰＣ用に移転しました。
といっても、ほとんど変わりはないのですが。
もとの携帯版のレンタルサーバーに出会えてとても感謝しています。
入院中のうつうつとした日々を大きく救ってくれました。
新しいＵＲＬ　http://www.h7.dion.ne.jp/~akarin/　も、どうか私達の日々の糧になってくれますように。

やはり実家にいきなり二泊はきつかったかもしれない。
母やキルシュと長い時間接することが出来て嬉しかったはずなのに、どうしても居心地が悪くて、所在がなくて、ソワソワがずっと治まらなかった。
長い年月「家族を守ってきた」はずの自分が「お客さん」になってしまっていることをＭちゃんが信じられなくて、そのギャップを受け止め切れなくて、それがしんどかったのだろう。
今は日曜日の夕方だが、昼過ぎにアパートに帰ってきてパソコンをいじりだして、この日記を書き終えてしまうのが不安で仕方ない。書き終えてから明日の診察室のドアをくぐるまでが、まるで永遠にやってこないかのように長く感じるから。
元気な子供人格Ｋ①は、それでも妹達とピザを食べたりゲームを見たりしてゴキゲンだったが、その姿もアタシからは遠く離れているように感じる。解離がひどいんだな、と思うもそんなこともどうでもいい。ひたすらだるい。
早く明日になってほしい、と泣きたくなる。

＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋＋
午後１０時半追記。
怖い夢に追い詰められて起き出して、あまりの気持ち悪さに洗面台に突っ伏したら吐血した。
多分、もともと胃が弱ってる（入院前から別の病院で胃カメラをすすめられてて、Ｙ病院で入院時についでに飲みたいと申し出たが病棟が内科に移動しなければならないからと断られた）ので、寝ている間に喉に胃液が上がってきて喉の内側を焼いて血が出たのだろう。と、信じたいと思う（おい）
怖い夢を立て続けに見て、子供達も参っている。泣いている声も聞こえる。寝たくない。一番楽に時間をつぶせる手段のはずなのに、だから眠っていたいのに、怖くて寝たくない。助けて欲しい(いったい誰に？）

…気持ち悪いぃぃ（涙）

2003年11月29日(土)

診察まであと二日

実家にいます。
Ｙ病院に行く日まであと二日なんですが、やっぱり案の定緊張とソワソワが襲ってきました。
早く行きたい、行きたくない、楽になりたい、なりたくない、生きていきたい、いきたくない…色んな声と感情が交差してループして、『私』の感覚がどんどん遠くなっていく不安感。
でももう身体を傷つけることだけは許さない。
そう思えるだけでも、入院の（そしてこの日記を始めたことの）かいはあるんだろう。
頑張れ、私たち。

あああああ辛い～(^_^;)

2003年11月28日(金)

パニック発作のこと

昨夜、食後に妹と楽しくテレビを見ていたら、宝くじの助成運動の一環としての防災活動の番組がかかった。
あ、と思ったときには遅かった。
不意に平衡が保てなくなり、末端がしびれて自分の位置が分からなくなった。
それから４０分ほどその状態や過呼吸のような症状が続き、やっと動けるようになったと思ったらアタシは交代をしてしまい、他の人格に苦痛を押し付けることになってしまった。
いつもながら申し訳ないと思う。
そして、今回もずっと手を握り、紙袋を口に当て、声をかけ続けてくれた妹たちに感謝。
本体Ｍちゃんがこういったパニック発作を頻繁に起すことになったのはＮ.Ｙの同時多発テロの映像を見たときからだが（丁度ものすごく不安定なときに、真夜中の第一報をテレビで見たのだ）、実は阪神大震災のときにも彼女は自宅ではなく大阪の病院に入院中で、そのときもＤＩＤだと診断された直後で非常に不安定だった。そういった重なりがあって、パニック発作、特に地震関係について敏感に反応してしまうのだろうかと思う。
彼女はいつも自分に対する死のイメージを持ち歩いている。
それが伝染されるのも辛いことだし、しんどいなあと思う。
そんなこともあり、その後は入眠時幻覚がひどくて、なかなか寝付けなかったようだ。
ＢやＫ①など、何人もが交代したけれど朝は頭痛が酷く身体がだるく、かなりしんどかった。

今日から２泊ほど実家に帰ります。
現在妹と相方Ｓと三人で暮らすようになったのは、父とのイザコザが原因なのだが、その父が日曜日の夕方まで職場の研修旅行だそうなので、久しぶりに戻ってみようかと思う。
Ｍちゃんはこれまでも何度か「早く父と仲直り（というか和解）したい」と言い、衝動的に家に帰ろうとしたり電話しようとしたりしたのだが、そのたびに母や妹やらが「ゆっくりしよう」とやんわり止めてくれた。その後実際、彼女は自分のフライング行動について後悔したり泣き喚いたりしていたので、いつも母たちの制止行動に感謝している。
同時に、早く自分達だけでコントロールできるようになりたいとも思う。

2003年11月26日(水)

1週間かかって

やっと少し前に進めた。
友達の力や妹の力や、もちろん内部の力ももらって。
嬉しい、と思う。
アドバイス通りには出来なかったけれど、それもまた自分達のペースだと思う。というか、そう思うようになれた。
ありがとう。

昨夜は２時過ぎにやっと寝付けたのだが、朝５時過ぎにおもむろに起き出してゴミ捨てに行ったらしい。同居人Ｓが気付いてくれて一緒に行ってくれたらしいのだが、ゴミを捨てた後「おうちへ帰る」と泣きながらあらぬ方向へ歩き出したらしい。
気付いてくれて本当に良かったと思う。
それにしても、「その子」は何処へ帰りたかったのだろう。何処が「おうち」だというのだろう。

Ｍ先生のところへいけるまで、1週間をきった。
もう少しだ、頑張ろう。

2003年11月19日(水)

転院手続き

昨夜遅く、MK②が手首に６ヶ所傷を作った。まだどこかにカッターの替え刃が隠してあったのかと愕然とする。そして非常に悲しく情けなくなる。妹とSに知らせたのは最年少子供人格Ｃだった。入院前までは傷を作る側だった人格だ。手当てをしてもらって、その後再びMK②が包帯を解いたときもＣが知らせたらしい。
とても辛い。悲しい。苦しい。
でもＣは確実に以前とは違っている。
その事を忘れないようにしよう。
ああ、でも、苦しい。

午前中からＯ先生のクリニックへ行き、Ｙ病院に転院したい旨を伝えた。Ｏ先生は快く送り出してくれた。昨夜のことも、この緊張がたたってのことだと思う。実際Ｏクリニックを出た後も解離間がひどくフラフラした。
かえって一眠りしたあと、Ｓと買い物に出たがイライラがひどく些細なことで気まずくなり、相手を傷つけてしまった。
ひどく後悔している。
でも、とりあえず、第一段階に続く第二段階―――転院の手続きが成し遂げられた。嬉しい。
ゆっくり行こう。ゆっくり。

夜、母が来て、手首の包帯のことを聞かれた。
「切られちゃった」と殊更何気なく言ってみた。
母は頭をゆっくり撫でてくれた。
ここまで来るのに２０数年間かかった。
お母さん、受け入れてくれて有難う。

連休があることもあり、Ｙ病院のＭ先生に会いにいけるのは来月になってからだ。どうか、どうか穏やかに過ごせますように。
『私』自身も妹もＳも傷つけたりしませんように。
薬を飲んだけど、なかなか悲しいのが去っていかない。
困ったなあ。

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０時過ぎ追記。
眠前薬を飲んで２時間近くたったが寝れない。
この間に、相当久しぶりに過食人格Ｍ②が出てきた。
最初、『私』はイライラした気分を抑えるために温かい飲み物を何か飲むつもりだった。それだけだったのだ。
気がつけば、部屋の隅っこでカップラーメンやお菓子やパンや…。
ため息しか出ない。
すごく苦しい。
吐いてしまいたい心と、「ここで吐いたらまた過食嘔吐の日々に逆戻りする」という恐怖感があいまって動けなくなってしまっていた。
原因はやっぱりＯクリニックのことだ。
自分達に本当に向いていると思ったから転院希望をしたのに、そしてそのことをキチンとＯ先生に伝えて明るく送り出してもらったのに、後悔と自責の念が繰り返し襲ってくる。
ＭちゃんがＳやチリに「Ｏ先生のところへ戻りたい。それよりもＯ崎先生のところへ戻りたい」と泣いてすがっている。
嫌だ嫌だ嫌だ。
新しい道を行く事を怖がって、「いいところ」ばかり抜き出した記憶にすがって泣く『私』。
もうそんな自分のことは理解しているはずだ。
だから、泣いても、自責の念にかられても、アタシは新しい道を行く。
でも苦しいのは、本当だ。
早く眠りたい。
内部のざわめきから解放されたい。

2003年11月18日(火)

ソワソワ…

起き出したのは夕方４時だった。
ギャッと思ったが、午前中と昼前に二回起きて、朝の薬とＯ先生のところへの予約電話は一応クリアしていたらしい。
とりあえず安心するが、それからも調子は上がらず鬱傾向がひどい。
ただ、それでも希死念慮がおこらないのは嬉しい。
嬉しいが、辛い。
身体がひどく遠くにあるようで、足元が床なのか土なのかアスファルトなのか分からなくて不安でイライラする。
思ったよりも、Ｏ先生のところに行くのはストレスだったようだ。
Ｏ先生は本当に素晴らしい先生なのだが、『私達』とは少し合わなかったと思うというのが正直な感想だ。
尊敬するＯ崎先生に紹介してもらった先生なのだからきちんとかからなければいけない、という思い込み（というよりもむしろ呪縛だ）にとらわれすぎていた。もうちゃんと、自分達で選んで自分達で決めていこう。そうしよう。それが新しい地図を描くということで、転院はその第一歩だと信じよう。
明日は朝９時から家を出なければいけない。早く寝よう。
それにしても、支えてくれる友達がいるって本当に有難い。
カウンターの回る分だけ、有難うと言いたい。
いつも気にしてくれて有難う。

子供人格間の混乱はまだひどい。
誰も彼もみんな、大事な仲間なんだよ。
早く泣きやんで。

2003年11月17日(月)

一睡もせず朝から市街をうろつく。
寝てしまっても良かったのだが、昼夜逆転になるのがこわいのでなるべく起きていたかったのだ。
あちこち朝から開いている店をハシゴし、昼過ぎにチリと合流。昼ごはんを食べてから、友達へ贈り物を探すために百貨店へ行く。退院の内祝いを子供人格たちが一生懸命考える。
『私』はそれくらいからまた解離感がひどくなりはじめ、買い物後はゆっくり身体を休めさせてもらうためにまたカラオケへ。部屋に入るなりバッタリ眠ってしまったのだが、起きてきたのは見知らぬ子供人格Ｍだったという。
「新しい人格」ではなく、今回の混乱に巻き込まれて起き出してしまった「痛みを持つ古い人格」のようだ。今の子供人格の中心であるＫ①のことがひどく嫌いなようで、Ｋ①の動揺もひどいようだ。退院して早々の不調に自己嫌悪が続く。もっとも、それ自体が思っても仕方のないことだと分かってはいるのだけれど。
実は、昨夜のソワソワ脱出から二回（昨夜の眠前と今朝の朝食後の薬）を飲み忘れている。それが悪いのだ。反省とともに、逆に自分達に見合った処方がされているのだと嬉しくも思う。明日からは絶対に飲み忘れないようにしようと誓うとともに、Ｏ先生からＹ病院Ｍ先生のところに転院させてもらう手続きを取ろう。今の私達には、Ｍ先生の指導と投薬が必要だ。

明日はうちの弟猫が去勢手術をするらしい。チリに全て託してしまわなければならないのがとても申し訳ないと思う。

2003年11月16日(日)

昨日から解離がひどく、日記が書けない。
調子が悪い訳じゃなく、心も乱れてはいないのだけれど何しろ集中力と「心と身体の一体感」が欠けている。
ご飯を食べるのにも２,３回は途中休憩を挟まないと苦痛だった。
あ～あ、しんどい。
しかも丁度生理がきてしまったので余計にうつらうつらしてしまう。
でも、これは喜ばなきゃいけないことなので（今まで３回も卵巣のう腫で手術しているのだ）、あきらめてぐつぐつのたうつことにする。
人格の交代は緩やかで、頭痛がひどくないのは有難いと思う。
でも、昨日と今日で洗い物を２回した。
自分達の食べたお皿だけだったけど、すごくすごく嬉しい。
こんな風に、他の誰かから見たら「情けない」と笑われてしまうことかも知れないことだけど、でも自分達のペースでゆっくり行こうと思う。

クリスマスには、雪のようにキレイな白いケーキを作りたいというのが今の夢だ。実際、今までは２時間もあれば作れていた。でも今は遠い夢だ。焦らずいこう。

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ここまでを書いたのは、確か夜の１０時くらいだった。
結局それから一向にソワソワが落ち着かなくて、Ｓとチリを付き合わせてカラオケに出た。今は朝の６時で、帰ってきてすぐにこれを書いている。
チリは昨夜は知人の結婚式の二次会に行っていたのに付き合ってくれて、疲れてただろうに申し訳なかった。
でも、おかげで楽しい気分で時間をすごせた。
一見とても無意味で脳天気な時間のつぶし方に思えるだろうけど、今の私達には必要な無意味さだ、と思う。
何しろ実家にいたときには望めない過ごし方なので、色々無理をしてでも今のアパートに移ってきてよかったと心底思う。
今日のチリのファッションはとても可愛くかっこよく、ついＳとともに写真にたくさん収めてしまった。
これからもたくさん楽しい思い出が全員に増えていったらいいな、と思う。

最古参の人格で、一番最初の主人格だったＣが覚醒した。
約４年ぶりだろうか。
いい方向に向かっているんだ、と信じたい。
彼女に、昔のような笑顔が多く戻っていた。
いい事なんだ、と信じたい。

2003年11月14日(金)

おるすばんできるもん

というわけで、今日は一日お留守番の日だった。
チリとＳは、朝からＳの本拠地であるＫ市に冬物を取りに出かけていって、私達は一日部屋でゆっくりごろごろ。
こんなことは何週間ぶりだろう。
ゆっくりごろごろが、ではなく、『私』が一人でいることをあの二人が認めてくれたのは、である。
一人でいてもいいよ、と言ってもらえるのは、信用してもらえているということだ。
私達もとても嬉しかった。
夕方、一度だけ近くを散歩しようと家を出たが、「ちょっと無理だな」と思ったので素直に帰ってきた。自己判断が出来たということだ。
鍵を開けたままどこかに出かけて行ってしまうこともない。生活費を勝手に持ち出して、自傷するための刃物を買って帰ってくることもない。
自分達の行動を自分達で信じられるって、そして管理できるって本当に嬉しいことだ。
これからも何度か、こういう「お留守番日」を作ってもらうことにした。
全く手間のかかることだが、でも、仕方がない。と、今は言い切れる。
ゆっくりね。

夜は近所の居酒屋で乾杯してもらった。
嬉しい。
解離がひどいときに、何度かＳとともに来たはずだが、まるで始めてきたような感じだった。
あの時、Ｓがついててくれてよかったと本当に思う。

家に帰ってきてパソが使えるようになったので、ちょっと仕様を変えてみました。もし見難かったりしたらご一報くださいね(^^)

2003年11月13日(木)

ご報告します

まず始めに、どうしてもお礼を言いたい。
支えてくれて有難う。
勇気をくれて有難う。
元気をくれて有難う。
このサイトに来てくれる皆さんの力をもらったからこそ、今日の先生の言葉を聞けたのだと思う。

「中の皆の力を信じて、よく頑張ったね。うちの閉鎖病棟に要保護状態で入院してきて、こんなに早く退院出来るようになったのはあかりさん達が初めてですよ」

涙が出るほど嬉しかった。
人よりも早く退院できたのが嬉しいのではなく、自分達が自分達のことをまだ信じることが出来ていて、それが目に見える形で現われてくれたのが嬉しかったのだ。
入院した時には、もう絶望しか見えないと思っていた。
自分達はＯ崎先生の下でしか入院などしないと思っていた。
そのＯ崎先生のもとから離れてからは、精神科で入院なんてありえない、むしろしてはいけないと思っていた。
それまでの自分達の頑張ってきたものが、全て否定されてしまう気がして。
実際、入院した時に、今までの頑張りは全て否定されてしまったのだ。
他の誰でもない、自分達に。
正直、もう駄目だと思った。
怖かった。怖かった。
自分達の未来が何も見えなくて分からなくて、不安で不安で、本当に怖くて。
でも、それすらも、間違いだった。
駄目じゃなかった。
ＤＩＤという病は、確かに今回も私達の生命を脅かすほどの脅威を与えた。
しかし同時に、そのシステムが私達を救ってもくれたのだ。
私達とＤＩＤは、やはりもっともっと時間をかけて分かり合っていかなければならないのだ。
８年間付き合ったくらいで「もう理解した、制した」なんて思ってはいけないのだ。
発症から数えれば２０数年間、一緒にいたのだから。
確かにＯ崎先生と歩むつもりだった未来は、様々な理由で立ち消えた。
それでも、私達は、「これから」を生きていくのだから。
私達を、『私』を愛し、心配し、「生きろ」と願ってくれる人たちに支えてもらいながら生きていけるのだから。
だから、もう新しい地図を描き始めよう。
入院の初日に、友達が言ってくれた言葉がある。
「始まるんだ、ここから」
入院がもう人生の終わりのように感じていた私達の心を、温かくしてくれた言葉だ。
8年間頑張ったけど、もう終わりだと思っていた。
でもそれは、違ったのだ。
今からまた、ここから始めてもいいんだ。
退院が決まった今日、本当に、ここからまた始めようと思う。

私達は、『私』は、生きている。
生きていく。
解離性同一性障害との人生は、まだ続く。
私を支えてくれる人たちとともに。

いつもサイトに来てくれて有難う。
退院、出来ました。

2003年11月12日(水)

蛇の生殺し…

母が病院に来てくれましたが、面談自体が午後８時からと遅かったため、終わったのは消灯（午後９時）直前でした。なので、部屋で待機していた私達は詳細が聞けずじまいのまま。退院の日取りについては明日以降に持ち越しです。
でも、２・３日中には、必ず！

2003年11月11日(火)

疲れ脳

夕方、チリへ送ったメール。
↓↓↓↓↓
[件名]
日記にかくまえに聞いてくれ

[本文]
Ｏさんから、嬉しいお見舞い＆元気になったら遊ぼうメールがきた。ノジイに風呂覗かれかけた（浴場で身体洗ってたら、忘れ物探すふりして脱衣所に入ってきやがった。浴場に一緒に助手さんがいなかったら、開けられてたかもという勢い）。心電図の検査がいきなりあって、Ｋ①だったので昔を思い出してえらく緊張した。

あたしゃ脳が疲れたよ。バーイちびプリソたん（もう『ちびまるこ』は時代遅れなんでしょうか…）

↑↑↑↑↑

そんな一日でした。Ｏさんというのは、この度円満退職出来た職場で同僚だった人。Ｍちゃんは仲良くなれてとても喜んでいたのだが、鬱がひどくなると対人恐怖症もひどくなり、相手の何気ない一挙一動が全て「自分を嫌いだと言っているサイン」だという妄想にすりかわって、とても苦しい思いをした。だけど、今日くれたメールには、「元気になったら帰っておいで」という嬉しいものだった。職場にはさすがに本当のことは言えず、持病の婦人科系の病気が悪化したための治療入院・療養退職としているのだが、いつか本当に戻れたらいいと思う。心から思う。
メールを読んでいる間中、意識は私だったが、気付くと涙がぽたぽた溢れていた。心のどこかで、Ｍちゃんも読めたに違いないと嬉しくなった。本当は彼女自身に返信させてあげたかったが、これは早く返事した方がいいと思い（「返事に時間がかかったので嫌われた」という妄想を入院前に経験したので）、アタシがすぐに返事を返した。『私』からの早い返事を、Ｏさんはとても喜んでくれた。
よかった。
本当によかった。

後の３つはろくでもないことだが、それにしてもパニックに陥ったりＦＢを起こさなかった自分達をほめようと思う。動揺して交代したので頭痛はひどいが、それだって結果をみれば「自分達で一番いい対処方を考えて、それが人格交代だったので実行した」というもので、決して気付かないうちに知らない人格や暴走人格（今はみんな落ち着いているが）にスイッチしてしまったわけではないのだ。これはとても重要なことだ。もちろん、ＦＢとはいかないまでも、昔の嫌な記憶は澱のように浮かんで揺れてしまうけれど、それはまたゆっくり対処していけばいいことだ。とりあえず、横になって頭痛が治まるのを待った。ゆっくり行こう。しかしノジイは許せん（怒）

毎日、「焦らず」とか「ゆっくり」とか自分達に向けて書いてると、なんだかおかしくなってくる。でも、逆に「やっぱりそれが必要なんだな」と客観的に思えたりもして、そんな時にはつくづく日記を書くことにしてよかったと思える。そもそも、このサイトを開いた理由は３つあって、一つは「入院中の自分達の記録」二つ目は「心配してくれている人達への記録」、これはトップにある通りだ。そして、３つ目は、とても嫌な理由だった。「いつも見てくれる人がいるというのを知らしめることで、本体の希死念虜を和らげたかった」のだ。ぶっちゃけ、自殺の抑止力にしたかったのだ。そして今、親しい人、心配してくれる人、皆さんのおかげで３つ目の理由は必要がなくなりました。本当にありがとう。まだまだ苦しいけど、もっとゆっくり楽しく歩いていきたいと思います。記念に、「画像つきBBS」を設置したので、どんどん投稿してください。
今の３つ目の理由＆目標は、「お友達と楽しく過ごせる場所にする」なので。というのを、昨日の日記で書き忘れてました（笑）

明日は、母が先生と面談しに病院に来てくれます。さあ、退院の日取りやいかに(>_<)

2003年11月10日(月)

目指すところ

一日本を読んだり、携帯ゲームをしたりしておおむねノンビリ過ごした。外泊の後だから、どんなにじれったい気持ちになるか内心怖れていたのだが、予想したほどのイライラはなかった。ただいつもと同じくらいに「暇だな、チリやＳに会いたいなあ」と思うのみ。ほっとした。
最近は人格交代時の揺れもほとんどなく、穏やかだ。特定の、負の感情を持っている人格の場合は別だが。
このまま、誰が出ていてもそう変わりなく感情や記憶を伝えられたり、特定の感情ばかりが肥大してしまったりすることが少なくなってしまうといいのに、と強く願う。
こんなことを考えるのは、今日は穏やかながらも何度か人格KRの気配を感じたからだろう。
最も古い部類の人格である彼女は、常に本体Ｍちゃんの「死にたい」「いなくなりたい」という感情に敏感に反応する。幼いＭちゃんの「汚い自分が嫌い」という意識が凝り固まって生まれてしまったKRをどうやって楽にしてあげればいいか、まだ分からない。今日も彼女は、「死のイメージ」を伝えてきた。それが『私』自身のものでなくKRのイメージだということは、その妄想の中に現れる『私』の姿が幼いままなので分かるのだ。保育園だか幼稚園だかの制服を着ていて、悲しくなる。他のしんどい子たちも、いつかきっと優しく溶けあえるからね。安心してね。

『私』は完全な統合は望んでいない。ただ、『一人の人間』として無理のない範囲で生きていけるように、各人格の記憶や意識の調整をしたいだけだ。それは、Ｏ崎先生との治療のときからずっと変わらない。そのためには、重すぎる荷物を持つ人格は肩からそれを下ろしたり、「一人で持たなくても、もう皆で分け合って持てるくらいに時間が流れて大きくなったんだ」と気付かせてあげたりしなければいけない。それをどう伝えるか、また一緒に持つには確実に強くなっておかなければいけないから、自分達がそれぞれ「生きて」いきながらどう強くなるか。考えても、まだまだ時間がかかるなということしか分からない。でも、目指すところはこれからも変わらないし、また、変えなくてもいいんだろうなと今は思える。

2003年11月09日(日)

外泊終了

今日は本屋までお散歩にひとりで行ったほかは、おうちでゴロゴロ。とても気分がよく、楽しく過ごせた。何気ない普通の、貴重な一日。
お散歩には一人で出掛けた。徒歩１５分くらいのところにある本屋さんまでだが、途中には踏切＆橋＆幹線道路という、入院前の私達には危険すぎたスポットがある。今だからこんなに軽く書けるが、本当に、何回妹や相方に心配と迷惑をかけたことか。何度思い返しても、自分達のしていた行動にぞっとする。でも、今は、それらのことを反省しこそすれ、繰り返そうとは思わない。入院の価値はあったのだ、と嬉しく思いながら道を辿った。帰りは相方Ｓが途中まで迎えにきてくれた。
と、その顔を見た途端、足が止まってガクガク震えた。Ｓの顔を見て安心したらしい。自分達でも気付かないうちに相当緊張していたのだと知る。一瞬情けなくなりかけるが、「焦らない、焦らない」と、どこかの小坊主のように呪文を繰り返す。
今日のお昼は、チリの大親友Ｎちゃんが遊びに来て、パスタとオーブン料理を手づくりでごちそうしてくれた。すっごーく美味しかった。彼女も『私達』を知り、懸命に理解しようとしてくれる大事な友達だ。私達は、誰かに自分達のことを知ってもらうとき、とても申し訳なさと後ろめたさを感じる。この病気を告げることで、何と言って否定されるのか、また、受け入れてもらったらもらったで、相手にどれほどの負担をかけてしまうのか。想像するだけで恐ろしい。冗談で「多重人格みたいに雰囲気変わるでしょ」と言うだけならどんなに楽だろう。でも、実際にそうした場合、自分達に残るのはいつも苦い後悔と痛みだけだった。二十何年を一緒に過ごした病気を、そんな軽口でごまかしきれる訳も痛みを伴わない訳もないのだ。だから、ＮちゃんやＧちゃん、りるかちゃんといった「最近告白した友人達」への感謝は、本当に深く深く感じている。もちろん、ネットというあやふやな世界で、『私達』をまっすぐ信じてくれた人達にも同じだけ。
いつか、私達は感謝の分だけ自分達を許せる日が来るのだろうか。ガチガチに凝り固まった、本体Ｍちゃんの「私さえ生まれてこなければよかった」という心を解放出来るのだろうか。

アタシは、「YES」と答えることができる。今はまだ、小さい声しか出ないけれど。いつか他の人格達みんなと、大きな声で答えられる日がくると信じている。そう思えた３日間だった。
私達は生きている。
『私』は生きている。みんな、ありがとう。

病院に帰ってきて真っ先に、レンさんからもらった象さんを枕元に置いた。ありがとう。頑張るね。

2003年11月08日(土)

外泊ハリキリ二日目

昨夜は結局、明け方まで眠れなかった。起き出したのは昼前で、「外泊一日目からこれってどうなんだ」と反省することしきり。まあ、一日目だからかえって興奮しすぎてたんだろうけど。
ご飯を食べてから、相方かつ監督役（笑）Ｓとバスに乗って市街の方へお出かけ。本屋とデパートとスーパーを巡る。休憩は4回ほど。いやあ疲れた（笑）病院の中と比べてあまりの情報量と人の多さに脳の中からくたびれた気分。でも、疲れはしてもパニックは起さなかった。入院前と比べてとても大きな進歩だと自分たちをほめることにする。
ただ、疲れすぎるとやっぱり人格交代時の頭痛や圧迫感、それに解離感覚がひどくなる。これは各人格の調子が一定でなく、とことん悪いままの子が多くいるせいだ（本体Ｍちゃん含む）。今回の入院は「希死念慮の軽減」が主目的の保護入院だったため、とりあえず「今すぐもう死ぬ」と言う人格がいなくなった時点で目的は達成され、今こうやって退院に向けて外泊も許可された。ただ、やっぱり「死にたい」という感情を否定することは出来ないわけで、これから生きていくにはそれを何とかしていくことが重要なのだ。
こういったことを考えるとき、アタシは本当にもどかしく思う。
身体はひとつで、私たちはもともとＭちゃんという一人の人間に組み込まれていたはずなのだ。それなのに何故、こんなに、こんなふうにお互いを遠く感じ、「自分とは違うもの」と認識しなければいけないのか。
私のこの有り余って暑苦しいくらいの生への渇望を、重く苦しい心を抱えているＲやMkやＳ①に分け与えてあげられたらどんなによくてどんなに楽だろうかと思う。
でも、それは、言っても仕方の無いことだ。
それが出来ないから、『私たち』は病気なのだ。
お薬を飲んで、今日こそ早く寝よう。
そして、また明日、支えてくれる家族たちと頑張ろう。

まあ今日はもう既に眠いので大丈夫かな（笑）
うーんしかし本当に疲れた～。

2003年11月07日(金)

外泊一日目

ふっふっふ。
今日は余裕の私達。
午後の面談の後、なんと外泊が許可されたのだ！
というわけで、今日はおうちのパソコンから書き込みです。
いや～嬉しいです！相当浮かれてます（笑）
でも、当然のことだけど、今日の外泊が許可されたのは『自傷自殺のおそれ』が軽減したと自分たちが思えて、先生も家族もそれを認めてくれたから。
今日から日曜日の夜まで2泊3日、その事を忘れずに過ごそうと思う。
何より、向こうに『帰ってから』を大事にしよう。
焦らないように。
感情に振り回されて疲れすぎないように。
まだまだこれからなんだから。

今日の面談には本体であるＭちゃん本人が出てきた。まだ相当鬱な様子だが、自殺念慮は多少軽減したという。そして、入院前の遁走時―――その時は、某デパートの吹き抜けのギリギリ縁に立っていたのだ―――に、アタシ（Ｐ）の止める声がかすかに聞こえていた、と話してくれていた。とても嬉しかった。私は今回の人格間の混乱が起こったときに生まれた「新しい人格」なので、彼女とは直接話したことはまだない。それでも、Ｏ崎先生との治療経験はアタシと彼女の間にもちゃんと生きているということが無性に嬉しかった。
その後、また彼女は沈み、Ｋ①が迎えに来てくれた妹とゴキゲンで家に帰ってきた。
今はもう日付が変わったところで、身体は疲れているが目は冴えている。興奮しているんだなあと自分たちの事ながらおかしくなる。
でも、なるべくリズムを崩したくなるので、日記を書き終わったら眠前の薬だけでもきちんと飲もうと思う。
それにしても、月並みだけど、家って本当にいい。

2003年11月06日(木)

嬉しい！

今日の午後は病棟レクリエーションがあり、他の患者のほとんどはそちらへ引率されて出掛けていった。私は看護士さんに「男性と一緒にいるのが怖いので」と正直に告げて欠席。おかげで、入院して以来初めてデイルームに座り、テレビを見ることが出来た。静かなデイルームの空気に心底安らいだ。他にも欠席した患者さんが数名いたので３０分ほどで部屋に戻った。だから得られた情報は国生さゆりが離婚したことぐらいなのだが、とても貴重な時間だった。

さて、三度目の正直で先生と会うことが出来た。円満退職出来たこと、人格間の混乱が落ち着いたこと、マッピングと誓約書というアイテムを思いだし、自分達でそれを書けたこと等を話した。Ｍ先生は非常に驚き、喜んでくれた。そして、これからの事－－－Ｏ崎先生はいらないと信じてくれ、Ｏ先生には「無理です」と断言された『福祉』の手を借りることについても、「あかりさんにとって一番いい道を選んでいきましょう」と言ってくださった。嬉しくて、本当に泣きそうになった。『私』達は、Ｏ崎先生が「あかりさんたちには必要ないわよ」と言われたことに感謝している。『私』達の能力と生きる力を、誰よりも信じてくれていたから。Ｏ先生が「無理ですね」と言われたことに納得している。確かにこの病気ではまだまだ、そして個人クリニックには高いハードルだということを知っているから。
でも、それでも。
診断されてから８年以上、発病してからは２５年以上。
『私』達は、とても生き難かった。もう『私一人』では、生きていくのが疲れ過ぎていた。もう本当に、限界なのだ。
もちろん、福祉の手を借りられると決まったわけではなく、本当に大変のはこれからだ。でも、今日のＭ先生の「同意と協調」は、それだけで『私』達の心を救ってくれるに充分だった。
『私一人』と書いたが、メンタル面では決してそうでないことを忘れてはいない。Ｍ先生、母、チリ、Ｓ、この日記を読んでくれているお友達のみんな。
本当にいつも有難う。『私』達は、きっと生きていけると思います。生きていっていいんだと、信じます。

日常的な意味ではなく、治療的な意味での喜びを本当に何年ぶりかに思い出した。
それは希望だということも。

2003年11月04日(火)

削除されちゃった

…一度書いたものを、送信エラーで消されてしまいました…。今日も間違いなく私のボーダフォンでは表示されなかったであろう量だったので、書き直すことはあきらめます。ただひたすら先生を待ち続けた一日でした。看護士さんに頼んでおいたのに、向こうの勘違いだか連絡ミスだかで一日待ちぼうけ（＞＜）

2003年11月03日(月)

ターニングポイント

それは突然やってくるものなのだろうか。
今日、新しい人格がやってきた。Ｓ子と名乗った彼女は、以前いた二人の人格と、さらにマザー（私達のＩＳＨ名）のところからきた人格が融合して出来上がった人格らしい（余談だが、このあたりの文章を私は何度も考えた。どうにかＳＦじみた表現にならずにすまないかと。だけど、ありのままを率直に書くとこうなってしまう。融合という言葉だって、統合とともに専門用語だし。この日記ではそんな心配はいらないと分かっているはずなのに、やっぱりどこかで『作り話だと思われるんじゃないか』逆に『心ない捉らえ方をされるんじゃないか』と怖くなってしまう）。Ｓ子がきて、まず『私』達のとても大事な記憶が戻ってきた。８年前、Ｏ崎先生と治療を始めたばかりの頃の記憶。そこには、「マッピング」と「誓約書」という、これからの治療にとても重要な二つのアイテムがあった。入院前、まる一ヶ月かかったＯ先生との治療中にはカケラも思い出さなかった二つだ。『私』達は、自分達がこの病院で、Ｍ先生と、治療を続けていく覚悟が出来たんだと理解した。その覚悟を持つ強さを補うために、Ｓ子は来てくれたのだ。人格数は増えたけれど、私は逆に自分の意識に厚みが増し、視界が広がったような安心感を感じる。多かれ少なかれ、これは全ての人格が感じているのだろう。女子人格Ｒは今日も泣いていたが、「自分は汚い」という妄想はほとんど見られなかった。ただやはり、小学生時の記憶と現在を重ね、廊下に響く男性患者の笑い声にひどく怯える。やっぱり私達に男女混合病棟での入院治療は向いていない。でも、そこで悲観し「自分はダメな人間だ」と落ち込む弱さが、本体にも人格にも見られない。今の『私達』の意志はひとつ、「早めに退院して、外来治療を受けたい」ということだ。
人によっては、私達の今の状態がいわゆる躁鬱の「躁」に見えるかもしれない。だが、それは昨夜アタシＰが経験している。昨夜はＲの怯えと頭痛に悩まされて、「これはみんな男が壁一枚向こうにいるせいで、それさえなきゃなんでも出来るわｱﾊﾊﾝ」みたいな変なハイテンションになって妹に電話をかけ、「もう退院しようと思うねん」と言いだし、朝になって深い後悔に襲われて「やっぱまだ早いよな」とメールで撤回を宣言し、疲労感とこれからの入院生活について落ち込んでいた。そこにＳ子が現れたのだ。
昨夜や今朝のアタシと違い、今の『私達』は「なぜ入院の必要がなくなり、なぜ退院を早めたいのか」はっきり意志を持って説明することができる。「ＩＳＨの助けがあって、自分達が不安定な状態から抜け出す足掛かりを見つけ、それを実行するために、苦手な男性と共同生活をするよりは安心できる環境から治療に通いたい」のだ。
勿論、本当にすぐに退院出来るとは思っていない。でも明日、先生に今日私達に起こったこととＳ子が「これから」に向けて下準備してくれたことを話して、相談をしよう。
昨日の日記と今日の日記を読むと、我ながら出来過ぎなんじゃないかと思ったりする。でもこれらは全部、『私』達全てに関わることや人達がくれた、そして自分達が手にした「いい流れ」なのだ。私達は、そこで不格好でも必死に泳げばいい。今日は本当に、心からそう思える。もしまた疲れて休むことがあっても、今日のこの気持ちはＳ子がきっと覚えていてくれるだろう。彼女は、そう信じさせてくれる何かがある。

『それが、あなたたちのＩＳＨ（＝生命力の自助作用）の力なのよ』とＯ崎先生が微笑んでくれている気がする。

2003年11月02日(日)

旧友

昨日の日記で「今は２日の明け方」と書いたが、どうやらそれは認識間違いで１日の明け方あるいは深夜らしいと、試作用に置いた掲示板のりるかちゃんの書き込みで知った。アタシ（Ｐ）は最近時間や文字の認識があやふやだ。こうやって自分の思いを文字にするには不都合はないけれど、病棟内の予定表やお知らせの貼り紙や、調子が悪い時には携帯の時間表示でさえ読めなくなる。見えないのではなく、「何書いてんだか分かんない」のだ。これは入院してるせいなのかなと妹に相談したら、「でもＰちゃん、入院の一ヶ月前から説明書とか読めなくなってたやん」と返事をくれた。言われてみればそうなのだ。あんなに『私』達が好きでさわっていたパソコンの取り扱いも全く分からなくなって、引っ越し先のADSLの開通も駆け付けサービスを頼んだのだった。以前実家でいたときには、自分達で無線LANまで全て繋げたのに。そう思うとつい情けなくなってしまうが、私は、私達は病気なのだ。だから、また治せば元通りになれるんだ、と自分に言い聞かせ続けた。

さて今日は、そのりるかちゃんと妹が二人で見舞に来てくれた。嬉しかったってことったらない。もう今日で退院できるんじゃないかと思うくらい（笑）、元気をもらった。りるかちゃんは相方Ｓと同じ美大に通っていた女性で、本体もすごーく慕っていた友人だ。手土産にイチゴをもらい、有り難く美味しくいただいた。短大の時からだから、付き合いはもう１０年以上になるが、自分達の病名をハッキリ伝えたのは初めてだ。と自分達では思っていた。

私「あの、病気のこと、黙っててごめんね、でも嫌われるの怖くて。その…
り「うん、でも知ってたし、とっくに（素）」
私（衝撃）
り（素笑）

…彼女がとても強く、懐が深い人間であることは知っていた。が、今回のは本当に参った。彼女は「全てを受け入れる」というより、「全て今更」といった風に『私』に接してくれたのだ。以前から彼女を知ってこっそり「大好きなお友達のお姉ちゃん」と思っていたＫ①の喜びようったらなかった。今日からは隠さずに名乗っていいんだと知った彼女は、はにかみながら挨拶をした。

Ｋ①「初めまして、Ｋ①っていいます。あかりちゃんの中にいるけど、あかりちゃんじゃなくて、でも時々出てまし…
り「うん、でも知ってたし、とっくに（素）」
Ｋ①（衝撃）
り「いつも『りるかちゃーん♪』って抱きついてきてたでしょ」
Ｋ①（大衝撃）
り（素笑）

…名前こそ知らなかったとは言え、個別認識まで有難うりるかちゃん…（汗笑）りるかちゃんはこんな調子で、出会ったどの人格の誰にもいいお姉ちゃんに、いい友人になってくれ、更に男性人格のほとんどをその虜に（笑）して帰っていった。『私』は今、彼女に口では言い表せられないほどの感謝を感じている。この病気のせいばかりではないが、多くはそれが起因で『私』は友人と長続きすることはない。本体自体が長く眠ってしまい、主人格も頻繁に交代する事があるせいで連絡をまめにとり続けることが出来ないのが一つ、あとはやはり「へんなひと」と敬遠されることが一つ。そもそも本体の性格そのものが、社交性にむいていないのだ（だからこそこの病気に罹りやすかったわけだが）。だから、自分達には、何でも話せる友人というものが存在しない。趣味や特技など、ある一定のジャンルではそれぞれに友人がいるが、全てを打ち明けられる友達など、『私』は「持つことが許されない」と思うことが、長年のコンプレックスだった。
でもそこに、りるかちゃんはいてくれた。
「なるべく嫌われないくらいの友人でいようと一生懸命に自分を隠していた（つもり）の友人」は、とても安心をくれる「DIDの相談すら出来る友人」だった。今更ながら、彼女の懐の深さを見誤っていた自分達が恨めしい。
りるかちゃん、今日は本当に有難う。苺、美味しかったです（笑）

『私達』にはもう一人、りるかちゃんと同等で同種の安らぎを与えてくれている友人がいる。前の掲示板に真っ先に書き込みをしてくれ、きっと今後もよく登場してくれるであろう（笑）レンさんだ。彼女の存在がなければ、きっとこのサイトも存在しない。それから、お名前はふせるけれど、『私達』が初めてインターネットという荒海で声をあげたとき、旗を大きく振って応援してくださった方々。今でも本当に感謝している。

そして、誰より身近で『私達』を助けてくれる、妹・チリ。りるかちゃんへの連絡も、レンさんへの電話も、みんな彼女に橋渡ししてもらった。何かをする時も、どの人格も、最初の相談はみんな彼女だ。感謝してもし尽くせない。

ほら、オンラインでもオフラインでも、距離が遠くても近くても、こんなに支えてくれる手があるのだ。こんなに優しい人々がいて、一体どこの誰が死を選ぶというのだ。
目を覚ませ。
目を覚ませ、『私』達。

女子人格Ｒがまた怯えだした。昨日はゴキゲンだったのだが、今日たまたま見た「汚液が漏れ出しているゴミ袋」に自分の妄想を重ねたらしい。しきりにカッターを探す。手首を切っても腕を切っても、汚いものなどなにも出てこないのに。
何とか夕食を半分食べ終えたので、この日記を書いたら早く眠剤を飲んで寝ようと思う。

ねえ、でも、これまた消したら今度こそアタシゃ泣くよ（泣）（笑）
消さないでね。

2003年11月01日(土)

HP削除と再建築

今、11月2日の明け方です。10月30日午後、充電機が壊れたので妹に携帯本体と共に渡し、２日後の面会時に替えの充電機と本体を一緒に持ってきてくれるように頼みました。11月１日午後、妹は確かにそうしてくれ、その時点で『私』も確かに自分の作ったサイトを確認したのですが、一眠りして起きてみたら、綺麗サッパリ削除されていました…。
こちらのサーバーは削除ボタンを押すだけでなく、何度かメールや確認ページを経て削除されるようですので（受信トレイに残ってました）、何かの弾みではなく、どの人格かが明確な意志を持って削除したということになります。サイトだけでなく、例えば会員登録／解除など、こういうことは初めてではないし、常に「その可能性はある」と思って身構えるクセは『私』達にはあるのですが、さすがに今回はちょっとへこみました…。しつこいですが、一日目のバックアップを取っておいて本当に良かった。また消されるかもしれないけど、このサイトは本当に「特別」な思い入れで作っているので、しつこくまた再建築してやるー！と、アタシ（Ｐ）は誓うのでした。もとの掲示板に書き込んで下さった方々、本当にごめんなさい。とても有り難く拝見しました。あまりにも早い新たなスタートですが(^_^;)またよろしくお願いします…。

11月１日。
昨夜遅くから下腹部激痛。食事量の少なさと、薬の副作用による便秘のため。女子人格Ｒが泣きじゃくる。痛みに強い男性人格が変わろうとしても、すぐＲに戻ってしまう。これは、Ｒが小学生の時の痛みの記憶を持っていて、『私』は小学生の時にストレス性の便秘に悩まされていたからだろう。『私』達の病気は本当に記憶に関わるものなんだと改めて思う。耐えること10時間近く、やっと日勤の看護士さんに処置をしてもらって楽になる。今日は入浴日なので、そのままＲがお風呂に入れてもらう。元々Ｒは「自分は汚くて、体中から気持ち悪い液がたくさん出ている」という妄想を持っている子で、入院してから何度も看護士さんにベッドがその液で濡れていないかと聞いていたのだが、今日はこの後ずっとゴキゲンで助かった。入浴介助をして下さった看護助手さんが本当に優しく接して下さったことも大きいと思う。感謝。
母と妹と、彼女の友人が見舞に来てくれる。入院後、初めて母と会った。感情が溢れ過ぎてここには何も書けない。でも、『私』は、私達は、生きていきたいと願う。同じ『私』が、同じだけ死を願っていても。

あかり