るしふぇるの日記風味
日記だかなんだかわからんけど(ぉ

2002年11月11日(月) 王宮日誌10

王室。

取り立てて何も用事もないが、机に向かって漫然と書類を眺めていた。

『コンコンコン・・・・』


返事もする間もなく、ノックした者が入ってくる。


「私はノックするもんねっ」

「返事は待ってないだろが」

「まぁねぃ」


珍しい来訪者に一瞬驚きの表情を見せる、が、直ぐに直す。
あっちは、一瞬不快な表情を見せるが、それも直ぐに直った。
そして、相変わらず目を合わせずに話を続けた。


「用件は?」

「あるわよ。貴方と違って、用件がなきゃ来ないもん」


「私に後任指名の権限はないけど。一応、希望だけ伝えておこうと思って」

「不在のままでいい」

「ずっと不在で済むはずないでしょ。・・・を希望しとく」

「・・・にわしの命預けろと?」

「他に適任者がいる?」

「あいつは自由な方が良いだろ。お前以外に預けられる奴はいないからな」

「私はもう居なくなるんだからね」


分かり切ったことを言っていた。
無論、あっちもわかっていることだが。
それでも時は進む。


「外務も探さないとな」

「アンシはヴィージェに引き継ぐ、と言っていたような」

「あいつはお前のためにしか生きない。そういうもんだ」

「・・・一緒に死なれても、ついて来られても迷惑。結局『ダメ』なのだとわかった」

「お前のために生きてる奴は、お前が考えているより多い」

「私は自分のために生きろ、と強制したりしない。『誰かに命を懸ける』という意味を履き違えた人が、自分のために生きてくれても迷惑なだけ」

「まぁ、そうだが。まぁ、・・・死ぬなら盛大にな。国葬してやるよ。有史以来、初だぞ」

本当は『お前は命を懸けて着いて来るんじゃなかったのか?』とでも聞きたかった。
が、それはもう、何も意味を為さない言葉だ。

だから、一番嫌がるであろう事を、サラッと言ってみた。
そして、微かな微笑みを携えて、予想したとおりの答えが返ってきた。


「此の地で眠るのだけは後免だわ」


しばしの沈黙の後、二人で顔を合わせて、今日初めての大笑いをした。


 < 昔話(´Д`)  目次  未来日記(違 >


Lucifer=Lineheart [MAIL]