るしふぇるの日記風味
日記だかなんだかわからんけど(ぉ

2002年10月27日(日) 王宮日誌5(回想)

選挙公示日。

会議室の掲示板に公示文書を法務省が張り出した。
それを王室から眺めていた。

「さて・・・始まったか・・・」

立候補者が氏名を張り出し、会議室で方針を語った。
先ずは予想通りの滑り出しだった。


そして、わしは態度を決めかねていた。

「まぁ・・・顔だけ出すとするか・・・」

いつものようにノックもせずに執務室に入った。
が、珍しく「主」は居ない。
革命中は大臣は執務室に入れないのを忘れていた。

「・・・あそこか・・・・」

ここ以外ではそこしか居ないだろうという場所に行くと、やっぱり居た。
ノックもしないで入る。

「ノック・・・はしなくていいんだよな」

「内政室じゃなくたって、しなさいよ。てか、どうせ何処でもしないんでしょ」

「まあな」

「まだ片づけ済んでないのか、あそこ」

「もう片づいてるよ。
今夜革命が終わったら、またあそこで不味いコーヒー飲むつもり」

「今日も徹夜か」

「もの凄く屋敷が恋しいわけでもないし。
何か事件があっても、宮殿に居れば大丈夫でしょ・・・貴方がステンヒルに帰っててもね。

ほら、前の革命の時みたいに。
運良く外務大臣がいたおかげもあるけれど。

会議室への告知も、大聖堂への報告もすぐに済んだわ」

いつもよりたくさん話しかけてきた。
きっと、わしの気持ちを探りたいのを隠しながら話していたからだろう。
昔からの癖だ。

「それは有り難いが。
無理するなよ」

「と言いつつ、もう帰るんだろー」

「疏埜馥が待ってるからな」

「はいはい、お疲れさま・・・って、ちょっと待て」

「ん?」

「今日は何日だと思う?」

いよいよ本題か。

「18日だろ?」

一応、カマをかけるようにこう言った。

「だからどうした」

「どうした、じゃない。選挙が始まってるよ、ルシ」

「そうだな」


「・・・約束、守りなさいね。ちゃんと立候補してよね」

「考えとく」

「・・・・・・」

実際、わしは腹を決めかねていた。
だから、今日は返事が出来なかった。


家に帰り、夕食の後、疏埜馥に一日の出来事を話した。

『私ね・・・旦那様が選挙に出ないなら・・・旅行に行きたい・・・』
「ああ・・・わしも行きたいなぁ。何処に行こうか?」
『バルハラ・・、今はオルトニアだっけ?』
「そうだね」
『行ってみたいんだ・・・オルトニア』
「わしも・・・サチ様とかと遊びたいし・・・・行こうか?」
『うん・・・でも・・・・いいの?』
「わからん・・・五分五分か・・・な・・・」
『・・・・今日は疲れてるし、そろそろ休みましょうか?』
「ああ・・・おやすみ、疏埜馥」
『おやすみ・・・旦那様・・・・』

一人、椅子に腰掛けて考えた・・・

どうするべきなのか?
どうしたいのか?

答えは・・・・見つからないまま、空が白み始めた。


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