2006年12月09日(土) |
「もしも日本にストリートロックというものがあるとするならば、それはフールズのことだよ」 |
俺の生涯の名盤がやっと復刻! フールズのファーストアルバム『WEED WAR』(84年)が遂にCD化される!!!!!!!!! 今までLP、CDともに音質最悪な再発(VIVID盤)はあったが、今回はしっかりとリマスターされる予定で、さらに84年の渋谷屋根裏での60分ほどの未発表ライブCDがついての2枚組という噂。 70年代後半の、SEX、サイズを経て、80年に結成されたフールズは、財団呆人じゃがたら(初期の名称)、自販機系のエロ雑誌関係者、ストリッパー、ヒッピー/フーテンらと活動をともにし、あの時代の東京のアンダーグラウンドならではの混沌とした得体のしれないパワーを爆発させていた。当時、俺は冗談半分ながら「フールズは、村八分とスライ&ファミリーストーンが東京で産み落したような怪獣のようなバンド」「フールズのライブの方がファンカデリックよりもイイ」だとか勝手な話を友人としていたもんである。バンドはもちろん観にくる客もめちゃくちゃだったし、一時、東京のライブハウスはほとんど出入り禁止になって、フールズが出れるハコは渋谷のクロコダイルだけだった時期もあった(店長の西さんは懐が深いからね)。 メディアでは、俺がバイトしていたこともある「月刊シティロード」(ぴあの先駆け、マイナーネタ満載の伝説の情報誌)が唯一の情報源。それでも『WEED WAR』がリリースされた時は「宝島」に小さな記事が載ったが、そこには「メンバー合わせて前科13犯!」と書かれていた(笑) ライブに行くと、ロマンポルノのけっこう有名な女優さんたちが客席で踊りまくっているのも、高校生には嬉しかったにゃあ。ボーカルの耕にはまるでクレイジーキャッツの植木等のような「どんなことでも笑い飛ばせる」ポジティヴなカリスマ性があって、ジャガタラのアケミはそこに強く惹かれていただろうし、カズと佐瀬のリズム隊は後のティアドロップス時代の百倍はタイトでファンキーだった。そしてなんといっても良のギターは攻撃的かつ芸術的な閃光を放っていた。この時代のもうひとりのギタリストはジャガタラのエビーだった。 フールズはロックンロールをリアリティをもって体現していた80年代最高のバンドだったのである。 80年代というと、リアリティのないR&R系のバンドがメジャーでもてはやされていたが、フールズを聴いてしまった耳にはちゃんちゃら子供騙しっていうか、カッコ満点中身0点な感じがしちゃって、とてもじゃないがダサクて聴いてられなかった。当時のメジャーのロックで普通に聴けたのはRCサクセションくらいか。 以前も書いたけど、耕は「俺たちロックをとったらただの乞食だ」とステージで発言(確か82年頃)していた。まあ乞食っていうよりヒモだったのかもしれなかったけど・・・。なんとなくちんたらはじまったと思ったら、あっと言う間にとーんでもないテンションのライブになっているのがフールズだった。とにかく、メンバーの佇まい、無駄なMC、すべてがロックンロールとしか言えない音楽性と存在感。そのかっこよさはなかなか言葉では説明でないなあ。江戸アケミは「ストリート」といった言葉が安易に使われはじめた「ホコ天」とか「イカ天」のバンドブームの頃に、「もしも日本にストリートロックというものがあるとするならば、それはフールズのことだよ」と俺に言った。「そんなことガキの頃からわかってるよ、アケミ」。 無事、何事も無ければ・・・2007年春リリース・・・の予定・・・・。
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