2005年09月24日(土) |
ラングとムルナウ(3) |
ラングついでに書いてしまいますが、今回の締めは『メトロポリス』でした。 この作品は有名なので観ている人も多いと思いますが、今回映画祭で上映されたのは「サイレント版」と「サウンド版」で、わたしが観たのはサウンド版の方でした。 でもサウンド版といっても、あの色つきの、ジョルジオ・モロダーが音をつけたやつではなくてですね、じゃあどれだ?と聞かれても、まだカタログ読んでないんで説明できないんですが(おい)、オーケストラでした音楽は。このバージョンが日本で公開されるのは今回が初めてだそうです・・て、ホントかっておもうのですが、そんなこと言ってたような気がします会場で。(しっかりせい)
最初はこの映画、ビデオなんかで何度も見ているので今さらメトロポリスどうしよう〜とおもっていたのですが、観て正解でした。やっぱりおもしろいです。特に冒頭の機械室のシーンは圧巻。今回見て改めて気がついたんですが、このシーンはいろんな映画で引用されているんですね。ピンク・フロイドのザ・ウォールにもこんな場面なかったでしたっけ。
そして人造人間&マリア役をやった女の人の仕草や驚き方がいかにもサイレント的というか、めずらしく大袈裟なのでちょっと笑ってしまう部分もあるんですが、こういう演技を見るのもサイレントの醍醐味のような気がします。見ようによってはちょっと危ないんですがね、実際にいたらこんな人が。でもあの腰や体の柔らかさはたまりません。ヨシワラでの踊りは相変わらず変ですけど。
またこれは音楽もとても良く、シンセ使って近未来を強調したジョルジオ・モロダー版メトロポリスとは違って、オーケストラの音楽は古典的ですがでも時代性がぴったり合っていて良かったです。サイレントは下手なピアノ伴奏つけるより、オーケストラの音楽もいいのではないでしょうか。
ピアノ伴奏で思い出しましたが、今回わたしが観たのは『スピオーネ』を除いてすべてピアノ演奏なしの無声版でした。というのも、わたしはピアノ演奏というのがとても苦手で、演奏によって感情を繰られるような気がしていやなのです。これは泣くシーン、これは驚くシーン、これは恐いシーン。サイレントは音がなくても感情が伝わります。そういう風にできている映画なのです。
「いい映画は、音を消して観ていても話の展開がわかる」 昔ハービー・カイテルがアクターズ・スタジオでこんなこと言っていたのを思い出しました。
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カムフラージュしているのでよくわからないかもしれないけど(笑) 屋根の下に猫さんがいます この日は朝からしとしと雨が降っていて、風もあったのだけど 猫さんは風の来る方向を家の壁にもってきて、 雨が直接当たらないよう雨やどりしていました 今さらながらですが、猫さんたちのサバイバルテクに感嘆してしまいます これを見て、風の方向がわかってしまうわたしも猫ですが 猫をもっと見る
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