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2001年08月17日(金) それなりに美しい夏の一日。

●暑さと眩しさで、7時に目覚めてしまう。お休みだから精一杯寝坊をしたいところななのに。
 二度寝を決め込もうとして、エアコンがある部屋のソファーに布団を運ぼうとしたが、カーテンの外の夏があまりに美しい朝を見せてくれているので、予定変更。起床。
 本当なら海を見る散歩にでも出かけたかったが、家にいてFAXを待つ仕事あり。朝ご飯にたっぷりのサラダをコーヒーを用意して、お気に入りの8畳ベランダで本を読み始める。田口ランディ「モザイク」。午前中に読了。川で日焼けの下地ができているので、肌の褐色が日陰でも濃さを増していく。わたしの肌は赤焼け知らず。お陽様をすぐに吸収して褐色になる。

●「モザイク」、「コンセント」よりずっと面白い。彼女自身の記憶から、より遠いものを材に取っているから、その距離感が読みやすいのかもしれない。ただ、作者の言いたいことを登場人物が喋り続けて小説になっている感じ。人と人が本質的に出会うことを、前世的な宿命的な描き方だけでフォローして、その先がない、というのは実につまらないところ。「共鳴」がテーマの物語のはずなのに、人々はそれぞれに傷みそれぞれに喜び、人と人の間に描かれるものが希薄。

●そう言えば、この間、恋人に、「あなたは分かってないことがたくさんある」と言われた。「その理由はとっても簡単、それがあなたのいいところでもあるし」とも。
「理由」というやつを問いただすと、「あなたがとっても強いから」と言う。
 体力があって、常に前進する精神力があるから、弱い人のことが分からないのだそうだ。まあ、彼に言わせると、ということだけれど。
 すぐさま「そんなことない!」と言いそうになったが、言葉を引っ込めた。確かに、仕事で他人を教えたり導いたり、「弱さ」を知らなければ成立しないことを続ける中で、「分かろう」とすることで、そのことを「知って」きたつもりでいる。が、わたしがのほほんとわたしでいると、やっぱり「分からない」ことに変わりないのかもしれない。
 自分のことを強いと思ったことなど「ほぼ、ない」と言い切れるわたしだが、比較論で言ったら間違いない。田口氏の小説をそれほど面白くないと思うのは、その辺りに理由があるのか? と、読み終わってふと思う。考えすぎ?

●午後。仕事のFAXを無事受け取り、マックに入力してさらにFAX送信。仕事を終える。と、恋人が外回りのついでに10分だけ部屋を訪ねてくれる。彼がこれから新宿に出るというので、新宿に用事などなかったわたしだが、「わたしも新宿に行こうと思ってたところ!」と、共に家を出る。なんのことはない。快晴の美しい夏の空の下、彼のバイクの後ろに乗りたかったのだ。

●新宿で買い物。
紀伊国屋でレベッカ・ブラウン「体の贈り物」中島義道「生きにくい・・・」
伊勢丹にて。アニエスでTシャツ3枚。エスプレッソメーカー、サンダル1足。オリジンズでフットケア、ヘアケア製品。
買い物は楽しい。ヘルメットもあったので帰りは大荷物だったが、気分がハレているので苦にならない。

●早速エスプレッソメーカーでカフェオレをいれてみる。実に美味しい。買ったばかりの本を読みながら、「たまにはマニキュアとかしてみる?」と、元宝塚トップがくれたネイルを塗る。指先がラメでキラキラしてるのなんて、何年ぶり?

●明日から仕事。先ず5日は仕事のことしか考えない日々が続く。


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