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2001年06月02日(土) |
結婚というものの、抗しがたい魅力。 |
仕事場で雑談していると、わたしはもうけっこうな歳なものだから、何かと結婚の話題になる。 仕事があるから結婚して家におさまってしまうのはもったいない、と言われたり、未婚の母でもいいから一度は出産してみれば? と言われたり、20代で一生分の恋愛しちゃったから駄目なんじゃないかと言われたり(悲しいかな否定できない)、もうみんな好き勝手言ってくれる。 確かに、仕事を続けようとすると、結婚出産で休みを取るのは痛い。いや、休みどころか、決して器用ではなく何にでも全身全霊がモットーのわたしは、かけ持ちなんてできないだろう。 いやいや、問題はそんなところにあるのじゃないな。つまりは、結婚したいと思うような男性と恋をしていないということですよ。 恋人と呼ぶ男性は、たとえば女房持ちだったり、たとえば経験上いっしょに暮らさない方がお互いのためと思えるタイプであったり。うーん、問題は深刻だな。 そしてまた。 病気をしたりした時、一人で闘うことはいかにも辛い。どんなに辛くても、甘える人はいないし、どうにもわたしは甘えることが嫌いで、親以外に甘えることをしない。で、自分が働かなければ食っていけないので、必死になって病気を治す。だから、元気でないと、自分の価値を見いだせない。 そうして一人で苦しんでいる時、調子がよくなるまで休んでいいよと言ってくれる人、この身を案じてくれる人がいれば、どんなによいかと思う。
まわりの人は、「理想が高すぎるんだろう」とか「シングルライフがあってるんだろう」とか、どうもわたしのことを思っているようだ。昼間仕事をしてる姿からは、夜中ひとりで「さみしいよー!」と嘆いていたり、「仕事なんかとっととやめて誰かに食べさせてもらっておっとり暮らせたらどんなにいいか!」などと想像しているわたしは、思い描けないようだ。もちろん、わたしのお馬鹿な恋愛歴や、酒に酔ってハチャメチャになる姿を知っている近しい友人たちは別だが。
たまたまこのページを見つけて、感想メールをくれたカナダ在住の若い女性(と言っても、一児の母)のHPを時々訪れる。 国際結婚をしてカナダの美しい街に暮らす彼女は、別に自分の願望志望に縋りつくことなく、自分に訪れる運命をとても上手に受け入れて、そして得た幸福をとっても真面目にけなげに守っているように見える。一人の人間である限りいろんな欲や自我のうごめきはあるだろうが、彼女の書く文章からは、そういうことを、自分が受け入れた生活を愛することで乗り切っていこうとする女性らしさが見える。そして、そして、彼女の息子のなんとも愛らしいこと! 他人のわたしが見ても、うっとりしてしまうほど。 わたしは自分のことを「幸せ者」だと思っているが、彼女の文章を読んでいると、別種の幸せの存在を感じて、単純に、「いいなあ」と思う。
未体験のことはなんでも魅力的に見えるものだし、隣の芝生は青く見えるのは当たり前なのだが、うーん、結婚というもの、なかなか抗しがたい魅力を持っておるなあ。
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