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2001年05月16日(水) もっと沈潜したいのに。

 わたし。
 昨日あれだけ調子が悪かったのに、鼻水ずるずるでどうしようもなかったのに、「今わたしは調子を崩しちゃまずいのよ!」と自分に言い聞かせて寝ると、なんだか知らないが、朝には風邪、治っていた。
 これまでの経験から言うと、1週間は辛いかな、と危ぶむような状態だったのに。
 まあ、確かに風邪薬は指定の2倍量飲んで寝た。それがいいのか悪いのかよく分からずに。(悪いに決まってる!)で、なおっちゃったわけだ、これが。
 馬鹿だよな、まったく。
 昨夜、あれだけ自分の存在を疑いながら寝ておいて、なんで朝にはしっかり元気になってるんだろう? これじゃあ、いつまでたっても同じことの繰り返しじゃあないか! 単なる働き蜂として機能するだけじゃあないか! ああ、でも、長じるにつれて獲得した責任感みたいなものが、わたしを自由にさせてくれない。もっともっと沈潜して悩み考えたいのに、すぐに立ち直って、明るく前向きに生きてしまう。「違うんじゃないの?」という心の声を聞かぬふりして。
 20代の、長い長いモラトリアム期間がなつかしい。

 というわけで、本日もよく働いた。

 こういう時はいずれ劇場を訪れる観客のことを夢想する。わたし個人がどんな状況でどんな精神状態で働いていたとしても、とにかく、幕を開けて、観客が「いい時間」を持ち帰ってくれることを夢想する。すると、ちょっとは救われる。自分を苛むばかりが脳じゃないと思える。
 少しは。

 そして、今日も酔っぱらい。さて明日は、どんな1日?


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