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わたし。 自分のことを時折、タフだとかツワモノだとか思っていたけれど。なんの、なんの。 朝からちょいと緊張して、夜、次の現場に移動して、また新たな緊張を強いられて、という1日の中で、突然の発熱、風邪っぴき。 移動の車中で寝てしまった時に、子供のように寝冷えしてしまったらしい。 それでも、稽古でしゃべりまくった精神の熱が冷めず、酒場へ。結局、ポケットティッシュ2つを使いきって、馬鹿話に興じていた。大体は旅の話。 引っ越しで金欠だし、8月まではきっと1日の休みもなく仕事しているだろう現実の中で、旅心に火がつく。 明日は比較的気楽な1日。なんとか体調を取り戻さねば。 それにしても、「わたしがいなかったらどうなるの?」と思う現場にいることの、幸と不幸。 そう自分で思いこんでいるだけで、なんにしても、自分がいなくっても、世界は動いていくのだ。
時折、本当に不安になる。 若いときの不安は、とっても夢想的で、観念の「死」に近く、今思えば、美しかった。(これはその時代の不安をとりあえず乗り越えたから思うこと。) こうして40代を目前にしての不安は、なんと現実で醜いこと。 ここまで無事生き延びると、きっとまた違う感慨を持つ時代が来るであろうことは、知らずとも、予測できる。それでも、現在の自分の現実的な悩みに、恥じ入ってしまうのは避けられない。 物事が分かってくるということ、バランス感覚がとれてくるということは、社会人として必須のことだったとは言え、一人になるともの悲しい。
こんなことを、疲れ切って、酒に酔って、鼻水かみながら、書いているのだ。 なんとまあ、醜いじゃあないか。
「あなたがこれだけは、ぜひともいいたい、それをいわねば、あなたの精神 の大切な部分が亡びてしまうと思うことが、一つはあるでしょう。それを分 かりやすく、誰か一人の人に話しかける気持ちで書けばいいのです」 これは、劇作家三好十郎が、劇作家秋元松代に言ったことば。
今のわたしには。ないのかもしれない。 それを言わねば、亡びてしまうと思うようなことは。
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