| 2003年11月03日(月) |
仏教と科学の対話(ダライラマ法王 in 国技館) |
総司会 龍村仁監督 出席 ダライラマ法王 2002年ノーベル賞受賞者 小柴昌俊博士 DNAの世界的権威 村上和雄博士
龍村 20世紀は物質的に豊かな社会を築いた。しかし何かおかしい・・・不安が芽生えている。特に2001/9/11以来それは顕著だ。9/2日にセントラルパークで20万人が法王の話を聞いた。これもやはり不安の現れではないか。 そこで、法王に質問したい。 仏教者である法王が、科学者との対話を重視されるのはなぜか? (法王は、世界各地で科学者との対話を試みて折られるとの説明があった) 我々は、科学の進歩に見合うだけの進歩を遂げているのか?
法王 科学者世の対話を試みるのは、新しい何かを学ぶことができる。 ある人は、あなたは科学者と話さない方がよい、なぜなら、そうすることで仏教は科学に殺される、気をつけてと言われた。 しかし、私が学んできたナーランダでは懐疑的態度は伝統である。 釈尊ご自身が言われた言葉でさえ時に疑う。リサーチによって、それを信じる。 これは、科学者の態度に近いのではないか。 しかし、心理学に関して言えば、仏教の方が深いところがある。意見を交換することは、彼らの役に立つだろう。 物質的向上、肉体の快適さ、その幸せは「心」に役だったか? 仏教は、来世涅槃といったことを別にして考えても、心のサイエンスであり、一人一人が心の平和を築くことに役立ち、それは世界平和に貢献する。
小柴 科学は主体と客体を完全に分離して物事を追求する。観測や認識から結果を導きだし、誰にも理解できて、それが人類共有の財産となる。 しかし、思うのは、科学(者)は、認識する自分(主体)をどこまで理解できるのかな、と思う。 歴史において、他宗教や国、人を攻撃しないできたのは仏教だけ(ここで大きな拍手・・もちろん私もしました)。他の一神教宗教に比べて、排他的ではない。その一神教が戦争を引き起こしてきたといっていい。(また大拍手)そういう意味で、世界平和に一番貢献できるのは仏教ではないか。 (私感・・確かに、小さな事を言えば、仏教も真っ白ではないだろう、しかし、一番手が血に汚れていないのが仏教であることは確かだろう)
法王 主立った宗教のメッセージは、愛、慈悲、赦し、平和・・である。よりよきモノをと、と念じている。 争いは、それを伝える者が、正しく伝えていないから起きるのだ。(うん、確かに) いくつかの宗教があり、いくつかの真理があり、一人一人が、自分に合う宗教を信じればよい。 宗教間の対話と理解・・これは、可能であると信じる。 キリスト教のような創造主を信じていない私がクリスチャンの前で話す、あるいは、仏教にとっての最も大事な聖地ブッダガヤでクリスチャンと共に瞑想をした。彼らが、その我々にとって、最も大事に聖地にはいるのを許した。
小柴 そうは思いたいが・・・納得がいかない。 例えば、法王とオサマ・ビンラデンが話し合いをして相互に理解できるとはとは私には思えない。
法王 (笑いながら)では、私も彼のように、自動小銃を持ったら、話し合えるでしょうか・・・ 私は、どんな人も心に慈悲の種を持っていると思う。ビンラディンでさえも、ヒトラーもスターリンも持っていたと思う。 同情が目覚めれば、よい者になる、彼らに同情や慈悲がないとは思えない。
村上 遺伝子は、onとoffのスイッチを持っている。 (龍村監督が紹介した村上先生のおもしろい実験・・・吉本に百人の糖尿病患者を招いてさんざん笑わせてから血糖値を計った、血糖値は40も下がっていた。笑いが明らかに血糖値の改善に役立っていた、つまり笑いがよき遺伝子のonに役だった・・・私感・・笑いを取るのがうまいおもしろい先生でした。自分の研究成果は吉本に出会わなかったら、なかったとかってマジ顔で言われるとやっぱり笑えるよ) 遺伝子のonとoffは、笑い、楽しい、うれしい、感動と関係している。 笑いによってどの遺伝子がonになるのか、ということがわかったら、医療が変わる。「笑い薬」を処方することになるかも知れない。(会場大笑い、でした) 寝ているいい遺伝子を起こすこと、働いている悪い遺伝子をoffすること・・・ 仏教(の修行)は、感情をネガテブからポジテブに変換するのに役立つのではないか、と思う。ここに詳しくはまだ言えないが「村上理論」が加わるとおもしろくなると思う。 自分の仕事は遺伝子を読むこと。しかし、それを書き込んだのは誰か、という大きな疑問は解決していない。 30億の遺伝子(情報)が1グラムの200億分の一に入っている。 まさに「自然」が書いた。後ろに大変不思議な力が働いている。科学者は「神が書いた」とはいえない。(笑い)だから自分は「Something Great」とといっている。
法王 ウイスコンシン大学が仏教者の脳の実験をした。一点集中の瞑想、慈悲の心の瞑想で脳波を調べた。ポジテブな心に関係すると言われる左の脳の活動が特に活発だった。脳が反応すると身体や意識、感情なのにも大きく影響する。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 以上、要約です。 疲れと難解、ボーと聞いていたところもありましたが、私の理解の範疇で。
刺激的だったのは、「Something Great」の話。 村上先生はなかなかの魅力おじさん。(多分おじいさんのようなお歳のはずだが若々しかった)今度本を読んでみよう。 法王は、心底「性善説の人」 そして、心底、他宗教との対話が平和にきっと役立つと信じておられる。その姿は貴いと思った。 法王が身につけておられる食わず嫌いをしない柔軟性、腰の低い大きな慈悲心(非暴力とは、つまりはこれなのだろう)は「真なる仏教徒」のあるべき姿と感じた。
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