世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年02月28日(木) 第65夜 ジュール=ベルヌ「地底旅行」の舞台を横切る!

7/27<木 曇り>      オラフスヴィクのゲストハウス泊

本日の予定
ボルガネス<Borgarnes>10時15分発 バスno「2e」でオラフスビク< Olafsvik>へ移動
ホエールウオッチの船に乗るかどうかはお天気しだい

朝8時。昨日の快晴とはうって変わった曇り空。外を見たら岩崎さんの自転車はもうなかった。
はやい。
YHからバスセンターまでは、歩くと2,30分かかる、タクシーがいいよと昨日受付にいた子が教えてくれた。

朝食をすまし、お昼用の「もしかサンド」<もしかの時に食べられるサンドウイッチ>を用意し、荷物を持って、階下に降りてみたが、受付には誰もいない。
鍵はドアにつけたままにしておくシステムなので返す必要はないが<北欧のYHや安宿にはこの方式が多い>タクシーを呼んでもらえないのが困る。

ウロウロしていたら玄関脇の電話に「タクシーを呼ぶ人はどうぞ」と電話番号まで書いてある。
つまり自分でやらなくてはイケン、のだ。
電話は苦手でよけてきた私としては「試練」だ。
イヤだったら歩くしかない。ウーム。
「よし、」と気合いの声を出す。
やる。
大きく息を吸い込んで受話器を取り番号を押す。
すぐに眠そうな男の声。
「アー ユー タクシーカンパニー? アイ ニード タクシー 、ジャストナウ アイ ステイ イン ユースホステルハーメル、アー ユー オーケー?」
−オーケー、バット******−
「ハア?<脳内温度が一気に上がる>プリーズ、ワンモアセイ<焦って声うわずる>」
−ホワットタイム デゥ ユー ニード タクシー?−
「!!!<わっかった>イミディエイトリー」
「オーケー」
 電話は切れた。
 書くとこれしきだが、いやはやで、ホッ。

10分後、タクシーといってもワゴン型四駆だが、が確かに来た。

ボルガネスのバスターミナルまで10分足らず、10時前に到着した。ガソリンスタンドと、小さなお店、コーヒーショップがいっしょになったコンビニエンスストアのような店の前がバス停だった。
ドライバーは荷物を降ろしてから、にこりともせず「ここにバスは来るから、待て」と指で地面を指すようにしてから去った。
すっかりおなじみとなったアイスランド人のブアイソだが、「ジツ」はある。

レイキャビク発のバスは時間に来たが荷物の受け渡しで少し遅れた。
マア、10分くらいこの国では遅れにはいらんから。

オラフスビクはスナイフェルネス半島のはしっこ。道はリングロード1から外れる。バス代を払った。そうまでしてもでっかいクジラが見たいんだわ、私。

人気のない溶岩台地と草原で草をはむ羊の群。ときどきあらわれるファームステイの看板。すっかりおなじみとなったアイスランドの風景が続く。
あっ、自転車。岩崎さんである。
手をふったが気がついてもらえなかった。ほとんど車の通らないこんな道を走るのは気持ちいいんだろうな。
もう少し若かったら「自転車オンナ」になりそう。(^_^;)


途中で一回バスを乗り換えると、道は高度を上げ始めた。
山岳道路である。左手に氷河の姿、道路は未舗装のところがあったりして急激に『田舎』化する。

ジュール=ベルヌ「地底旅行」の舞台を今まさに横切っているんだとちょっとドキドキ。原始地球をイメージさせる景観を毎日眺めていると、ベルヌがなぜアイスランドの端を地底への入り口と設定したのか素直に納得できる。

11時過ぎ、前方に海が開けた。到着だ。人口100人足らずの町の姿は小さい。かわいい家が並ぶ。
海に沿った道路にガソリンスタンド、小さなスーパー、軽食レストラン、ホテルなどが並ぶ。でも、何百メートルも行かないうちに町はずれとなる。

着いたら、「緑色の屋根のゲストハウス」を探せとアクレイリのツーリストインフォでいわれた。
「エー、そんなことでわかるの?」といったら「わかる」と力強い返答。
その意味がよくわかった。
緑色の屋根の二階にゲストハウスはあった。
「スリーピングバッグアコモデーションを予約しているんだけど」
「オーケー。あんたがカコ、ね、」
「そう、チョコレートよ」
「カコ」とは、アイスランド語でチョコレートの意味。
私の名前の「タカコ」→カコ→チョコレートの連想ゲームが成立する。
それがおかしいと予約を入れてくれたおネエさんがいっていた。 

「じゃ、一泊2000クローネ」
「え、ツーリストインフォでは1500といったけど、」
予約の紙に料金を書いてもらっていてよかった。
「わかった、」
紙を見せたら、至極あっさりと了解した。
「ここ、キッチンはどこ?」
「ないけど、」
 あら。ボルガネスでせっかく食料を買い込んだのに。ちょっとずうずうしくなってみようか。
「私、食事を自分で作りたいの、この国は何でも高いから。このホテルの台所を貸して」
「わかった、使うときにいってよ」
 これまたあっさりとOK。経済観念の発達しているアイスランド人、レストランは高いからつくりたいといったら理解してくれるとは思ったのだが、やっぱりだ。さっそくお湯をわかさせてもらってお茶を入れ、「もしかサンド」でお昼となった。

さてクジラ、だ。
外は曇り、クジラウオッチの船は14時発。どうしようか。明日の天気がもっと悪くなるのだったら今日乗ってしまうが、回復するのだったら見合わせたい。
ゲストハウスのすぐそばにツーリストインフォがあった。訊きに行くと「明日の方がいいはず」とおネエさん。
じゃ今日はやめだな。
「それじゃ、私ヒマになるのよ、近くの水産会社を紹介してくれない、日本の子どもにアイスランドの魚工場を紹介したいから」とまたまた図々しく頼んでみた。
「OK、今夏休みででやっているところが少ないのよ。今当たってみるから」
見つかった。
「すぐに行って。待っているって、あそこ」とおネエさんは港に隣接した小さな工場を指さした。
ワオ、こんなに簡単でいいの。

工場にはなんと「マニラの高校で日本語を勉強したことがある」というフィリピン人の女性がいた。はるかフィリピンから働きに来てこちらで結婚したのだという。イヤー逞しいわい。
笑顔の明るい感じのいい人だった。白身魚の加工がメインの仕事のこの工場、製品はみんな輸出だ。
「今やっているのはベルギーに行く」のだという。
そういえばこの町の漁獲量はスナイフェルネス半島で1番なのでした、わ。
というわけで、1日は過ぎた。明日はいよいよ「シロナガス!」だ。 


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朝から、メールでkさんが羽田行きのバスの時間の問い合わせ。
お答えするが、この頃バスが混んでみんな乗れないことがある。

天気がぱっとしない。
が、先日から持ち越しの仕事をせねば・・でがんばる。

今日で2月が終わりか・・。2月は逃げるってホントだわ。
ホームページの大幅改造とか、うちの中お掃除とか何もしないうちに3月に突入か・・少しあせる。こうやって年取る・・の最たるモノだ。

新しい名刺の注文、四国行きの飛行機のチケット予約、ネットで買ったプリンタインク代金の払い込みをした。

仕事をしていたら、ぼとっとすごい音がした。
何じゃ?と思って音の出所を探したらなんと一輪挿しに活けてあった百合の花の落下音。いのちが尽きるとき花もすごい音を立てるんだわ、と妙に感心した。

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