世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年02月25日(月) 第62夜  ミーバートン(蚊の湖)のほとりにて

7/24日<月 曇りのち晴れ>  ヴォウゲル<VOGAR>キャンプサイト泊

今日の予定
*7時30分 バスターミナルから、ミーバートン湖周辺ツアーのバスに乗る。 
* 夕方、アークレイリへ帰るバスに途中のヴォウゲル<Vogar>にあるキャンプ   サイトにおろしてもらう。

今日もまあまあの天気だ。YHで、鍵を返すついでに日本語とその簡単な英訳付きで「このYHはいいYHだと思う。あなたの親切に感謝する。しかしあなたのミスを認め、すぐにごめんなさいがいえない態度にがっかりした、とにかく、人がいないときにその人の荷物にさわるのは野蛮だ、非常識だ。人をバカにしてはいけない」ときついお手紙を残してきた。
やっぱり腹立ったんだもんね。
しつこいかもしれんけど・・・さ。

バスは、来た、けれど7時30分に荷物をバスのヨコハラに入れ始めて、出たのは45分過ぎ。相変わらずのアバウトさ。
しかし、渋滞がないし、終点につく頃、ちゃんと辻褄が合う。

アークレイリ空港で、レイキャビクから飛んできたお客を乗せた。その中に男性と女性各一人の日本人客。<二人とも日本人とわかったのは、しばらくたってからだが>女性は、ロンドンの友達のところから、男性は、フランクフルトから休暇ということだ。
 
 ☆★〜ミーバートン観光レポート〜★☆
 
最初にバスはアークレイリの町が一望できる地点に止まった。フィヨルド湾の反対から見ると、実にかわいくてちっこい町だ。

のどかで豊かな牧草地帯を横目で見ながら進む。この道を通るのは3回目だが、ほとんど北極圏下にこれほどの豊かさが見られるとはやはりすごいと改めて思う。
連日の晴天で草刈りは順調らしい。
白いビニールでおおわれた草のロールがごろごろと転がっている。 

1時間ほど走ると、ゴーザフォス<Gooafoss>の滝だ。
氷河から溶けだしたどろどろの水、そばまで行くとしぶきが飛んでくるすごい水量だ。紀元1000年、それまで信仰していたバイキングの神様をこの滝へ投げ捨ててキリスト教に改宗したという話がある。
 
天気がよくなってきて、ミーバートン湖に写る空の青さ、水がきれいだ。
溶岩がラクスアゥ河をせき止めてできたというが、周囲の火山地域から、熱い蒸気や熱水がそそぎ込んでいるため、冬でも完全凍結しないらしい。
だからいろいろな種類のカモたちの生息地となっている。

道々ミーバートン名物「プセウド」<溶岩流の熱で地下水が熱湯となって爆発してクレーター化した跡>があちこちに見られた。


道は、ミーバートン湖畔の中心レイクフリーズ<Reykjhlio>を左に見てどんどんと悪路を進む。
あの、アークレイリに到着した日に見た煙の上がっている硫黄の臭いのする地帯にバスは突入していた。

ぼこぼこと開いた穴から灰色の熱湯がふきあがっているその間を回遊するように道はつけられている。
臭い、臭い。
チョーが付く硫黄臭さだ。
マア「箱根、大湧谷」というところ。
この辺がいまだ活発な火山活動をしているのがよくわかる。      
あの灰色のお湯に卵を入れたら温泉卵ができることは確実だ、な。と考えていたら「卵、入れたら温泉卵ですね」と日本人の男性がいう。
同じこと考えるもんだね。
私も、もう一人の女性もうなずく。久しぶりの「同国人的発想」に、ほっ。

お次は「クラプラ」<Krafla>だ。この辺、アイスランドで2番目に若い火山帯とかで、最新の地熱発電所がある。「日本の技術協力でできました」、バスガイドのおじさんはそんなことをいった。
日本人が3人も乗っていたので、リップサービスしてくれたのかも知れない。

青い水をためた火口湖のそばに、煙を盛大に出した「発電所」がすごい音をさせながら稼働していた。
突然、火山性の地震や活動が始まったらどうなるんだろうと心配になるほどの勢いだ。

レイニフレーズのホテル前でお昼となった。ここしかレストランがない。
例のごとくサンドイッチをつくってきた私は、湖が見えるベンチで食べた。ミーバートン湖の青さが美しい。
しかし、いい天気過ぎて暑い。
ぼんやりしていたら、となりのベンチに座っていたアメリカ人の夫婦がどこから来たのかと声をかけてきた。
シベリアから・・とこれまでの旅を話したら、びっくりした後「アメリカにも来るのか」と訊く。
「秋になったら、ボストンとワシントンDCに行く予定」といったら「秋のボストンはきれいよ。だけど気をつけて。アメリカはアイスランドのように安全じゃないから」といわれてしまった。
ありがとうさんです。
わかっているつもりだけど、やっぱだよ、アメリカ人がいうんだもんね。彼らは、ミズーリからだという。

午後は、溶岩地帯の中どんどん進んでいく。岩の間に温泉?正確にいうとあたたかい湧水がたまっている小洞窟に行った。
「小」といっても、地下のお風呂、入ることもできる。

お次は小灌木と、真っ黒い溶岩が、たった今溶けだして固まったばかりという感じでニョキニョキ、グニャグニャと林立している自然公園的地域。
火山活動で形成された溶岩迷路だという。
それにしても、これでもかとばかりに火山と溶岩の景色ばかりを見せられていると感受性がマヒしてくる。
もう一つ感動できない。困ったことだ。
旅の日常化ということ関係しているとは思うのだが。

とにかくこれで「ミーバートン周辺ツアー」は完了した。二人の日本人に「お気をつけて」と別れを言いながら、今夜の宿に下車した。

ヴォウゲルは、溶岩台地の中にあるキャンプサイトだ。
入り口にある管理事務所に行くと、高校生みたいの女の子が二人いた。

キャビンの鍵を渡された。
私の入った棟には、4つの部屋と、トイレが一つある。
日が高いせいか、まだ誰も着いていない。
部屋には、二つベッドがあるが、シェアするとはいわれなかった。
予約なしでだれか飛び込んでくれば別だろうが、どうやら占有できるみたい。
隣の棟にシャワー室とキッチンがあった。
さっそくシャワーを浴びる。混む前に、シャワーを済ませ、ご飯をつくったり食べたりするのがこういうところの「コツ」だ。

シャワーの後、道路を挟んだ向こうに見えているミーバートン湖を眺めに散歩に出た。
何しろ、部屋にいると暑いのだ。
ミーバートンとは「蚊の湖」という意味らしいが「ブヨ」のような虫がけっこう飛び交っていた。もしかして「蚊」の種類なのかも?

このところずっといいお天気だ。アスキャへ行く明日は大丈夫かいな。
でも、輝く夕暮れ(ここももちろん白夜)を楽しんだ。


>>>>>>2月25日 本日のできごと >>>>>>>

ゴミ出し、新聞原稿の送信。手紙書きをしていたら、昼となった。ご飯を食べて、
出かける。駅前で、昔の教え子(十年以上前)のお母さん二人と会った。「お変わりありませんね」といわれて、うれしいやら照れるやら。アハ・・。

2時半、Mちゃんの法律相談につきそう。

夕暮れ、2人して居酒屋。いろいろと話す。
田酒(青森)の酒がとてもうまかった。高かったけど・・。ごちそうになった。
その後、ケーキとコーヒー。結局帰ったのは12時近かった。
メールが7通。うち、お遍路青年Aくんよりが4通もあった。足摺の私のお薦め宿でずいぶんお接待などを受けた様子が細かく書いてあった。読んでいるいる私もうれしかった。

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