2002年02月16日(土) |
第53夜 アイスランドの美しき草原は魔の野原!! |
7/15<土 雨、ガス> ヴァグストアYH2泊め 自転車野郎くんの彼は朝早く「天気がましなうちに」ということで出発した。 10人以上のグループだったドイツ人も、スペイン人も出発した。彼らは、車の後ろに食料車のようなものをつけている。<昔、物売りの人が引いていたリヤカーのようなもの> 着くと、それをキッチンに運び込む。中には、食材から、お鍋、食器までいろいろ。 旅の時は荷物を軽く、食事はどこかの食堂か宿で食べる日本人の旅行とは対照的な重厚かつ経済的な旅の形だ。もっともアイスランドは、都市を出ると、ドライブインどころか人家もまばらとなるので食料携帯は大正解だ。
ところで私の食料、ラーメン2個と野菜<キュウリとトマト>と果物少し。ほかにマーガリンと紅茶、キットカット二つ。飢え死に寸前である。YHがあるのだから、近くにスーパーかガソリンスタンド<北欧では、ここに日本のセブンイレブンのようなお店が付属していることが多い>はあるだろうと考えたのが大間違い。
レイキャビクを出るとき少し固くなったパンを捨ててしまったのが今は恋しい。食べ物を粗末にして罰があったというやつだ・・・トホホ
「私は、食べ物がない、ここに4日もいるのに死んでしまう、スーパーに連れていって、何とかして」と到着早々だんなに訴えた。 彼、「うちの奥さんに相談しろ」というのみ。そりゃあんたより頼もしそうだけど、彼女は仕事があるでしょ。 ところが彼女は「私が帰りにあなたの買い物をしてくるからなにが欲しいか書いて」と昨夜言いに来てくれた。 もしなーんにもないんだったら、今晩はうちのパスタを分けるけど」とも。ありがとうさん! 早速、辞書を見ながら「パン、ヨーグルト、ミルク、肉、トマト、etc」を書いて渡した。
みんな出発してがらんとなった宿で、窓から見える氷河を眺めたり、手紙、毎日小学生新聞の原稿<送る約束をしていた>を書いたり。もちろん天気がよかったら氷河観光なんだけど、こんな日はなにも見えない。お日様待ちだ。
昼から、少し小降りになったので、外へ出た。YHの紹介に「海まで1500メートル、アザラシや、時々クジラまで見えることがある」と書いてあった。クジラ好きとしては行きたい!ラーメンを食べた後の腹ごなしだ。と、よかったのはここまでだ。
緑の草原を海の方へ歩けばいい、平らだし1.5メートルなんて30分でお釣りが来る、「Too easy」と考えたのが大間違い。羊が草をはむ平和的大草原の陰には、氷河から流れ出した無数の川が流れていたのだ。草におおわれてわからないので突如足を取られてはまる、幅数メートルもある流れが現れて行く手を阻む。 さらに怖いのは時々でおおきな鳥が上を旋回することだ。 見上げると、おそってきそうな凶暴系の声を出す。ヒッチコックの世界か・・。 平らに見えたのだが、それなりにアップダウンがあって、少しあがると今まで見えなかった馬の大群がいたりして、ビビる。
近いところに見えていた海はいつまでたってもかすみのかなた、ちっとも姿を見せない。そしてついに幅十メートルはありそうな川にぶつかった。橋なんてもちろんない。海の近くで河口が広がるのは自然の道理だ。戻るしかない。
草原の小川で何度もはまった足はずぶぬれ、馬のにおいまでする。また激しくなってきた雨でコートもビショ濡れ。中まで沁みている。ホント悲惨。朝、だんなに聞いたら「え、クジラ、ね・・、いつもいるわけじゃない・・・ホントに歩いていくのか」と言った。 「だって、ハイキングができると書いてあるでしょ、YHの本に」といったら、「うむ」とむずかしそうな顔をしたわけがわかったよ。 慣れていないと無理だよ、くらい言えよな。ったく。 実は、私、彼の英語の発音がよく聞き取れない。 何度も聞き返すと「うちのに訊け」とくる。どうも彼、私に苦手意識があるみたいだ。ママさんの英語はよくわかるのだが。
さて、私は足から馬のにおいを立ち上らせながら考えた。同じ方向へ帰ればまたはまる。深いところに落ちたりしたらやばい。この寒さで、人の気配は全くないのだからまずは死ぬだろう。ということで、川に沿って氷河の山の方へ向かうことにした。結果は正解。リングロード1にぶつかった。道路を歩いて帰った。ズタボロ。(^^;)
シャワーを浴び、濡れた衣類を取り替えて、靴を洗っていたらママさんが私の食べ物を持って帰ってきた。ほかの客も到着し始めた。彼女は、アイスランド特産のラム肉のハーブ漬けを買って来て、焼き方も丁寧に教えてくれた。日本では、ラムの苦手な私だがこれはクセがなくてうまかった。
「アイスランドの一見平凡な草原もあなどれない」の教訓を馬や羊のウンチのにおいとともに実感した昼下がりであった。
>>>>>2月16日 本日のできごと?>>>>>>>>>>>>>
快晴。よく寝たので実にさわやかな朝。 溜まっていたメールに返信してから部屋の改造に入った。 早々、お遍路であった青年Aくんからメールが入っていた。野宿もこなしながら元気にやっているようだ、よかった。
板や小型コンテナ、カーテンなどを買いにいっていたら、アッという間に夕方。 終わっていない、が、やる、だって、マジに足の踏み場がない状態で夜がきてしまったんだモン。
母から電話。ケガの具合は大分いいらしい。これも良かった。
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