世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年01月24日(木) 第30夜  イスタンブル  ビンボープライス

 イスタンブル最後の一日。
 飛行機がでる時間まで考古学博物館と、トルコ風音楽のCD、お金が残ったら、バザールでトルコ旅遊記念のシルバーリング購入、と、予定を決めました。
 博物館はペンションから5分。
 例のごとく朝食を用意してもらって出かけました。
 ああ、その前にチエコさんにお礼を言いました。「夕方は会えないだろう」ということだったので・・・。おひとりでしたら、いいですよ・・なんて朝食代金はサービスして下さった・・ありがたいやら気の毒やら・・危険度2のせいでお客さんが来ないのに。

★ ☆ ★ ☆☆
 
さて博物館。ここもお宝の宝庫であったが、ひとつを選ぶとすればやはり「アレクサンダー大王の石棺」だろう。
 シリア領シドンで、1887年に見つかった石棺は紀元前4cくらいのもので長さ3メートル、高さ2メートルくらいの大理石製。ギリシャとペルシャの闘い、虎狩りりや鹿狩りをするアレクサンダー大王のようすがリアルに生き生きとレリーフされています。保存状態がすばらしい、その見事さに引き込まれました。

 まあ、実はこれ、アレクサンダー大王のものではなくてアレクサンダー大王に使えた当時のセレウコス朝の王のものだったらしいのですが、大王の姿があまりに見事なので「アレクサンダー大王の・・」になったのだとか。

 博物館のガーデンカフェは遺跡の遺物をイスにしたりテーブルにしたり・・びっくりしました。私が座った椅子とテーブル、どう見てもどっかの遺跡から発掘してきた紀元前後のものであるような・・・。
 日本人には考えられないおおらかで大胆な再利用です。さすが世界遺産を12ヶも持つトルコ・・太っ腹です? ね。
 
★☆☆ ★ ★★ 
 
 CDを手に入れて、それでもまだ10ミリオン残ったのでいよいよバザールに繰り出します。
 シルバーの売場が並ぶ一角でしかたなしにつかまったふりして、実は欲しいの気持ちを隠して・・声をかけたニイさんに乗ります。
「お母さん日本人、だからサービスするよ」
 日本語と英語チャンポンのニイさん。
 ウソをいえウソを・・どう見てもトルコ人じゃ。
「いくらなの、このアナトリア文字のヤツ」
「50ドル」
 バカいうじゃない。アンタ、クレージーよ。いらない・・
「じゃ、いくらだったら買う?」
「5ミリオン」
「アンタがクレージーだ、30ドルだ」
「要らない、」
 ここからが勝負です。
「私は今日去ります、ドイツに行って、タイと中国へ旅します。、そんなに高くては買えない」
「日本人は金持ちだろ」
「貧乏な日本人もいるよ、さようなら」
「わかった、ビンボー(これ、日本語・・誰だ、こんなけっこうな日本語を教えたのは)プライスにしよう」
「10ドル」
「私は10ミリオンしか持っていないのよ、帰る前にサンドイッチとシャーイを飲みたい、3ミリオンか4ミリオンは必要だ、わかるでしょ。私は6ミリオンしか使えない」
「わかった・・6ミリオン、ビンボープライス」
 50ドルが6ミリオン(5,6ドル)になってしまいました。作戦大成功。
 交渉の途中、やたらさわろうとするので「そういうのはセクシャルハラスメントで、日本や欧米では犯罪だ」といったら、「ビンボープライス」ニイさん、「セクシャルハラスメント」の意味が分からなかったらしい・・前の店のおにいさんにきいてと「ホント?」なんて大笑いしてました。
 でも、その後は少し距離をおいたとこを見ると、そう悪いヤツではないような。

 とにかく私は「ビンボープライス」でアナトリア文字デザインのリングを作戦勝ちして買ったのでした。
 売ったということは彼も損はしていないわけで・・・あー、面白かった。!(^^)!
 
 ビンボープライス、という言葉、すごく気に入って今もたびたび使っています。 
 
★ ☆☆ ★★ 

 バザールの出口にあるダイヤやサファイヤ、ルビーなどの高そうなものを売る店の前で日本語のうまいニイさんに声をかけられました。
「あなた、4日まえにもここを通ったでしょ、見ていきませんか」
「今日、帰ります、お金もない、時間もない」
 私が笑うと相手も「今日帰りますか、トルコは楽しみましたか」と笑います。
「もちろん。ところで、今有り金全部でこのシルバーリングを6ミリオンで買ったんだけど高い?安い?」
「6ミリオン、高くも安くもない、いい値段です、安いくらいですね」
 その男は私の指のリングを見ていいました。
 そうですか・・何回かだまされたトルコだけど、これでヨシ!!としよう。
「また来て下さいね」
「今度来たら、あなたの店に寄りましょう。さようなら」
「そうして下さい、さようなら」
 
★ ☆ ★ ☆ ★ 

 残った4ミリオンは結局サンドを食べているヒマがなくて、飛行場でミネラルウオーターを買って残りは募金箱に入れました。
 まだ度数があったテレカで、オランダの三枝子さんに電話しました。
 これも使い切って、さっぱりすっきりトルコ・・。 
 夕方のルフトハンザで「さらばじゃトルコ」でした。
 お名残おしやのトルコでゴザール。
 
 エジプト・トルコでイスラム圏のおもしろさににゴジラのように完全に目覚めてしまった私でした。
 モロッコ、イラン、パキスタンなんかにも猛烈に行きたい・・。


>>>>>>1月24日 本日のできごと>>>>>>>>>>>>

 1時にスヌちゃんとランチの約束なので、12時15分にでようとしたらOさんのお母さんより電話。帰りに寄ることを約束。
 あわてててでるも、急行に乗り遅れる。あれれ・・・
 途中でとなりに座った腰の曲がったおばあちゃん、力一杯私に寄りかかって眠ってくれた、オババさんでも100%よりかかられると重たい。
 
 渋谷の米のうまい店に行くも「1時半までですから」と袖にされた・・しかたなしにラケルで卵料理。チョー久しぶりだけど、野菜に「有機」とか書いてあって、時代に合わせて変わっていた。
 スヌちゃんに昨夜制作のヘマタイトブレスとストラップをプレゼント。「お金、溜まるといいなあ」。貧乏人がつくったからそれはなんとも・・・_(._.)_
 鯨原稿を届ける。「トラベルライターになりたいんだったら、もっといい写真をとったほうがいいですよ、というきつくて的確なアドバイスをいただいてしまった。はい。
 
 この後「ふるさとぷらざ東京」と八重洲ブックセンターによって帰る。2万円近く本買う。送ってもらうようにした。
 もちろん9時ころだったけど、Oさん宅にも寄った。
 つかれた。
 夜食に近い夕食、昼に作ったほうれん草入り薬膳カレー、うまし。Yさんから送ってもらった北海道のオジャガがうまいんだねえ。

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