世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年01月16日(水) 第22夜  ボルポラスクルーズ  君は黒海を見たか 



またもコーランで目がさめました。
モスレムの国に来ている感じするよねえ、旅の味わいだよ、旅情だよね、と思ってももう少し寝かしての感は否めません。
また、毛布かぶって二度寝体制にはいりました。

2時間後.きりっとした深い青空がひろがってます。良い天気.ボルポラスクルーズ日和です。定期観光船の出航時間は、10時30分です。
トラムで港の近くエニュミニュ駅まで行きます。5万リラ<10円くらい>、ジェトンをかって駅の入り口でいれて乗ります。
市内の乗り物としては一番利用しやすいですね。

☆☆☆

前日に乗り場はチェックしてあります。
迷っていたりするとすぐに客引きに捕まりますから。
チケット売り場に並んでいたらわたしの前にいたフランス人カップルに客引きが「ボルポラスクルーズはどうだ」と声をかけました。
「NON!!!」
 ものすごい顔をして、女のほうが怒鳴りました.
ドヒャア。わたしはびっくりです。
そりゃ、解るよ、だってボルポラスの定期観光船の切符売り場に居るんだよ、意志が決まっている人にばかな客引きですよ、でもねえ、おフランスのおネエさん、怖すぎました。
日本人にはできんわあ、あれ。
もちろん、客引きは居なくなりました。

予定通りに出た船には、アメリカ人、ドイツ人、フランス人、イタリア人・・欧米系のお客でけっこう満員状態でした。
さもサービスというように、ジュースやお茶を入れたカップを持ってウエーターたちが客の間を回っています。あれ、ただじゃないんだよなあ。
見ているとアメリカ人らしい男が、ひょいとジュースのグラスを持ち上げました。飲み干すのを待っていたウエーター君、お金を請求しています。「え?フリーじゃないの?」って感じのアメリカ人のおっさんの間抜けなお顔・・・。あのエジプトのカフェと同じですね。確かインドネシアのガイドブックで注文しない料理まで出てきてサービスと思って食べたら金取られた、というトラブルを見たし、原理的には同じですね。

 さて、ボルポラス、外の船べりにいると風が冷たいのですが、絵になるイスタンブルの風景が来ては、去ります。
建国の父アタチュルクの住まいとなった宮殿、昔牢獄、今、フォーシーズンズホテルの立派な建物。フォーシーズンは立派なホテルですけどさ、でも、昔の牢屋なんて私は泊まりたくないね、悪い夢、みそうだもん・・そして、ブリッジ。
 わたしはクラゲさんと鯨くんを愛すものですが、そんなわたしメの目に飛びこんできて、景色以上に気を引くのは深いヒスイ色の海に浮かぶクラゲさんたちです。
 ふねが寄港する波止場近くにはミズクラゲ、水深のありそうなところに行くとヒゼンクラゲ系のでかいやつヤツがうろうろしているんです。
景色と共にクラゲも美しいん・・・であります。

クラゲは自分の力で泳がんのですね。潮の流れにのって風任せ、潮まかせ.
水温25度以上にななると発生し、その命は一年ない.このはかなさ、地球を傷つけない生き方が好きです。とにかく美しい・・次回はクラゲに生まれ変わりたい私です。ニンゲン、もういいですわ。鯨でもいいけど.
おっと、また話が横道にそれました、モトイ!!

 
☆☆☆☆☆

 一時間半ほどの乗船でクルーズの終点アナドル・カワウにつきました。
 この船は、3時にまた戻ります。それまで自由時間というわけです。
 イスタンブルとはえらく違う田舎的たずまいの村中を通って、目指すは山の上。黒海が眺望できるポイントです。
 わたしだけではありません。降りた客たちは皆同じことを考えています。急坂を登り始めます。
「ネエ、あなた、コレを上ると、どこに行くか知っているの?」
 後から歩いてきた、金髪のやや小太り気味の女性がわたしに話しかけます。
「もちろん、あなたは知らないの?」
「みんなが行くから来たのよ」
 彼女の連れ、ひげの穏やかな顔立ち男性が道路の反対側からこちらを見ながら歩いています。
「これを登ると、私達は黒海を見ることが出来る」
「そうなの、きれい?」
「たぶん」 
「私は下のレストランで魚が食べたいわ」
「あなたはどこから来たの?」
 彼女が答えました。でもききとれません。
「ごめんなさい」
「イスラエル・・・」
 イスラエル・・ユダヤ人、今回のテロの元凶ともいえるお国のひとでしたか。
「あなたは? 中国?」
「いいえ、日本」
「彼は日本にいったことがあるわ」
 話をしながら、何時の間にか、トップオブザマウンテン。
 はるかに黒海です。
黒潮が黒いうみの潮の流れであるように、黒海も黒々とした色をしています。まさに「ブラックシー」
頂上には、オスマン時代の要塞の名残りがありました。
そこをさわやかな風が渡っています。
空気に透明感があります。
直下のボスポラスを船がしげく通います.今も大事な通商のみちなんだとわかります。
歴史の交叉点でもあった場所に立っている・・・風に吹かれて・・っていいねえ。

イスラエルの人達は何時の間にか居なくなりました.
みなと近くにあったお魚レストランへ行ったのでしょう。

下って、わたしもレストランでランチセットを食べました。
ビール、サラダ、パン、ムール貝の串揚げ、イカのリング揚げ、あじのムニエル一皿になったセット.5ミリオン。
リング揚げがおいしかったです。


帰りの船はビールが効いて、お昼寝タイムとなりました。


>>>>>>>1月16日本日のできごと>>>>>>>>>>>>

新潟は終日雨。雪がどんどんと溶ける。

昼はカレー、夕方にはカキフライとかぼちゃコロッケを作った.
揚げ物を自分でするなんてホントに久しぶり.
 メンドちかったが、あげたてはうまかった.かぼちゃは特に自家製で、甘味がちがう.やっぱり、てまひまかけたのものはうまいっす.

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