世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年01月15日(火) 第21夜 イスタンブル ホジャに会う? ナンパか??

朝。
あ〜あ〜ウ〜ア〜〜〜とかなんとか、けたたましい声で目がさめました。
「なん、なんなんだ???」
時計を見ると、6時前だよ。
どうやら、朝のお祈りの時間らしい、コーランのようですね。
エジプトにいる時も、遠くからそれらしきモノが聞こえてくるときがありました。夕方、5時40分過ぎ、レストランで、ボーイさんが物陰でお祈りしている姿を見ました。
しかし、こんなにけたたましく起こされたことは初めて。
まあ、このペンションはトプカプ、アヤソフィヤ、ブルーモスクなどなどのトルコが世界に誇る観光地が歩いて5分といういうイスタンブルのハート見たいなところにある訳だし・・・こういうのもあり、だな、とまた毛布をかぶって寝ました。
 結構、朝は冷えているイスタンブル。

☆☆☆☆☆

昨夜、このペンションの主人のジョシュクン氏とおくさんのチエコさんから、トルコの莫大な単位のお金、アヤシイ人々について講義を受けました。
何しろ、トルコリラは1万リラが約2円。人々がよく使うのは、100万リラ=ワンミリオン、とういう、とか、500万リラと50万リラの色が似ているから間違えないように、とか。なにしろ、お札の顔はみんな建国の父「ケマル・アタチュルク」で変わり映えがしないから、わたしのような数字に弱い人は、よほど気をつけないと・・・。不安だ。

トルコとエジプトのお金、比べれば<どっちの国のお人にも怒られそうだけど・・比べるな〜とかって・仲は良くない>
エジプトの紙幣は汗と油と手垢?で・・キチャナカッタけど、トルコはとても綺麗だッてこと。
お金のテアカ度ってその国の経済状態というか、国力というかその他もろもろ・・ついている匂いで食生活までわかるんだよね。
中国なんて、その昔ちぎれたお金にテープ張って使ってて、そのババみたいな金を他の人に回す・・・発見されると拒否あり、なんてこと、あちこちで見かけましたっけ。

おお、話がそれた・・・

アヤシイい人々については、またしても「日本語使いに気を付けろ」。
「話しかけられても無視してください、ジョシュクンの友達だといって話し掛けてきますから。そういう友達、私にはいません」
ミスタージョシュクン。
「日本人で、日本人をだます人もいますから、悲しいですけど」
 それはこのごろスペインなんかでもあるんだよね。
「昨日来て、一日観光して、トルコ人と友達になった、そこに泊めてもらう、それも男だったりして、とか信じられない話は沢山あリます」
「一日で、男、ですか?」
「もともとそういう人はそれを求めてきているんでしょうけど」
 チエコさんは厳しいです。
 わかいママだけど、きりりとしたしっかりモンのお人です。

☆☆☆☆☆

9時。昨日の若いニイさんが用意してくれたトルコ朝ご飯をたべて、取り合えずトプカプだ〜い。
 話はまたそれるが、フランスパンをデブにして少しきめを荒くして表面をカリカリに焼いたトルコのパンはうまい、白い塩っぱいチーズも、なれるとおいしい。トマトとあわせると絶妙です.
もっともこれらは、アムステルダムでもよく食べていた、近くのトルコ人のお店で売っていたからね。アムスにはトルコの人、沢山います。

トプカプは入場料、7ミリオン。トルコのほかの物価に比べるとお高いです。宝物室やハーレムにはいるのにもお金がかかるし、エジプトと同じく、その辺が観光で国がなっている印象よね。
建物はもちろんスゴイ・・でもなんといっても宝物館のお宝の凄さでしょう。てのひらにのるほどのエメラルド、金の飾り、ダイヤ、真珠・・・トプカプの短剣なんて、でかいエメラルド3個もつけて・・それはそれは。
 これだけの富を持ったオスマントルコのスルタンってお人は・・と思わず想像しました。
 でも、あれだけお宝をつけた衣装、王冠、首飾り、剣、みんな着けるとスゴイ重量だろうねえ.スルタンも「体力勝負」の家業だなと思ったことでした。

ハーレムは、スルタンの「大奥」です。
入り口には、エジプトから献上されたヌビア人の宦官が番人としていたとかで、ろう人形のごときがありました.
エジプトで「ヌビアンごひいき」となったわたしには「かんがあん?アレ、きられっちゃったってか?」とお下品に複雑でした。
中には大理石のハマム<トルコ風呂ってヤツ・・蒸し風呂>とか、果物の間、なんていうのがあって、果物を食べるだけの部屋なんてまあ豪華・・ため息の出る繊細な装飾の広間でした。

別の部屋にはエジプトから奪取したマホメットの聖遺物、軍旗、サーベル、聖なるマントもありました.
エジプトと仲が悪いわけだなあ.

☆☆☆☆☆

スルタンアフメットという観光客のメッカ、に出たらやっぱりスゴイ声かけ攻撃でした。
危険度2、テロの影響で観光客が減っていて、こういうアヤシイ人達も大変だろうと・・
でも、チエコサンとジョシュクン氏の忠告通りに知らん顔してましたが、何で話しているのに応答しないんだ・・とおこって挑発するヤツまでおって・・困った。あたしとしては、エジプトのように気軽にやりたいんだけど、でもトルコ人ってエジプト人のようにやたら明るい・・というか能天気な感じがしなくて・・それもできん・・・

友人の淳ちゃんがメールまでよこして見て来いといった「地下宮殿メドウサ」を眺めてから、ふらふらと坂を下ってボルポラス、アジアとヨーロッパのさかいといわれている海を見に行くことにしました。

☆☆☆☆☆

港はついた船から下りる人、乗る人、物売り、露店、客引き、眼の見えない人が歌を歌って投げ銭待ったいたり・・とにかく活気と喧騒で溢れかえっていました.
金角湾にかかるガラタ橋を歩いていたら、橋の歩道に人を集める露店がありました。
見れば、日本製電脳ゲーム売りです.円盤に鉛筆を突っ込んで回すと楕円形がいくつも書けるシロモノで、「電脳?」かの素朴さ。更にはゲーム「ー」のしるしが「|」になっている日本製の海賊版で、お里が知れていてご愛嬌、で、思わず笑いました。
「コレ、あなたの国のものですか?」
 スーツを着たモスレムひげのある人なつこそうな目をしたおっさんです。
「いいえ、アンダーグランドバージョンです」
「どうして解るのですか」
「書き方が違います」

 橋の上で話が始まりました。
 おっさん、普段はドイツで先生だけど、今は休暇だ、というのです.
 今の時期に休暇?ねえ。そんなこともあるのかねえ.
 ドイツにもオランダと同じくトルコ人は多いよな・・。
「いま私は時間がある、あなたをガイドしてあげよう.7年前にわたしはこの町で観光ガイドをしていた」
 うーーーん。
 トルコでの、日本人の被害は誘われてついていくことから始まる、とガイドブックには書いてありました。
止めたほうがよいでしょう・・・・.
「私はもう宿に帰らねばならない、だからけっこうです」
「宿はどこか?」
「アヤソフィアのそば」
「私もそちらに行く、ようがある、では帰りながら案内してあげよう」
 コレは、断りきれん・・なあ・・困った。
 結局、スルタンアフメットまで、言うことで彼と共に歩くことになりました。
「トルコでは、先生を ホジャ という、私をそう呼んで良いよ」 
 ホジャねえ.ほんじゃ、そうしますわ<サブーイ?かな>

イエニジャーミイ、エジプシャンバザール、中央郵便局前を通って、スルタンアフメットが近くなったころ「私の友人はブルーモスクの近くでカーペットショップをしている.私はそこに行く、あなたも来ないか」
そうか、やっぱり、この人も客引きねえ・・非常に巧妙な・・。
「私はきのう来たばかり、買わない、じゅうたんには興味が無い」
「もちろん買わなくていい、見るだけでいいんだよ、いやだったら見なくてもいい、お茶だけ飲んで帰っていい」
 決まり、ホジャ君は、客引きさんでした。
 まあ、5時半までには宿に帰る約束をしている、帰らないと日本人の奥さんが心配して探しに来るだろうと話して防波堤を作ってから、こういう手のこんだ客引きをする店ってどんなところか見てやれ、と付いていくことにしました。

 ブルーモスク前を横切っていくお店、たしかに、立派なお店でした。
わたしの前に日本語はとても上手いハンサムなお兄さんが広げたじゅうたんは数万くらいが最低プライス、上は天井知らず.
 日本のガイドブックにも載っている信用のある店、が「売り」でした。
調べたら、確かにのってたけど、そこには40ドルくらいからと嘘?がかいてあったですよ。
日本語がばかうまくて、神奈川県三浦にじゅうたんの取引先があるとか・・流暢に話して、怪しいところがなさ過ぎるのが逆にアヤし過ぎてヤバイ、というか.ですね。
断れなくて、あるいは信用して買う人、居るだろうな・・と思いましたわ.
わたし、お茶だけ頂いて、綺麗なじゅうたんを褒めあげて帰ってきました。

☆☆☆

 ことの次第を、帰ってチエコさんに話したら
「気を付けてくださいよ、話しかける人に乗ったらだめだといったでしょ」
 としかられました。

 エジプト人は、あからさまでした。
 ホジャ、のような手の込んだやつは居なかった、アヤシイ人々も「だますかもよ」状態で解りやすかったし.
 文化、歴史、風土の違いでしょうか.

 「だまし」のバックグラウンドについて「哲学」した夕べでした。


>>>>>>1月15日 本日のできごと>>>>>>>>>

マウイ行きの予約金を払い、その他色々とヤボ用で街中をうろうろ。
3連休の後で、銀行・郵便局などは人で溢れていた。
バーゲンで、蛇皮で黄色のお財布を買う.蛇は嫌いだけど、お金はたまるんだとか?一万位したぞ、高かった。ご利益あれよ.蛇君。
でも夕方、18切符で、田舎に帰ろうと思ったら、電車乗り遅れ、結局新幹線で帰るはめ。お金さんは出ていった・・・いいのかねえ。

正月には雪に埋もれていた新潟、このところの温かさで雪が解けて12月初めのような・・。雨が降ってました。
東京は18度、変だよね.地震とかないといいんだが、心配。

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