世界お遍路 千夜一夜旅日記

2002年01月11日(金) 第17夜 ルクソールのあやしい人々 2 


 前回に続いてルクソールでお会いした「あやしい人たち編 2」です。

★☆★☆★   

ハマダくん

 ルクソール市内のユーセフ・ハサン通りの一応イタリアンのレストラン。店の入り口にいた子ネコをからかっていたら、ニイさんがでてきて「入れ、日本人でしょ」といいます。店の中は、ほこりっぽい感じだし迷ったのですがネコのかわいらしさに誘われて、そこで夕飯を食べることにしました。
「ぼくの名前はハマダというんだ、ぼくのニイさんは日本にいる、もう五年間働いている」
 ほうほう。ハマダ、とはめずらしい・・。「日本人の名前みたいですね」
「そうです、ぼくの名前は、父と親しかった日本人の名前をもらいました」
 ヘエエエ。
「あなたにお願いがあります、わたしの手紙を日本に持って帰っておニイさんに出してくれますか」
「いいですが、わたしが日本に帰るのは1ヶ月後ですよ。あなたのお兄さんはどこに住んでいますか」
「今はわかりません、住所を見ないと・・」
 ムムム。そう?、東京とか、大阪とかくらいはワカランのかねえ。
「わたしの仕事は夜11時に終わります。その後に時間があります、そのときに他の店でぼくと会ってくれませんか・・。そのときに住所を持っていきます」
 これはあやしい感じ・・かなあ・・・顔はまじめそうなよさげな青年だが・・・。
「わたしは疲れていますから、それはできません」といってから「わたしは結婚しています」<また閻魔さんに舌を抜かれることいっちまったよん>
 彼は、さっと顔色を変えました。自尊心を傷つけたああ? ありりゃ。
「明日、わたしはこの店にあなたの手紙を取りに来ましょう。そして確かにそれを日本で出しましょう、約束します」
 彼は渋々ふうにうなずきました。

   ☆★ 翌日の夕方 ★☆

 ネコレストランにまた行きました。
 「ハマダはいないのか?」
 わたしは注文を取りに来た別のニイさんにいました。
「今日は、休みだ」
「わたしは、ハマダの日本にる彼の兄に手紙を預かっていくと約束した、だから今日は取りに来た、なぜ彼は休みなのだ?」
「病気だ」
 はああ。
 わたしは注文したまずいピザを食べた後に彼を呼んでいいました。
「彼との約束を守って私は手紙を取りに来ました、そのことを彼にきちんと伝えなさい」
 毅然とはっきり言いました。
 こういうとき「日本人の名誉」みたいなこと考えるわたしって、「愛国者」かねえ。いやらしかあ・・ねえ。と屈折するわたしです。
 
 男は、そんなわたし心のうち関係なく「わかった」と大きくうなずきました。
 
 ハマダくんは、本当に兄ちゃん、日本にいるんだろか。それとも、日本人をだまそうと・・したのか・・スケコマシ・・ってヤツ・・それともあの露天のオッちゃんみたいにただ日本人のひとり旅の女と話してみたかったんだろか・・ムスレムの国じゃ女はひとり旅せんもんな・・。
 これを読んで下さっている方、彼の正体、どう思われまするか。まじめでよさそうに見えたんだけどねえ。(?_?) もしかして、モスレムの純な青年を傷つけた???
 わたしにはいまだに「ナゾ」であります。

☆★☆★☆

本屋のオヤジさん

 やっぱり、ユーセフ・ハサン通り近くの「本屋」という日本語の看板がでている店先。ひげオヤジがでてきてわたしを「ちょっと、来い」と呼びます。
 なあんだあ? 昨日、この店で切手を買ったんで、まあ、そんなにあやしくないことは判明してますが、呼び止められるほど親しくはないぞ。
 オヤジは紙を出してきて「はがきが一枚20セント」だと日本語で書けと迫ります。
「どうして?」
「日本人はこの通りをよく通るが、はがきを買ってくれない、日本人は英語が読めないからだ、だからおまえが日本語で書けば、買ってくれる」
 そうかな。かえってあやしくなって寄りつかないかも、と思うがねえ。
 でもわたしは書いてやりました。
 このオヤジさんの店で初めて切手を原価で買ったからです。日本までエアメールではがき一枚1.25エジプシャンポンド、しかし、かってにじぶんの値段でうっているんですね、この国は。
 カイロのナイルヒルトンのブックショップでさえ1.25と印刷してあるものを1.5で売っていた。べつのとこなんて1.8だった。信じられんけど・・まあ交通ルールがないのがルールの国だし、これもありかな・・とは思ったけど。
 しかし、このオヤジはちゃんと1.25で売っていた、わたしは正直者のオヤジが書けということをでかい紙をもってこいといって、でかでか書いてやりました。そのわきに「この店では、切手が1.25ポンドで買えます」と付け加えました。
「ここにはなんと書いたんだ」
「この店には切手もある、1.25だと書いた」
「オオ、それはいい」
「じゃ、バクシーシちょーだい」
 わたしは手を出しました。
 オヤジ、真剣に机のなかなかマリアサンがついた絵はがきとお金を出しかけました。
「ジョーク、」
 オヤジはにやりと笑いました。「お茶、飲むか」
 時計は十時をまわっています。「いや、もうホテルに戻って寝る、わたしは明日、カイロに戻るから」
「またエジプトに、ルクソールにきなさい」
 うん (^o^) そうしたい。

 ルクソールに旅される方、「切手が1.25ポンドで買えます」の紙がはってある本屋を見たら寄ってやって下さい。

☆★☆★☆

 人ではありませんが、ホテルの部屋がかなりあやしかったです。
 一晩目、クラーがきかない。
 二晩目は部屋をかえてもらって、今度は効きすぎ。
 三晩目、夜中の3時、突如ボタンボタンという音で目が覚めました。なんと、クーラーからお水がたれて絨毯がぐじょぐじょ。とめて事なきを得ましたが・・一応屋上にプールまでついてる★★★くらいのホテルなんですけど。

 チェックアウトの時に、トラブルを話してあれはわたしのせいじゃない、クーラーのトラブルだ、修理した方がいいといってやりました。

 こうして、わたしのルクソール第三夜は終わりました。
    

>>>>>>>1月11日 本日のできごと >>>>>>>>>

 MさんとKさんと昼ご飯。
 我が町のデパートははバーゲンで人であふれていた。
 またしても、どこが不景気? しかし、バブルのころに比べたら恒例のバーゲンだけど、人出は半分ってとこか。

 ハワイ行き、1月末のエアチケット、ツアー、安いものはもう満員御礼。日本てホントに不景気?とまたしても思う。
 この円安の時にさあ。と言いつつわたしも行くんだけど。結局、6泊で10万円近いツアーにしてしまった。これしかないんだもん。貧乏なのに・・・もう清水の舞台から飛び降りる感じであった。
 旅事にかまけていたら、新聞連載の校正が後手になった・・電話をもらってしまった、すみません。

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