2001年12月30日(日) |
第七夜 ピラミッドざんまい5 サッカーラ、そしてギザ |
サッカーラ入り口に着いた時、時間は午後2時前。暑さのさかり、くらくらしそうです。 チケットを買い窓口に行くと、中にいた男たちが切符を売る代わりに「一人か」といいます。うなずくと、「入れ、入れ」と呼びます。 「お茶、飲んでけ」 はあー、これってナンパかい。 「車がまっている」「いいから、入れ」 んもう・・ノウサンクス!!!もちろん、私だってせめて5日間くらいカイロにいるんだったら、きみたちと遊んでやってもいいだけんどなあ・・・日本でナンパされるなんてもう絶えてないしさあ。でも明日の夜行でアスワンに向かう身としては、そんな時間はインポッセボル・・でありあんす。 アブドラ氏が車でいらついて待っているのがわかります。 彼、このスケジュールはハード過ぎる、2日のコースだ、オレは頭が痛い、とさっきごねたばかりなのです。 「きみがよい働きをしたら私はチップを上げるでありましょう」 と、私はいい、彼を黙らせたばっかりなので、ほんなもん、茶どころじゃないのです、はい。 とにかくチケットをゲットして向かうは重要遺跡サッカーラです。
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ずんずん近づくと、階段ピラミッドが見えてきます。 高さ60メートルといえば大変なモンなのに砂漠の中にあると大きいとは感じません。むしろ、からからに乾ききったピラミッドのミイラ・・階段があるせいで廃墟感が強く印象づけられるせいかもしれません。 陰も遠慮してしまうような日差しの強さ。お湯となってしまった水をしょっちゅう飲まないと「日本人おばさんミイラ」一体完成になりそうです。 もう、溶けるなんてモンじゃなくて、即ミイラ化です、ね。 はっきり言って見学どころではりません。 でも、しかし、と意地になってまわりました。 遺跡にはいると、例のごとく案内するというエジプト人、土産はどうかとついてくる人・・いろいろ登場しました。きっちりと「イラン」というといなくなるのが、そうか、でありました。
いや、サッカーラはまた行きたいです、こんどは朝イチで、アタマがしゃんと動く時間帯に。でも、私がこの遺跡の本当すごさを認識するのは、次の日「カイロ博物館」へ行ってからなのです。
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ギザ、ギザ・・ピラミッドのメッカ。エジプト観光のメッカ。 ドン、デン、バーンと3つのオピラがあるという点ではやはり「オピラの王道」を行くポイントでありましょう。でもね、すぐ近くにホテルは立っているわ、ボリボリしそうな土産物屋、ラクダひき、その他諸々の観光客からむしり取るぜ、とてぐすねひいている人たちが集まっているとこでもあるのです。 アブドラ氏にまず、「ラクダに乗るか」ときかれました。彼とつながっているラクダ引きがいるのでしょう。 「私はタイランドに行った時ゾウに乗った、とても怖かった、アイスランドでは馬に乗った、やっぱりこわいと感じた、大きな動物には乗りたくない、そして、ラクダにはノミが生息すると聞いている、しばしば乗った人について刺すとも聞いている、だから必要ない。私は私の足で回る」 乗りたくないわけを話さないとまたしてもごねられそう、と思ったのでちゃんと説明しました。エジプト人は、「話せばわかる」系みたいなんで・・。 「じゃ、アンタ車が一番好きなのかい。わかった」 アブドラ氏は、笑いながらうなずきました。 ノミが刺されたくないというのは本当です。高所恐怖症なので、動物の背も苦手、なんです。彼に話したことは「ウソは方便、ではなくてすべて本当、マジに乗りたくない」だったんです。 チケット売場でラクダ引きが近づいて来たら、アブドラ氏は「そいつ、のらんよ」みたいな感じで追い払ってくれました。 「歩き方」によれば、ここでボられた、だまされた、という人が圧倒的なのですが、私の場合「おかげサン」でした。 ここで、またしても「カフラー王のオピラの中」に入ったのですが、足は完全に壊れました。エジプトにいる間中、筋肉痛が残りました。 クフ王のオピラの裏で、若い男の絵はがき売りにつかまりました。<つかまったふり、実はほしかった>10枚セットが、初めは5ドル。んなもんいらんわい、高すぎる、と怒って彼をけ飛ばして去ろうとすると「んじゃ、いくらで買う?」 「2エジプシャンポンド」 「ダメだ」「じゃ、要らない」 「6エジプシャンポンドじゃどう」「いらん」・・とまあ、こんなやりとりを、お互いにけりを入れるマネをしながら繰り返した結果、「2セット、6エジプシャンポンド」で落ち着きました。 彼はニッカニッカしてお金を受け取りましたから、そこそこに儲かっているのでしょう。 いいじゃないですか、私もホテルのショップで買えば3枚しか買えないお値段で20枚も買えたのですから。 これが、ギザで一番おもしろかったです。 わたし、値切りでモノを買うのけっこう好きなんです、はい。 スフィンクスの前には、小学生くらいの物売りたちが手にパピルスのしおりだのカレンダーだのを持って観光客を追い回していました。 おい、エジプトの文部省、この子たち学校に入れろよ。とりあえず、字と計算教えてやれよ。人生が少し変わる子が出てくるかも知れないから・・・さあ。
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