おひさまの日記
日記インデックス|前の日の日記を読む|次の日の日記を読む
今朝、保育園にアンナを送っていくと、あるママから声をかけられた。 「アンナちゃんにお礼が言いたいんだ」 って。
彼女はこう言った。
「みんなでよーいドン!で走った時、 ウチの子が転んで泣いちゃって、 その場で怒り出して走れなくなっちゃったのね。 他の子はみんな走って行っちゃったのに、 アンナちゃんは戻ってきてくれて、 『一緒に走ってあげる』って言ってウチの子と手をつないで、 一緒に走ってくれたんだ。 おかげでウチの子は最後まで走れたんだよ。 ありがとうね」
私はアンナに「素敵なことしたね!」と言った。
アンナは保育園の廊下の柱の陰に隠れて、 半分だけ顔を出して恥ずかしそうに笑いながらうなずいた。
朝の慌ただしい時間、そのママにバイバイして自分の車に向かった。 保育園の門を出る頃には、私の顔は涙でくしゃくしゃになっていた。
なんなんだ、この衝撃は!?
自分の娘が人にやさしくできると知って嬉しかった。 自分の娘が人にほめられて嬉しかった。
でも、そんなんじゃない。
なんなんだ、この衝撃は!?
私は泣きながら考えた。
そして、これは絶対的な慈愛に触れた時の涙なのだと思った。 心が震えた。 涙が止まらなかった。
時々、無条件に与えられる慈愛に触れた時、 それを目の当たりにした時、 激しい衝撃を受けることがある。 その時の感覚と同じだった。
私のすすけた醜い心のそばに、こんなに美しくあたたかい心がある。 私の汚れた言葉にも、愛の言葉を返そうとする清らかな心がある。 私は彼女の慈愛を日々受け取っていたのだ。 それに改めて気付いた。 胸が痛いくらいの感謝と感動が湧き上がってきた。
その傍らで、アンナのやさしい心のそばで、 毎日の垢にまみれてひねることもある自分の心を振り返る時、 自分がとても小さな存在だとも思った。 疲れてすさんでいる自分に気付いた。 悲しかった。 もっと、アンナのようになりたいと思った。
すると私の中で、愛の部分がそれに応えたような気がした。 アンナのようであっていいんだよ、と。 私にも愛があり、やさしさがあり、慈愛があるんだよ、と。
アンナは私のワンダーチャイルドだ。 私の中にあって、 愛をいっぱい持って輝いている内なる子供そのものなのだ。 私だけじゃない、誰の中にもワンダーチャイルドは存在する。 痛みの中で震えるインナーチャイルドの陰に身をひそめてはいるけれど、 必ず存在しているのだ。
インナーチャイルドと一緒に、 遠い過去へと置き去りにしてしまったけれど、 必ずワンダーチャイルドは存在しているのだ。
私は取り戻したいと思った。 心から思った。 ワンダーチャイルドを取り戻したいと。
空の青が嬉しくて、木々の緑が嬉しくて、 泣けちゃうくらい世界がきらきらしていて、 妖精が魔法の杖をひとふりして愛と喜びの粉をいっぱいまくように、 自分を愛しながら人に愛を与えていく、 そんなワンダーチャイルドを。
誰もが真実に帰りたい。 真実との出会いは無条件に私達の心を突き動かす。
どうしていいかわからないけれど、 ワンダーチャイルドを本当に取り戻したいと思った。 それを見つけて、受け止めて、受け入れたいと思った。 私のそばにいるアンナという小さな天使と一緒に。
|