鈴木めぐみの徒然マンガ日記
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2003年09月02日(火) NANA

ようやく『NANA』 のコミックスが8巻まで揃った!一応掲載誌の「Cookie」でチェックはしてたものの、一気読みすると面白さは格別!

矢沢あいってすごいなぁと思うのは、主人公・なな(愛称ハチ)の描き方。私から見れば、いーかげんでほれっぽいハチには、およそ従来の少女マンガの主人公らしからぬあやうさを感じるんだけど、その部分こそ、同世代の女の子たちにとっては、メチャメチャ共感するところなんだろう。たとえばハチが、遅刻や無断欠勤のルーズな働きっぷりに、ついにバイトをクビになるシーン。直属の上司に「普段は厳しいけど、きっとかばってくれると思ってた!」と泣きついたものの、「世の中そんなに甘くないのよ」とばっさり切られてしまう。確かに、同じ職場にいたら腹が立ちそうな「困ったチャン」のハチ。でも、その後、途方にくれた彼女がつぶやく「110円だせば缶コーヒーはのめるけど、私はおしゃれなカフェでお茶したい」という思いは、理屈ぬきでひびいてくる。「も〜う、矢沢あい天才!」と身もだえしちゃうすごいネームだ。

かつて、紡木たくが描く世界のリアルさが、社会現象のように語られた時代があったけれど、21世紀にその座を引き継ぐのは、矢沢あいなんじゃないだろうか?「若者のカリスマ」なんて形容は陳腐かもしれない。それでもきっと、ハチと同世代の女の子たちならば、『NANA』の中に、自分ではうまく表現出来ない言葉をみつけるはずだ。


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