ウナノッテ日記
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 山の上ホテルのてんぷら

  

山の上ホテル。ここは御茶ノ水駅に近い立地のため、昔から多くの作家が缶詰になって執筆することでも有名なホテルだそうです。

池波正太郎、山口瞳、三島由紀夫……。作家御用達ホテルだけあって、ここのてんぷら屋さんは多くの小説やエッセイにも登場するので、ぜひとも一度はいってみたかったお店でした。

この日食べたのは、てんぷら定食9000円。これが一番安いコースです。お店にはカウンターとテーブル席、お座敷がありますが、そのどれもが揚げたてをすぐに持ってきてくれ、あつあつのうちに味わうことができます。海老、めごち、ふきのとう、あなご。次々とでてくるてんぷらにわたしの舌鼓もなりっぱなしでした。季節感もたっぷり。量もたっぷり。

最後にでてきたホカホカごはんとお味噌汁も絶品。お椀は赤だしか、おすましかを選ぶこともできました。お漬物も、ラストを締めくくる抹茶のアイスクリームも上品で深い味でした。

こんなに揚げ物をたくさん食べて、おなかいっぱいなのに、むかむかしたり胃がもたれたりしないのは、やっぱり良い油をつかっているからなのでしょうか。ナイスです。

お料理もお店の人もいう文句なしでしたが、この日は違う意味でちょっと気になることがありました。

それは近くの席にすわっていた家族連れのこと。どうやらおじいちゃんが、中学生くらいの女の子においしいてんぷらを食べさせてあげようと家族6人できていたようなのですが、その女の子が食事の間中、ずっとゲームボーイをしていたのです。せっかくの揚げたててんぷらがでてきても顔もあげません。ううう、あつあつサクサクの海老がさめちゃうよう。

ああ、こんなおいしいものを食べさせてもらっているのに、その味をめいっぱい楽しもうとしないのは、なんということでしょう。

マナーとかエチケットとかいうもの以前に、なんとも残念でなりません。作ってくれた人にも失礼ですが、食は人生最高のエンターテインメントなのにもったいない……なんて思いました。

店名:てんぷらと和食 山の上
住所:千代田区神田駿河台1−1 山の上ホテル
電話:03-3293-2311

2004年03月14日(日)
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