僕の、場所。
今日の僕は誰だろう。
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「ごはんにしましょ」 「あ、ハイ」 「今日は二人で晩ご飯ね」 「兄さん今日も遅いの?」 「そうみたい。先に寝ててって電話があったの」 「母さんは明日帰って来るんだっけ…」 「ええ。いいわよね、湯布院」 「兄さんもたまにはメシくらい家で食えばいいのに」 「お仕事なんだから、仕方ないのよ」 「まあ、そうですけど」
「いただきます」 「いただきます」
「ね、さっき何の本読んでたの?」 「――ああ。いえ、つまらない小説ですよ」 「あの人と違って本読むのよね、偉いわー」 「偉くはないけど…兄さんは活字嫌いだから」 「そうみたいね。ふふ」 「………」 「あ、それ、どうかなっ? お義母さんに教わったのよ」 「兄さんの好物じゃん。ん、美味いですよ」 「良かったーっ」
「新しい学校、慣れた?」 「ええ、まあ」 「お友達、うちに連れて来ても大丈夫よ」 「――いえ、それは、やめときます」 「あら、どうして?」 「僕も年頃ですから」 「あらあら。難しいのね」 「…この鶏、もう一切れありますか」 「まだあるよ。たくさん食べてねー」
「ども」 「それ、気に入ってくれた?」 「義姉さんのレシピですよね。――美味いです」 「ふふ。ありがと」
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