'ゃッぱ・頭、変っすか。 'ゃッぱ・頭、変っすか。


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2005年12月07日(水) スズメバチの巣

しばし、レビューなしの後復帰した投稿


◆2005y12/7
スズメバチの巣

◆ 出版社/著者からの内容紹介、  内容(「BOOK」データベースより)

野望と変化の街――アメリカの“スズメバチの巣”と呼ばれるシャーロット市。一刻も休むことのない警察署では、1600人の警察官が働いている。他州から来たビジネスマンが次々殺される。股間には、オレンジ色のスプレーで奇妙な落書きが。P(パトリシア)・コーンウェルが新境地に挑む白熱の本格警察小説。全米ベストセラー!

感読後感想文、

 これは推理小説やミステリーの分野でひとくくりにすべき作品ではない、登場する女性主人公、シャーロット市警・所長補佐 ウェストや 上司で有能な署長のハマー、の心裡までも書き上げた従来のミステリー警察小説から さらに数歩異種ノンフィクションの範疇を表現した作品であった。しかも、P,コーンウェルのさらにきめ細やかな人物や情景描写に、3人称ならぬ猫の空想称を導入してしまう憎たらしさをも表現してます、

 ハードボイルドな小説を表現したわけではなかろうが、「スズメバチの巣」と代したこの市の造型・象徴でもあるスズメバチとその治安を市政する警察を舞台とした物語の、やはり中核を構成するのが発生する事件(継続して犯行される連続・性異常殺人事件)なのであります、 物語が終幕を迎えようとする、事件の真犯人が追い詰められていった場面、読者は重厚恋愛小説を読まされていることを忘れミステリーの犯人逮捕の銃撃戦へ昂揚する読毒に誘われ、奔走する青二才記者か追跡し、ウェスト所長補佐かハマー署長になり代わって劇中に登場してしまっているのでありました。
 また このクライマックスの展開は従来の警察小説ミステリーのタッチと同様にあまりに推理小説的醍醐味感の伴なわない結末も尻すぼみ的な筆致は、この作者の特徴を継続して表わしているもので、同様に漫画チックなアメリカ製の警察ドラマ(TVや映画によくある)のコミカルでヒューマンペーソスに溢れる・(売春が正しいと信じることのない、脇役の青二才記者を書くことで作者の欲望と反骨を象徴している)勧善懲悪な精神を規範とするする物語であります。



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