'ゃッぱ・頭、変っすか。 'ゃッぱ・頭、変っすか。


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2005年09月13日(火) P.D.コーンウェル「真犯人」

◆2005y9/11 CRUEL & UNUSUAL (真犯人)
◆内容(「BOOK」データベースより)

私を殺してもけだものは死なない。そう書き遺して黒人死刑囚ロニー・ジョー・ワデルは電気椅子に座った。果たしてその夜から起きた連続殺人事件現場からは、ワデルの指紋が発見された。被害者の十三歳の少年、女性霊能者、検屍局主任を殺した真犯人は誰か。そして今、女性検屍官ケイの身辺にも陰湿な罠が。

検屍官ケイ・スカーペッタシリーズ第4弾。10年前に女性テレビキャスターを惨殺したロニー・ジョー・ワデルの死刑執行を巡る騒動で幕をあける。罪への罰という正義と、死刑反対運動とが争うなかで、クリスマス近い冬の日についに刑が執行された。ちょうどその晩、10年前のワデルの犯罪とそっくりの殺人事件が起きる。
ワデルが残した言葉が不気味に響く。「私を殺してもけだものは死なない。そいつは暗闇を好み、血と肉をむさぼる。兄弟たち、もう大丈夫と思ったその時から、注意し始めないといけないぞ。1つの罪がまた別の罪を生む」 ワデルの死後、彼がよみがえったかのように連続殺人が起きる。数日後ワデルと最後までコンタクトを取っていた占い師が殺され、現場からワデルの指紋が検出された。10年も刑務所にいたワデルの指紋がなぜ現場に残されていたのか。処刑されたのはワデルではなかったのか? ワデルのすり替えがあったなら、当局が絡んでいるはずだ。連続殺人はケイの周囲をも巻き込み、ついにはケイ自身が容疑者としてマスコミにたたかれるはめになる。  容疑者と刑事というぎこちない関係がケイをイライラさせながらも、嫌疑を晴らすために奔走する殺人課刑事のピート・マリーノ。そしてFBIのベントン・ウェズリーが脇を固める。いまや17歳に成長したケイの姪ルーシーが、頭脳明晰ぶりを発揮するのも今後の展開を期待させる。4作目にしてなお衰えを知らず評判の高い本書は、1993年CWAゴールド・ダガー賞(英国推理作家協会最優秀長編小説賞)を受賞
◇ 読者個人感
 想像を巡らした。 死刑を執行された囚人の指紋が、その死後の事件で検出され、その謎をからめ、ケイティーの検屍局長のポストを追われなければならむ略謀の渦中、ピンチを脱却するクライマックス場面・法廷審理での口頭活劇は迫真であった、…
 検屍局長の肩書きプラス弁護士でもある聡明なケイの法廷劇は、作者の主人公ケイに女性としての愛を吹き込んで登場させたものであろう。
「もし、恋をしたことがあれば、恋は自分の中の最高のものと最悪のものを両方引き出すってことがわかるはずだから。やたら寛大になったり感じやすくなったりしたかと思うと、まるで鈍感になったりする。やることがやることが極端になるのね」


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