'ゃッぱ・頭、変っすか。
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2005年09月11日(日) |
「遺留品」P・コーンウェル |
◆2005y9/11 ALL THAT REMAINS(遺留品) ◆内容(「BOOK」データベースより)
虐殺されてゆく恋人の血まみれの姿を眼前に見せつけられたあげく、命を奪われた少女。その母親は次期副大統領候補と見なされている財界の大物だった。二人の殺害は最近起っている連続アベック殺人のひとつなのか?殺人訓練を受けているCIA内の変質者のしわざなのか?検屍官ケイの苦闘はつづく。 アメリカ・ミステリー作家協会賞、イギリス推理作家協会賞受賞。
検屍官ケイ・スカーペッタシリーズ、第3弾。事件は、仲睦まじいティーンエイジャーのカップルばかりが狙われる連続殺人。森奥深くで殺され、遺体発見が遅れる。白骨化した状態から死因をつきとめるのは不可能に近い。これまで2年半の間に4組ものカップルが被害に遭っているというのに、捜査は手詰まりのまま。ケイのいらだちは募っていた。そこへまたも若いカップルの失踪事件が起きる。失踪した女の子の母親はドラッグ・ツァーの異名を持ち、全米麻薬対策委員長として政界にもつながりの深い大物パット・ハービー。FBIが介入して、何やらものものしい雰囲気の中、わが娘の事件に狂乱するパットはFBIの隠蔽(いんぺい)工作を主張して全面対決の構えだ。事件はマスコミを巻き込んでの大騒動と化し、ケイは渦中の人となって巻き込まれていく。
FBIの旧友ベントン・ウェズリーからも情報をもらえず孤立したケイは、わずかな遺留品と骨に残ったかすかな傷を頼りに独自捜査に乗り出す。今回のパートナーはおなじみ、殺人課刑事ピート・マリーノだ。裏切りの疑惑に揺れるケイを静かに支えるマリーノ。しかしマリーノも私生活の乱れをケイに支えてもらっているという持ちつ持たれつの良好な関係が頼もしい。 ケイの最愛の恋人マーク・ジェームズも登場してオールキャストといった豪華さ。ますます人情味を増したケイの魅力が満載の作品。
◇ 読者個人感 魅力的な登場人物の描写は著者の筆力を物語っている、しかしミステリーとしての物語は、小説の大半を占めた組織・権力・陰謀といったものから、結末は短絡的な真犯人を登場させて(しかもケイティーの偶然から)幕引きへと展開され、前作より登場の女友達をも死に追いやってしまった。 主人公の心理描写や葛藤を画く手法に少し飽きてしまった心境である。
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