'ゃッぱ・頭、変っすか。 'ゃッぱ・頭、変っすか。


DiaryINDEXpastwill

2005年09月17日(土) コーンウェル・検屍官シリーズ「死体農場」

◆2005y9/17 THE BODY FARM (死体農場)
◆出版社からの内容紹介


教会からの帰途、11歳のエミリーを何者かが尾行し、自宅のベッドから連行のうえ殺害した。死体の内腿と胸の上部及び肩の肉は切りとられていた。極秘の研究所「死体農場(ボディ・ファーム)」の協力のもと、ケイと殺人課刑事マリーノの、極悪犯に対する凄絶な死闘が始まった。世紀のベストセラー「検屍官シリーズ」好評第5弾!
本作は、前作『真犯人』(原題『Cruel & Unusual』)と緊密なつながりを持つ続編となっている。前作のラストで、ベントン・ウェズリーに誘われたFBIのコンサルタントの仕事を承諾したケイ。いまや大学生となったルーシーも、FBI技術開発研究所で仕事をして。 静かな片田舎で起こった少女エミリー・スタイナーの惨殺事件捜査のため、ケイはFBIに呼び出された。裸で発見されたエミリーは遺体の一部が切り取られており、前作の連続殺人犯テンプル・ゴールトの手口ときわめて似ていた。ゴールトは逮捕を逃れ、いまだにどこかを徘徊している。 いつも頼もしいケイのボディーガード役、ピート・マリーノも今回は役には立ってくれそうにない。マークの死後、急速に親密になったケイとベントンに激しく嫉妬したあげく、被害者エミリーの母親ディネスに入れ込んでしまったらしいのだ。まもなく、捜査中の地元警官の変死体が自宅で見つかる。フリーザーにはエミリーの切り取られた肉片が入っていた。しかし、彼が犯人であるはずはない。ゴールト一流のおふざけなのか。 一方、FBIの巨大な犯罪データが真夜中に盗まれた。セキュリティーはルーシーの指紋でやぶられていた。だれかにはめられたと主張するルーシーだが、なにやら隠しごとがあるらしく様子がおかしい。ルーシーの嫌疑をはらすために奔走するケイは、犯人へとじりじり迫っていく。本書は、一話完結のスタイルをとりながら、作品を超えた伏線がはられる長大な物語へと展開している。本書を閉じた瞬間にすぐにも次作を読みたくなるだろう

◇ 読者個人感
テネシー大学付属施設の死体の腐敗状況や死因に関する調査研究をするための研究所、「ボディーファ〜ム」を表題とするP.D.コーンウェルの検屍官ケイのミステリーは、前作から継続して、本人と取り巻く関係者と、そして容疑者までをも描く人間模様の機微を綴る物語、舞台は検屍局のあるリッチモンドからノースカロライナの田舎町に移動し、またワシントンに空路移動と各地各様で織り成され、読者を景観の違ういろいろな地へ旅させてくれる、そしてすぐ次への殺人事件をみせてくれるのであった、交通事故やFBIの施設内部の犯罪も登場してきて、それらはケイを困惑させるだけでなく読者の推理の楽しみに付加価値を与えるのであった(終幕では未解決のままの映画チックな手法にすり替えられて終わってしまった)
ひとを愛すること、そしてそれを表現すること、男の心にケイの女性としての愛を反映させることの素直にできないもどかしさと苛立ちと、自分の分身であるような姪のルーシーへの愛と、核心が具体的にかかれだした本編はまたさらに次作
(FROM ROTTER,S FIELD)への序章となっているのであった。



911luca |MAILHomePage
エンピツ