世間は御盆休み。 でも、masayaは相変わらず仕事に出てる。
御盆期間は、あたしの時間が取れないので、 逢う事が出来ないかと思ってた
けど。 1時間でもいいと思って あたしは車を走らせる。
青い部屋の畳に座ってあたしは言う。
また来ちゃった。
いいよ。嬉しいから。
たった、一時間だけなのに。 もっとゆっくりしたいね。 もっともっともっと。
ねぇ、気持ちいいよ。こうやってだらだらゴロゴロするの。
そうだねぇ。気持ちいいね。でも時間が足りないね。
ねぇ。1週間会えないね。
そうだね。長いね。逢い過ぎてるしね。
うん。長いね。
そんな事を話しながら、あたしはmasayaに抱き締められる。 そうして、それは徐々にセックスの前の愛撫に変わってゆく。
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金曜日。 午後、あたしは彼とチャットをしていた。
今日は暇だなぁ。そろそろ帰ろうかなぁ。
帰るの?
いや、帰ろうかと思ったら、ゆうちゃんがメッセに来たから。
そっか。
どうしようかな。
もし、帰るんだったら、行こうと思ったのに。
ん?来る?
うん。でも仕事が残ってたら悪いから。
どちらでも良いよ。俺は。
あたしは masayaの都合に合わせる。
じゃぁ。帰る。
30分後、あたしは彼と肩を並べて 彼の家に向かって歩いていた。
また来ちゃったねぇ。
そうだねぇ。まただねぇ。
青い部屋はいつも通りにあたしを迎えてくれる。 不思議にほっとする空間。 エアコンもなく、扇風機だけ。 ベッドで抱き合うと、うっすらと汗をかく。
彼の躯に馴染んで行くあたしがいる。
彼の動きに反応するあたしがいる。
彼の上でみだらに動くあたしがいる。
どんどん敏感になる。
薄い壁の文化住宅。 きっと外にも隣にもあたしのいやらしい声が聞こえてるだろう。 声が大きくなりそうになると キスで唇が塞がれる。 壊れるかもしれない。 彼に貫かれて、何度果てたかわからない。
ねぇ。 画像を撮って。
前にチャットで言ってたので、あたしはデジカメを持参した。
いいよ。
masayaはテキトーにシャッターを押す。
テキトーだなぁ。
いいんだよ。
前の彼と作っていたHPで、 あたしはたくさんの画像を公開した。 それはいつも、排他的で孤独感のある一種独特の雰囲気を持ったものだった。 確かにそれは、綺麗に撮れている。 でも、どこか、いつも不安感や淋しさを感じさせるものだった。 だからあたしも、いつもその雰囲気に合わせて加工を施していた。
家に帰って、masayaが撮った画像を見てみる。 扇風機の前で座るあたし。 何枚も。 普通のあたしがそこにいた。
扇風機の風にふかれて、 うっすらと微笑んでいるあたしが そこには写っていた。
何の加工も必要無い、素のあたし。
ああ、これが普通のあたしなんだ。 なんかちょっと幸せな感じがして 撮ってくれた彼にこっそり感謝してみた。
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