ボクハウソツキ  -偽りとテレコミの日々-
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2002年03月31日(日) おわりのはじまり(3)

「こんばんは、ミキです」
美容部員をしている24才だと言った
彼女の言葉になかなか反応できなかった
いい意味で予想を大幅に裏切ったからだ
 
緩くウエーブしたダークブラウンの長い髪
少し強めのコロンと派手めのメイクは
美人系の顔立ちを引き立てこそ、
スポイルすることはなかった。
黒いコートとロングブーツに包まれたスタイルも水準以上

適当に入った居酒屋での会話はもううろ覚えだ
ただ、ホメまくって口説きまくった。
そして終電間際に彼女は言った
「もっと一緒にいたいけど、私の家遠いの」
「送ってくとタイヘンよ」
もちろん引き下がりはしないさ

駅からほど近いホテルでのことは
いまでもはっきり覚えている。
Eカップのキレイで豊かな胸
くびれたウエスト
意外にボリュームのあるヒップ
細めでキレイな脚
そしてセックスに対する貪欲さと技術

それを充分に堪能したあと
泊まっていこうと提案するボクに
「どうしても一度家に帰りたい」とミキ@美容部員
次を期待して僅かな紳士ぶりを発揮し、チェックアウト
エンジンに火を入れて帰路にハンドルを切る

「私の家は厚木にあるの」

凍りついた。
が、放置するわけにもいかないので
首都高と東名を乗り継いで送っていく。
ミキ@美容部員の住むマンションの横
激しいキスと抱擁のあと
「また逢おうね」の言葉と携帯♯を残して
彼女はエントランスに消えて行った。

寝る時間が無かったため、金曜日は仕事にならなかったが
高揚する気持ちと共に、戻れない道に踏み込んだことを
うすうす感じていた。

こうして平穏な生活が終わり、新しい何かが始まったのだ。


燃える夜を貫いて
彼女を愛していた
耳に残るささやきは
幻のようにくり返す


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