<投手分析> 先発…ミンチー、黒木知、清水直、加藤、小野、酒井、渡辺俊、高木 右中継ぎ…小林宏、シコースキー、吉田、神田 左中継ぎ…川井、藤田、鈴木、田中充 クローザー…小林雅 規定投球回数にミンチー・清水直・加藤の3人が達し、それぞれ2ケタ勝利を上げた。しかしこの3人で貯金を1つも作れなかった(40勝40敗)ことを考えると、若干先発陣の層の薄さは懸念材料。昨期は結局、この3人に続く先発陣が最後まで固まらなかった。 小野がここ数年停滞しているのは痛手だが、今期は昨期1球も投げられなかったジョニー黒木という大エースが帰ってきそう。ここまでの調整が順調かどうかの判断は難しいが、苦しいリハビリを経て昨年の今頃とは全く状態が違うとか。ジョニーの存在の有無は、そのままチームの空気まで左右する。黒木の復活は、数字云々ももちろんだがチームの浮沈そのものを左右する条件。 “幕張の防波堤”こと小林雅を擁するリリーフ陣はなかなかしっかりしている。吉田・藤田といったベテランに無理はきかなくなってきたが、小林宏・シコースキー・川井の20歳台トリオが立ち塞がる中盤のつなぎは強力。ただ、3人とも試合数に比べて登板イニング数が多かった為、今期の疲労残りは少し心配。神田・鈴木のルーキー組、2年目左腕の田中充が負担を軽くできれば、リリーフは安定と見ていいだろう。 渡辺俊・黒木純・薮田といった伸び悩み組、未完の大器の高橋まで含めれば、それなりにバラエティのある陣容は組める。社会人時代は“左の伊藤智仁”と呼ばれた高橋は、いったいどうしてしまったのだろう。個人的には大いに気になるところ。 診断…ある意味、ジョニー黒木の復活が最大のファクター。中盤以降はある程度計算が立つだけに、ジョニーが戻ってくればかなり強力な投手陣に化ける可能性を持っている。そして、取り敢えずジョニーの投げている姿が見たい! <野手分析> 1(中)サブロー 2(遊)小坂 3(一)福浦 4(二)ローズ 5(指)メイ 6(左)堀 7(三)初芝 8(捕)清水将 9(右)諸積 控え 捕手…辻、里崎 内野手…澤井、渡辺正、今江、丸山、早坂、西岡 外野手…立川、喜多、垣内、波留、代田 昨期Bクラスを脱せなかったのは、野手陣の低迷によるところが大きかった。ボーリック(退団)とメイの両外国人が開幕からエンジンがかからず、痛恨の出遅れ。主軸が崩れた後は、結局最後まで打線の軸が決まらなかった。メイが中盤から盛り返して23本塁打90打点を叩いても後の祭。福浦が.300を打ち一昨年首位打者の意地を見せたが、あと目立つのはサブローが初の規定打席到達で.286を打ったということぐらい。 横浜マシンガン打線の主砲だったローズが2年ぶりに球界に復帰するが、その間のブランクは現実的な問題。8年間で通算.325を打ち、167本塁打808打点を稼いだ最強助っ人の1人だが、横浜時代のような爆発的な打棒を発揮できるかどうかにはどうしても疑問符がつく。 もちろんローズが額面通りの数字を出せれば、福浦とメイで挟むクリーンナップは強力な布陣になる。しかし、もしローズやメイが機能しなかったら? その時の手当ては決して万全ではない。控えに挙げた選手は、まだまだ熟していない若手か、伸び悩む中堅か、全盛期を過ぎたベテラン。レギュラーに据えるには、現時点では不安ばかり先に立つ。 総合力で勝負できる今江と西岡、シュアな打撃の丸山と喜多、打者として大化け期待の寺本など、期待をかけたい選手がいない訳ではない。堀や初芝を本格的に追い落とせる選手が出てくるか。ローズが活躍すれば、それまでの時間はある程度稼げそうな気もする。成長速度が遅過ぎる澤井や渡辺正よりは、上の選手にチャンスを与えたいところ。 診断…ローズが機能するかどうかで打線の様相はガラリと変わってくる筈。バクチ要素が強い気もするが、それもこれも成長速度の遅い中堅選手に責任の一端がある。サブローや福浦が活躍しているうちに、ある程度次代の備えは整えておきたいというのが本音。 <総合分析> 投はジョニー黒木、打はローズと、キーマンははっきりしている。しかしこのキーマン2人は同時に爆弾要素。爆弾が破裂してしまった時の手当てには不安が拭えない。 特に心配なのが打線。ただ、不安のタネが多いということの裏を返せば、若手にとってのチャンスは転がっているということ。今年は意外に野手陣を中心とした大変動があるかもしれない。もっとも今年に限って見るならば、黒木知やローズが大爆発してくれるに超したことはないのだが。
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