DEAD OR BASEBALL!

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Vol.124 2003年プロ野球戦力診断 西武編
2003年02月09日(日)

<投手分析>
先発…西口、張誌家、許銘傑、三井、石井貴、松坂、後藤、長田、鳥谷部
右中継ぎ…森、青木、内園、潮崎、小野寺
左中継ぎ…土肥、水尾、星野、帆足
クローザー…豊田

 12球団でトップの投手陣だということは大方で一致しているところ。松坂が開幕からエンジンをトップまで持ってこられれば、この先発陣はちょっとやそっとでは揺るがない。故障者が出ても若い層で手当てはできるから、世代的構成も文句なし。

 特に言うこともないのだが、強いて言うなら中継ぎ陣に若さがなくなりつつあるのは懸念材料。橋本とデニーという西武中継ぎ陣を支えてきた両ベテランを放出し若返りをはかってきたが、森や豊田の勤続疲労まで考えればそろそろ若さの注入はあってもいい頃合。

 1年目の長田と小野寺は実質先発タイプに近いが、全体的に制球力があり大崩れがないタイプなので、層の分厚い先発陣のストックになるよりは中継ぎに回した方がいいかも知れない。星野、鳥谷部、大沼といった辺りに大化けがあれば面白いが、これまでの停滞期間を考えれば、あまり時間的な猶予は残っていないというのが正直なところ。

 昨年と同程度の数字とは言わなくても、それに近い数字+松坂の1年の活躍があれば、昨年と同じ水準の勝ち星は残せる筈。くれぐれも故障にはお気を付けください。

診断…若干若さが欲しい中継ぎ陣だが、ストックがいない訳ではないだけに融通はきく。今年同い年が多数プロ入りしてきた松坂が今年はどれだけ巻き返せるか、西口とのエース争いも含めて本気になれば死角が見つからない。



<野手分析>
1(遊)松井
2(中)小関
3(左)高山
4(一)カブレラ
5(指)和田
6(三)平尾
7(右)大島
8(捕)細川
9(二)高木浩

控え
捕手…伊東、野田
内野手…高木大、中島、上田、赤田、石井義、マクレーン
外野手…柴田、貝塚、宮地、佐藤

 昨期は結局3番と6番が固まらないまま1年を終えた。そういう状況下でも打線が機能したのは、1番松井と4番カブレラが凄まじい働きをしたからに他ならない。つまり、この2人が平凡な数字に終わっていたら、打線は実際の50%程度しか機能しなかったということだ。

 では今年は誰を入れようかと考えたら、これが昨期ぶっちぎりで優勝したチームとは思えないほど人材がいない。いや、人材自体がいない訳ではないが、どの選手も帯に短し襷に流しで決め手に欠けると言った方が正しい。

 内野なら中島・赤田・中村・ルーキー後藤、外野なら大島・高山が次世代の候補。ここの競争は熾烈だ。まだ決め手がないメンバーだけに使うには当然怖さもあるが、松井とカブレラという絶対的な軸が機能しているうちにこの中の何人かを一本立ちさせないと、近い将来のオーダーはかなり危機的。時間的猶予はないものだと思って、今年1年は実戦の中でみっちり試していってほしい。

 伊東が今年41歳で、いい加減神通力に頼るのは厳しくなってきた。厳しいというのはここ数年毎年言われていることだが、“伊東勤”という絶対的な名前が他の若手の出場を拒んできた事実は否めないところ。捕手は使わないと絶対に成長しないポジション。細川の台頭は、早ければ早いほどいいに決まっている。

診断…松井にカブレラという絶対的な軸が健在なうちに、近い将来の青写真を描く準備だけは整えておきたい。キーマンはいる。リスク覚悟で実戦に放り込んで、互いに磨き合わせることが必要。今年それを怠ると、数年後の転落は現実的に見えてくる。



<総合分析>
 投手力が看板なチームだけに、安定感はある。ただ、松井とカブレラが数字を出さないことには厳しいというのも事実だろう。投手陣は黙っていてもある程度数字を残せる陣容、焦点は打線になる。

 個人的には高木大の復活で懸念は解消されるところだが、これだけ低迷が続くと復活は望み薄というのが正直なところ。鈴木や垣内の放出は、フロントが本気で野手陣の若返りに取り組んだ証拠。近い将来の不安を払拭できるような大物台頭を期待したい。



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