DEAD OR BASEBALL!

oz【MAIL

Vol.36 2002年プロ野球12球団戦力診断 広島編
2002年02月01日(金)

 いよいよ今日からキャンプ突入。キャンプインと共にいよいよ戦闘態勢って感じになってきますが、大体のチームは第1クールに強化メニューを持ってきますよね。キャンプというのはあくまでも実戦形式でのプレーを磨く場であって、強化トレーニングは自主トレの段階で済ましておくことだと思います。第1クールからシートバッティングや投内連携の時間をもっと増やしてもいいと思うんですが。

 戦力診断、4回目は西に飛んで広島へいってみましょう。

<投手分析>
先発・・・黒田、高橋、佐々岡、長谷川、横山、河内、鶴田、大竹
右中継ぎ・・・玉木、小林、苫米地、河野、玉山
左中継ぎ・・・菊池原、広池、佐竹
抑え・・・小山田、シュールストロム

 先発陣のスケールで言えば、間違い無くセ・リーグ6球団でトップクラス。本格派の大器が揃い、完投能力も郡を抜いていると言っていいだろう。

 黒田はもう立派な広島のエースに成長した。去年はリーグトップの13完投に加え、3完封に3無四球完投と安定感も出てきて今年もフル回転が望める。高橋も同様に左のエースになった。今までは役割が固定されずその力を生かしきれなかったが、先発固定で能力開花。今季33歳になるが、ピッチングはまだまだ若い。佐々岡は若干衰えが見えつつあるが、まだまだ勝てる力はある。去年後半は抑えに回ったが、やはり先発固定の方が望ましい。長谷川は去年9勝でブレイク。ストレートに速さがありフォークもよくキレる上、腕が若干遅れて出てくるので分かってても打ちにくい。横山は素材は素晴らしいものがあるが、毎年故障に悩まされてきた。1年フル回転出来れば15勝は堅い投手で、そろそろまとまった結果が欲しい。

 谷間は鶴田や山内で埋めるだろうが、期待の左腕・河内を6人目で固定しても面白い。こちらも順調に伸びてきているが、そろそろ結果は求められる。スケール大きい左の本格派だけに、化ければ大きな戦力アップになること必至。大竹は高校卒とは思えないほどにピッチングが完成している。後半戦辺りにヒョッコリ出てきて、3〜4勝ほどさらっていってもおかしくない。

 先発陣の安定感とは逆に、リリーフ陣は不安が多い。計算が立つのは、中継ぎのスペシャリスト・玉木だけ。98年に新人王を争った小林の復調は明るい話題だが、それに加えて1枚でも2枚でもコマが欲しいところ。期待したいのは高校卒3年目の苫米地と高校卒2年目の玉山。2人ともキレのあるストレートとスライダーを軸にグイグイ飛ばしていくタイプで、こういう勢いのある投手は中継ぎで欲しいところ。左の面々は本当はワンポイントでも使えるかアヤしいところだが、他にメンツがいないので仕方無いか。抑えに小山田が固定できれば中継ぎにシュールストロムを持っていけるので、そこには期待したい。小山田も故障が多い選手だが、ストレートとシュートのキレ味は抑えをやる為に持っているようなもの。化ければ相当に面白い。

<野手診断>
1(中)緒方
2(遊)東出
3(右)前田
4(左)金本
5(一)ロペス
6(三)新井
7(二)ディアス
8(捕)西山(石原)
9(投)

控え
捕手・・・木村一
内野手・・・岡上、兵藤、嶋、松本、野村
外野手・・・浅井、町田、木村拓、廣瀬、福地

 敢えて故障の心配な緒方と前田を入れて考えたが、控えに浅井、町田、木村拓、野村といった面々が控えているので、この2人が抜けてもオーダーは充分に組める。層の厚さは、そのままチームの強みだと言っていいだろう。ただ、今年に優勝を争うなら、この2人の活躍は不可欠と見る。

 緒方はフルで使えば結果は残せる選手。盗塁王の常連だった走力にはもう期待薄だろうが、年々完成度が高くなってきた打力は貴重な存在。東出は打撃よりも守備が課題。年々エラーが多くなって、去年は27個。もうちょいエラーは少なくせんと、安泰というワケにはいかんゾ。前田は復活願望も込めてみたが、やはりフル出場は難しい。恐らくここには浅井か町田が入るだろう。しかし、それでも前田の終わりはまだ見たくない。金本は何も心配ない。ケガにも強く、普通にやれば今年も不動の4番だ。

 ロペスは安定感がある。去年もキッチリ3割30本100打点を達成。まだまだ貴重なポイントゲッターだが、来季38歳の年齢がちょっと不安要素になってきたか。新井のパワフルバッティングはまだまだ伸びる。三振やエラーも少なくないだろうが、思いっきりプレーさせれば恐ろしい選手。今年は30本塁打だって狙える。ディアスは去年が出来すぎ。オフの契約問題でも球団と揉め、モチベーション低下が心配。去年と同様の数字を期待するのは無理でしょう。しかし、守備は本当に巧い。グラブ捌きが柔らかくて位置取りもソツがない。捕手は西山、石原、木村一が横一線。実績なら当然西山だが、去年の盗塁阻止率が.238と衰えは隠せない。リードなら西山、肩なら木村一、将来性なら石原といったところか。

 他にも、キャプテン野村、打撃センスある嶋、実績を積んできた木村拓、超鉄砲肩の廣瀬など、バラエティー豊富なメンバーが控えている。平均年齢が高いのはネックだが、今年に限って見れば野手の層は心配無い。

<総合診断>
 緒方と前田が額面通りの数字を出せれば優勝候補筆頭。投手陣は脆さと強さが同居する陣容だが、ハマった時の勢いは他の追随を許さないメンバーが揃っている。あとは毎年悩まされる主力のケガが出ないことを祈るばかり。

 緒方と前田がリタイヤするようなら、正直この戦力が一気に瓦解する恐れがある。しかし若手投手陣に楽しみな素材も多い為、山本監督が腹をくくって方針を変えれば、来年は不動の本命になっている可能性が非常に高い。全ては緒方と前田の体調次第だが、来年を睨んだ方が現実的な見方のような気もする。



BACK   NEXT
目次ページ