月の輪通信 日々の想い
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2007年10月22日(月) ドライブ

父さん、取材のため比叡山へ。
この間、外国からのお客様に渡すお土産用の花器の注文があって、その宿泊先である比叡山の風景を作品に入れてほしいとのこと。
何でも実際に自分の目で見て、取材してからでないと制作に取り掛かれない父さん。工房仕事の合間を縫って写真を撮りに出かけるという。
夏からずっと工房仕事に追われていて、あまり夫婦で遊びに行くこともなかったので、ドライブをかねてわたしも便乗。
助手席でナビを務める。

ナビゲーターといっても、私はからきし地図が読めないので、ロードマップの所定ページをしっかり開いて持ってて、信号待ちのたびに父さんに渡して、信号が変わると「変わったよ!」とアクセルを促す。
あとは、お茶のペットボトルの蓋を開けたり、料金所で小銭を探したり。
まったく半人前のナビゲーターだ。

途中父さんは何度も車を止め、山の遠景を写真にとったり、さらさらとデッサンしたり。
私は後ろにくっついて、荷物を持ったり、カメラ渡したり、水彩用の水を確保してきたり。
取材モードに入ると父さんはカメラ片手に遠くの山のほうしか見ないもんだから、「危ないよ、自転車来るよ」とか、「カメラのキャップ、ちゃんとポケットに入れといてね」とか、くだらないことに世話を焼く。
あとはぼーっと、スケッチする父さんの背中を見てるだけ。
取材旅行のお供はいつもこんな感じ。

比叡山の山頂のミュージアムガーデンでたくさんの花を見て、お土産にローズティーとチョコレートを買って、展望台の下にあるカフェでランチ。テラスの日差しが気持ちよかったので、父さんはそこでもしばらくスケッチ。

私は、自分では絵は描けないのだけれど、人が絵を描いてるのを横で見てるのは大好き。
父さんは小さなスケッチブックに筆ペンで遠い山並や樹木の輪郭を写し取り、携帯用の固形絵具でさっと色付けをする。
多分父さんには、もう、その風景をどんな風に作品に取り込むか、具体的なアイデアが出来上がっているのだろう。
私はこれから、このスケッチが作品に仕上がっていく過程をずっとそばで見ていくことができる。
これもまた楽しい。。

帰りに、いつも立ち寄る材料屋で定番の釉薬を何種類か買い足す。
山並の青や木々の緑を描くための青や黄色。これを何種類もあわせて調合するのは、帰ってからの私の仕事。

もう一件寄り道。
道路沿いの小さなお肉屋さんで揚げたてのコロッケお買い上げ。
このお店は、父さんが高校生の頃、放課後よく立ち寄ってコロッケを買って食べたという思い出の店。
父さんの懐かしの味をハフハフ食べながら、うちへ帰った。

穏やかな、楽しい一日。 

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