月の輪通信 日々の想い
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2007年05月16日(水) ただいま試験中

中学生、中間試験中。
中3になって、一応受験生モードのアユコ。
夜遅くまで起きて机に向かい、なにやらごそごそやっているらしい。朝の寝起きが悪いこと、悪いこと。
「夜型なんて駄目だよ。要領よく切り上げて、ちゃんと寝なきゃ」とか、「ラジオ聴きながら、CD聴きながらのながら勉強はやめて。集中してやんなさい」とか、学生の頃自分が散々聞かされたお説教はとりあえずなしの方針。
自分の思うようにやって、自分で悟りなさい、夜鍋一夜漬けのムダ。

中学に入って、はじめての定期試験に何となく浮かれモードのゲン。
試験前に渡された一週間分の「試験前学習計画表」の冒頭には、「一日の学習時間目標1日最低2時間。」と華々しく自己目標を掲げた。
で、その次の行の「期間中の合計学習時間」の自己目標は「7時間」
???
一日最低2時間学習する人が、一週間で合計7時間?
う〜ん、すでに掛け算、間違ってません?

定期試験一週間前になるとクラブ活動はいっせいにお休みになる。
久々に小学生並みの早い時間に帰って来て、たっぷり時間があるのがうれしてたまらない。いつも部活で遊べない近所の同級生たちも、結構ふらふら遊んでたりする。

山は緑。水遊びにもちょうどいい日より続き。半袖、ショートパンツの軽装はいつもの山遊びスタイルだ。
野生児ゲンの魂はうずく。
大発生の青虫毛虫を狙って、勢いづく野鳥たちの声。
小川はさらさらと歌うように流れ、蛙の声も聞こえてくる。
柔らかな腐葉土の中では、夏の友達である甲虫達の幼虫がごそごそうごめき始めている頃だろうか。
こんな素敵なお天気の日には、春に生まれた小魚の卵から透き通るような稚魚が川の浅瀬で泳ぎ始めるのが見えるかもしれない。
ああ、川がぼくを呼んでいる。

昼間、私が自宅に戻ったとき、玄関にはとっくのまえに帰ってきているはずのゲンの靴がなかった。
「あらら、試験前なのに帰りが遅くなっちゃったのかしら」と気にも留めず、アプコと習字に出かけた。
帰ってきた私にさっそくアユコが密告。
「おかあさん、ゲンさぁ、試験中なのに川へ魚取りに行ったみたいだよ。」
ぬぁにぃー!
ゲンに問いただすと、「べつにー。いってないよー」とあいまいな返事。
「行ってないって言ってるよ」とアユコに言ったら、
「だって、ゲンのメダカの水槽に今までのと違う小さい魚が増えてるよ。」
と重ねて指摘。

「ねぇねぇ、魚、増えたんだって?どれ、どれ?」
再びゲンの部屋に戻って訊いてみたら、
「ほら、この底の方にいる小さいの。それからこっちにも・・・。」
と、得意げに水槽を指差すゲン。
「で、その魚、いつ増えたの?」
「・・・う〜ん、・・・今日」
あっけなく自白。
ゲンって単純。
「試験中に魚取りに行くような呑気な子は、はじめてお目にかかったよ。」
とかる〜くお説教。

まあいいか。
まだはじめての定期テストだもの。
まだまだ、川の流れの呼ぶ声に、そわそわ誘われていってしまう野生児のゲンのほうが面白い。
そのうち何度か痛い思いをすれば、「そうだ、試験勉強しなくっちゃ!」と目覚める時期も来るだろう。
ああ、いつの日になるのやら。




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