月の輪通信 日々の想い
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2007年03月27日(火) |
2000円晩御飯再び |
一日の工房仕事を終えて、あたふたと自宅へ帰る。 ああ、晩御飯何にしよ? 今日も買い物に行けなかった。冷凍庫になんか、ささっと作れるものはないかな。 そんなことを考えながら、居間の戸を開けたら、子どもたちが仲良くコタツでゴロゴロしてる。テーブルの上には、子どもたちが適当に見繕って食べたおやつやスナックの残骸。お昼の洗い物もまだ流し台に残っていたりする。 「おかあさん、おかえり〜」 「今日は晩御飯、なに〜?」 ゴロゴロ寝そべったまま、屈託のない笑顔で訊く子どもらに、カチ〜ンと来た。 「一日ゴロゴロしてたヤツが、グダグダ言うな!さっさと起きて片付けろ!洗濯物は取り込んだの?お風呂洗いは? お昼の片付け、頼んでいかなかったっけ? 春休みだからって、勉強もしないで一日ゴロゴロしてるばかりで、それでいいの!」 落雷、一発。
子どもらが一日、ただグダグダと怠惰な時間を過ごしていたのではないこともよく知っている。 朝、洗濯機3杯分の洗濯物を干してくれるのはアユコだし、お風呂洗いやお布団干しの仕事はアプコやゲンがいつもどおりやってくれてる。部活で毎日出かけていくオニイも、時間が空けば工房の仕事を手伝ったり、弟妹たちの日常をしっかりサポートしてくれている。 春休みというのに、お出かけの一つもせず「忙しい、忙しい。」と工房にこもる父母に文句を言うわけでもなく、疲れて帰った父さんに仮眠用の枕をさっと用意してくれる。 私が一日たっぷり工房仕事に専念できるのも、春休みで家に居る子どもたちがあれこれ家事の一部を分担してくれているおかげだ。 判ってはいるのだけれど、そこそこ何でもできるようになってきた「家庭内労働力」をぐうたら遊ばせておくのも癪に障る。 と、言うことで、「2000円晩御飯」の提案。
子どもたちが小学生の頃、よくやった休日の遊び方。 子どもたちに2000円渡して、その範囲内で家族6人分の夕食を作ってもらう。もちろんメニューを決めるのも買い物に行くのも子どもたち。2000円以内ならお惣菜を買うのもデザートを買うのもOK。 大人は一切手を貸さない、口も出さない。 今は上の子達は大きくなったので、一人一回、一食全部を一人で作ること。 ・・・・これで母は3日間、夕食作りから開放され、子どもたちには絶好の「暇つぶし」ネタを提供するという一石二鳥。
「オムライスが食べたいな。」 と、いち早く、自分が食べたいものを選んだのはアユコ。 大量のチキンライスを一度に作るのは予想以上に難題だったようで、少々薄味。けれども、薄焼き卵でチキンライスをふんわり包む手順はなかなか上手になっていて、アプコに助手を頼んでつぎつぎに手早く仕上げていく。 見た目も上出来。 材料もほとんど冷蔵庫にあるもので調達したので、費用も格安で済んだ。
「僕、シチュー!」 と最初に得意メニューをキープしたのはゲン。 買い物にも自分で行って、 「こっちのほうが安かったから」と、お買い得見切り品3玉100円のキャベツをぶら下げて帰ってきた。 大振りに切った野菜がゴロゴロ入ったクリームシチューはなかなかの出来。 ご飯の炊き方もしっかり覚えたらしい。
「何を作るかは内緒」と 最後までメニューを明かさなかったオニイ。 結局選んだのは、我が家では最近ほとんど作ったことのない「皿うどん」 子どもたちが小さい頃には、何となく子どもに不評なメニューだったのに、「それほど嫌いなわけじゃないんだけどな。」とのこと。 「キクラゲと鶉卵は必須条件。ヤングコーンが見つからなかったのは残念」とこだわりのお買い物。 野菜たっぷりの皿うどん。 上等上等。
手近に居るアプコをしっかり助手につけて要領よく仕事を進めるアユコ。 お買い得見切り品を目ざとく物色してくるゲン。 調理中に誰かが口出しすると、たちまちご機嫌が悪くなる傾向にあるらしいオニイ。 それぞれの癖や傾向がうかがわれて、なかなかに面白い晩御飯作りだった。
BBS
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