月の輪通信 日々の想い
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2006年12月01日(金) イケメン先生

昨日今日と地元の小学校で5年生の陶芸教室。
36人2クラスの子どもたちと一緒に抹茶茶碗を作る。
1日目、陶芸の歴史や焼き物の種類について簡単なレクチャーと水引きロクロの実演の後、抹茶茶碗の成形。
2日目は、一日置いて少し硬く乾燥したお茶碗に高台つけ。
出来た作品は来年1月までじっくり乾燥をかけて、学校のすぐ近くのレクレーション施設で素焼き、釉薬がけ、本焼きを行う。

今年の5年生2クラスの担任は、ベテランの元気な女の先生と今年先生になりたての若い男の先生。
実はこの新人先生、赴任のご挨拶のときに「すごくかっこいい先生が来たよ!」とアプコがうれしそうに教えてくれたイケメン先生。サッカーがお上手だそうで子どもたちにもとっても人気のある先生らしい。学生のような若くて元気のいい先生なので、子どもたちにはお兄さんのように慕われているのだろう。
父さんがデモンストレーションとして水引きロクロの実演をやって見せたときにも、イケメン先生は子どもたちに混じって歓声を上げたりほほうと頷いたりして、子どもたち以上に身を乗り出して楽しんで下さっているようだった。こういう子どもたちと近い目線で授業を楽しむことのできる若い教師というのもなかなかいいものだなぁと思う。

昨日の成形では作業時間が押してしまって、イケメン先生のクラスの授業が給食の時間に食い込んでしまった。
まだ、仕上げ作業に熱中している子もいる中で、早く仕上げた子達は自分の席の道具や残り土をざっと片付けて、三々五々教室へ帰っていった。先に帰って、教室で給食の準備を始めておくつもりなのだろう。
ちょうど片付けの手伝いに来てくださったベテラン先生が、その様子を見て、「終わりのご挨拶もなしで子どもたちを帰してしまったのね。」というようなことをイケメン先生にささやいていたようだった。
「あ、予定外の授業延長のせいで、イケメン先生、叱られたな。」とちょっと気の毒になった。

で、今日の高台付けの作業も、マラソン大会の後の時間に無理やりねじ込んで作った短時間の授業だったので、昨日と同様、イケメン先生のクラスの授業が給食時間に食い込んだ。
「作品を前に出した人から帰ってもいいよ。」
と昨日と同じような指示を出した。
仕上がりの遅れた子の手直しをしたり、子どもたちの使った道具類を片付けたりしていると、片づけを終えて子どもたちが2人、3人と私や父さんのそばへやってきて、作業の手を止めさせないように気遣いながら「ありがとうございました」と頭を下げて、教室へ戻っていく。
そして最後まで後片付けに追われるイケメン先生の周りには、数人の男の子たちが残って、机を拭いたり道具を運んだりして、てきぱきと片づけを手伝って行ってくれた。

みんな揃って「ありがとうございました」の挨拶は出来なかったけれど、一人一人がさりげなく頭を下げて挨拶をして帰る。
きっとイケメン先生は、昨日ベテラン先生から指摘されたことをうけて、すぐに彼なりの言葉で子どもたちに帰りの挨拶のことを子どもたちに指導なさったのだろう。
子どもたちと同じ目線で、一緒に驚き、一緒に楽しむ。
失敗して学んだことは、すぐに次の子どもたちへの指導に生かす。
子どもたちとともに学んで成長していく、新米先生ならではの爽やかさだなぁと思う。

出来上がった作品は一ヶ月かけて自然乾燥させ、来月、近所のレクレーション施設の陶芸窯で素焼き、釉薬掛け、本焼きを行う。
いい作品になりますように。


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