月の輪通信 日々の想い
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2006年10月23日(月) 疑惑

久々に雨。
秋の雨もいいなぁ。
気温もぐっと下がって、そろそろ紅葉が進む。
昨日、アプコとたくさんどんぐりを拾った。一番大きなどんぐりの取れる秘密のクヌギの木は今年はどんぐりお休みの年らしい。けれども代わりに工房の近くでクヌギに似た小ぶりのかわいい実をつける木を見つけた。
何をするでもないのに、アプコはまたポケットいっぱいにどんぐりを詰め込む。
冬支度をするリスのようだ。

スーパーで買い物中、ゲンの友達○くんの母に会った。
○君母は「ゲンちゃん、この間大変だったそうね」と話しかけてきた。
「何の事?」と聞いたら、いいにくそうに「ゲンちゃん、友達にパンツを下ろされかけてたって・・・」という。
いじめか?
実はゲンは今の担任の先生に変わる前、それに近い経験をしているし、○君もどちらかというと「いじめられっこ」の範疇にいる子どもだ。さてはまた再燃かと思ったけれど、考えてみればこのところのゲンは絶好調。毎日ニコニコして元気だし、ちょっとハイテンション過ぎてうるさいくらい。
オニイと違って、いやなことがあればすぐに顔に出る子だから、何かあったらすぐわかるはずだがなぁといぶかしく思いつつゲンの帰りを待った。

案の定、「へ?何のこと?」ときょとんとするゲン。
全然思い当たるふしがないらしい。
「う〜ん、なんかふざけっこしたりぐらいはあったかもしれないけど、べつにいやな思いをしたってこともないし、あったとしても忘れてるぐらいだから平気だったってことじゃないの?」
という他人事のようなお答え。
「それならいいんだけどね。」
といいつつ、しつこくゲンを問いただす。
「なんで、○くんはそんなこといったんだろうね。周りから見て、そんな風に見えるかもしれないなぁと思えるようなことはなかった?」
「ウン、ないと思うけど」

「じゃぁ、君じゃなくて、○君がいやな事されたりとか、そういうことってなかった?」
友達に起こった事のようにして、自分の窮状を母親に訴えることだってあるかもしれないと、さらに問いただす。
「う〜ん、僕にはよくわかんないけど、ないと思うよ。」
考えすぎか。
でもそういう話題が出るということは、多分どこかで「誰かが誰かのパンツをずらそうとする」という事象が起きていたということは間違いないのじゃないかしら。
さらにしつこく問いただす。

「あ、そうだ」
ゲンがさも今思いついたかのように、恥ずかしそうに告白する。
「実はな、修学旅行の夜な、すっごい盛り上がっちゃってな、調子に乗ってな、野球拳やってな、・・・・最後までいっちゃった。」
さ、最後までですかぁ?
何をやっとるんだ、馬鹿者!

はぁ、調子に乗っておバカやるのもいい加減にしなさいよ。
でも、多分○君が訴えたのは、そのことじゃないと思うよ。そんなくだらない馬鹿騒ぎのこと、だれが心配するもんですか。
あ〜ほらし。
○君母の話を発端に、内緒の馬鹿話を告白する羽目になったゲン。照れくさそうに笑ってる。
そんなくだらないことで盛り上がってるくらいなら、たぶんゲンは大丈夫なんだろう。
その馬鹿馬鹿しさがおかしくて、「いじめ疑惑」追及はそこで立ち消え。
あとからあとから、思い出し笑いが沸いてきて困った。

あとで
「本当にそんなことがあったら、すぐに母さんか先生に教えてよ。
君じゃなくて他の子(特に○君)のことでもね。」
と念を押しておいた。
あったら困る事だけど、知らなかったらもっとこまることだしね。


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