月の輪通信 日々の想い
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2006年10月18日(水) 嘘つき2

10月19日分の続きです。

Kちゃん母から聞いたアプコとゲンの様子を父さんに話して「ゲン、参っただろうね。」と二人で笑う。
「宿題をズルするなんて誰でも一度は通る道だけどね。アタシも思い当たる節あるわ、小学生の頃。」
やはり苦手の計算ドリル。毎日1ページの宿題を溜め込んで、涙なみだで答えを書き写した苦い記憶がよみがえる。今から考えると、小学生の浅知恵。先生や親にばれなかった筈はないのだけれど、激しく叱られた記憶も残っていないので、よほどうまくやったか、あっさり忘れて反省の機会とはならなかったということだろうか。

「父さんは?アプコみたいなズル、やったことある?小さいとき・・・」
と聞いてみたけれど、父さんはそういうズルはやったことがないように思うという。
ふ〜ん、そうだろうなぁ。アタシと違って、この人はまっすぐ真面目ないい人だもんなぁ。
「一度だけ、テストの時に隣の答案が見えちゃって、カンニングしそうになったことがあったけど、あれもおんなじかなぁ?」
「で、その見えちゃった答えを、答案に書いたの?」
「いやぁ、忘れちゃった。
書いたかもしれないし書かなかったかも・・・。」
多分幼い日の父さんは、隣の子の解答を自分の答案に書き写すことはしなかったのだろう。もし、ズルをしていたのなら、きっとその記憶が薄れて「どうだったかなぁ」と思うことはないだろう。
父さんはそういう人だ。
「でも、小さい頃にはだれでも一度や二度は経験することだろうと思うよ。アプコは、よほど計算プリントに追い詰められてたんだね。」
わんわん泣きながらゲンのあとを追っていったアプコの小さい足音がいとおしくなった。


午後、いつものように迎えに行くと、ニコニコ笑って駆け寄ってくるいつものアプコに戻っていた。
「あのね、今日はやり直しプリント、もらわなかったよ。
間違い、二つしかなかったの!」
計算プリント、一発合格は久しぶり。
満点ではないけれど、落ち着いてやればちゃんとできるんじゃん。
「で、朝のプリント、どうしたの?やり直し、した?」
「・・・」
アプコ、舌を出して笑ってる。
「あ〜っ、ズルのまんま、出しちゃったの?」
ウン!っと笑うアプコ。
ちっとも反省してないじゃん。
ま、いいか。


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