月の輪通信 日々の想い
目次|過去|未来
父さん。個展初日。 先日の5人展からあまり日があいていないので、さすがに少々グロッキー気味。 頑張れ父さん。もう一頑張り。 しっかりテンション挙げていこうぜ。
午後、アプコを迎えに行く途中、工房の前で私の目の前を何かの虫がぶ〜んと飛んで道端の木に止まった。よく見ると小型のクワガタムシの雄だった。ゲンが喜ぶだろうなと思ったけど急いでたのでそのまま通り過ごした。 途中ゲンにあって、「クワガタいたよー」と言うと、ゲンは家まで走って帰って探しに行ったらしい。 アプコを迎えて帰ってくると、ゲンがオニイの自転車に乗ってやってきて「どの木ー?どこにいたのぉ?」と訊く。一緒に見に行ったけどもうクワガタはいなかった。
3人で家に帰るとオニイがプンプン怒っていた。どうやらゲンはオニイの自転車を勝手に拝借してきていたようだ。 オニイの自転車は今日ちょうどブレーキワイヤが切れていて、修理に行こうと思って外に出たら自転車がなくてビックリしたらしい。 「クワガタが気になってとっても急いでいたから」と言い訳していたけれど、珍しくオニイはとても腹を立てていて、ゲンをきつく叱った。 ゲンはクワガタを取り逃がしたのと思いがけずオニイにきつく叱られたのとで悔しくて、プンプンしていた。
オニイが自転車やへ行っている間に、ゲンに何故オニイがあれほど怒っていたのか、あれこれ話をする。 玄関先に止めた自分の自転車が消えていたらビックリするし、たまたま今日はブレーキワイヤが切れていた。知らずに乗ったゲンが怪我でもしたらと心配もしただろう。 いろいろ話して、ゲンもようやくオニイの激しい怒りを納得して、オニイが帰ったら改めて謝ると言った。
帰ってきたオニイはすっかり怒りも醒めていて、ゲンのごめんなさいを聞くと「ん、じゃ、この話はもう終わり」と話を切り上げた。 あとからゲンがやってきて、「お兄ちゃんって、ぐずぐず尾を引かないでさっと話題が変えられるところがすごいよな。さすが高校生、大人じゃんって感じ。」と感心して言う。
そうそう、それがオニイのいいところ。 偏屈そうに見えて、あれで結構弟妹たちには優しいんだよ。 でもね、怒られた訳を理解できたら「ちゃんと謝ろう」といえるゲン、アンタもえらい。 お兄ちゃんのことを「大人じゃん」って素直に思えることもね。 ああ、ほんとに賢い兄弟。 母さんはうれしいよ。
|