月の輪通信 日々の想い
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2006年07月05日(水) 内緒のお出かけ

朝、大雨だったので、「今日は長靴はいたら?」と勧めた。
「今日はきっと一日中雨よ。」と渋るゲンにも長靴を履かせた。
アユコも自転車をやめて歩いて登校していった。
オニイも自転車の前カゴのカバンをしっかりナイロン袋で武装していった。
・・・と思ったら、このお天気。
からっと晴れたり、曇ったり。
しょぼしょぼ降ったり、また晴れたり。
わずかな晴れ間でも洗濯は干したいところだけれど、がっぽがっぽと長靴を鳴らして出かけていったゲンに申し訳ないので、今日は部屋干し。

父さんの個展。
昨日、搬入完了。明日、初日。
ぽっかり空いた今日は久々の休日?
「今日はなにして遊ぶのぉ?」と訊いたら
「ちょっと出かけてくるかも。調べたいこともあるし、大きい本屋へも行きたいし。」というお答え。
あ、そうと聞き流していたら、お昼過ぎ、ほんとに父さんはふらっと出かけていった。いつもなら「駅まで車で送って」とか言うのに、今日は黙って一人で徒歩で。
なんか変だなぁと思ってた。

夕方、帰ってきた父さんを車でお迎え。
「実はね、映画観てきた。ダヴィンチコード・・・。」
前からぜひ見たかったんだとか、明日から個展が始まるとまた時間が取れないからとか、ビデオ化されるまで待てないんだとか、父さんの言い訳が続く。
いいじゃん、映画くらい。休みの日に一人で観にいったからってそんなにあれこれ弁解しなくたって。

決まった休日というものがない職業。
皆が眠っている時間にもこつこつ夜なべ仕事が続いたり、世間が忙しく働いている平日の昼間にぽっかりと窯待ちの休みができたり。
やってる仕事の内容も、見ようによっちゃぁ、日がな一日好きなことを気楽にやってるようにいわれちゃうこともある。
ホントは働きアリみたいに歯を食いしばって仕事をしていることもあるのにね。
だからたまの休みに映画を楽しむくらいくらい、誰にも気兼ねせずに堂々といけばいいのに。

家族とか、窯とか、仕事とか、地域や社会のしがらみとか。
今の父さんには、自由な気晴らしを縛るものがたくさんあるんだろうなぁ。
「好きにしていいよ」
「たまには遊んでこなくちゃ、いいものが作れないよ。」といいながら、父さんの両肩にずっしりしがみついているに違いない私や子どもたち。
多分、私たち家族が父さんにとって一番重い首枷だろう。
すまないねぇ。
夫を自由に泳がせて、悠然と家庭を守る内助の功にはまだまだ程遠い。
妻にはちょっと苦い。
夫の内緒のお出かけ。


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