月の輪通信 日々の想い
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毎年、恒例のバーベキュー大会。 近所のリクレーション施設のロッジを一棟借りて、子どもたちの友達やその家族が集まっての大宴会。 今年は高校生のオニイは剣道の試合があって戦線離脱したけれど、アユコの友達やゲン、アプコの友達家族が集まってくれて総勢26名。 にぎやかな夜を過ごした。
ここ数年、宝塚から家族総出で参加してくれているHさんは、私の養護学校勤務時代の同僚だった人。私と同い年で担当学年もずっと一緒。私が結婚退職した後も、子作りのペースまで似通っていて、我が家の上の3人とH家の子どもたちの学年もぴったり重なっていたりする。 毎年、子どもたちの塾やスポーツクラブの日程をやりくりして、遠路はるばるやってきてくれる。頼もしいお母さんだ。 ロッジにHさん家族が到着したら、毎年の恒例でHさんとともにトッポで近所のスーパーへ飲み物の買出し。その車中で一年ぶりのおしゃべりに興じて楽しかった。
実を言うと、Hさんの家族、旦那さんはもう十数年も単身赴任を続けておられる。Hさん自身は結婚出産後も教職を続けているので、フルタイムの仕事のほかに家事や子どもたちの世話や塾やスポーツクラブの送り迎えなどを一人でエネルギッシュにこなしている。 オニイと同い年の長女のMちゃんが小さい頃からお父さんはいつも仕事先。長期休暇の時くらいにしかお父さんに会えない生活が続いている。 「万年母子家庭みたいなもんよ。」とさらりと笑うHさん。すごいなぁといつも思う。
かたや限りなく職住一致に近い生活を続けている私。 朝から晩まで父さんとはしょっちゅう顔をあわせ、お昼ごはんはいつも一緒。仕事の話も子どもたちの話もご近所の愚痴も、昨夜見たドラマの話もスーパーの特売の話も美術や工芸のことも、一番話をするのは夫である父さん。 夫婦でありながら、茶飲み友達、仕事上の師弟、人生の先輩後輩すべてをかねる父さんの存在はまさにわが半身。数日どちらかが留守にすると、たちまち空回りしてしまったりする。
Hさんに言わせれば「毎日顔をあわせてて、よく飽きないわねぇ」 私に言わせれば「それだけ離れて暮らしてて、よく寂しくないわねぇ。」 お互いの両極端の夫婦生活のあり方に、ともに呆れ、ともに感嘆する。 「旦那が単身赴任してくれてるおかげで私も仕事も続けられているんだしね、ありがたいとも思ってんのよ」 いつも口の悪いHさんが、はにかみながら旦那様への感謝をもらす。 夫婦の絆って言うヤツは、一緒にいる時間の長さだけじゃないんだなぁとしみじみ感じた。
「ごめんなぁ、今年は宿泊無しや」 毎年バーベキューの後はロッジで宿泊していくHさん家族は、今年は夜中にHさん運転のワゴン車で帰っていった。次の朝早くの飛行機でご主人が赴任先に帰ることになっていると言う。 大事な長期休暇最後の夜に、よくぞ遊びに来てくださった。 ありがとうHさん。 また、来年ね。
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