月の輪通信 日々の想い
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2006年05月04日(木) |
賢い彼女とおばかな彼女 |
連休の真ん中、今日はおうちモードの日。 オニイは剣道部の練習試合。一年生だけど上級生のメンバーに欠員が出たので出場させてもらえるかもしれないという。重たい防具袋を提げて意気揚々と出かけていった。 ゲンも剣道の朝稽古。連休中は稽古に来る人数も半減するのだけれど、こちらも数日後に試合を控えている。先月末の対外試合で惨敗して「このごろ何だか不調〜」と冴えないゲンだが、気合を入れなおして稽古にのぞむ。 頑張れ。
男の子たちが出て行って静かになったところでアユコが女の子部屋の衣替えを始めた。アユコとアプコ、二人分の冬服を片付け、夏服を引っ張り出して引き出しにしまう。実は私はこの作業が大の苦手。女の子たちの衣装は頂き物のお下がりも含めて数も多いし、作業をしているうちに埃のアレルギーが出てくしゃみの連発になるのは毎年の恒例。ここ数年、ようやくアユコが自分たちの部屋の分の衣替えは自分たちでやってくれるようになって本当に助かる。
ただ、困ったことが一つ。 アユコはたいがい、片付け物や大掃除を始めると、どんどんご機嫌が悪くなる。 「それ、そんな所へ入れたら駄目でしょ!」 「遊んでばかりいないでさっさと自分の分を片付けて!」 「そんなものいつまでもとっておくから片付かないのよ!」 と他の兄弟たちのやり方にダメだししたり、叱ったり。その口調は誰かさんそっくり。結構厳しいことも言っているが、理屈は通っているので誰も反論したり逆らったりすることも出来ない。「わ、ヤバイ。アユコがお片付けモードに入ったぞ。」とばかり首をすくめて、従うふりをしながら隙を見つけてこそこそと逃げ出してくる。 今日のターゲットは当然アプコ。久々に出てきた夏服をうれしそうに胸に当ててファッションショーを始めるアプコに、アユねぇの厳しい檄が飛ぶ。男の子たちのように要領よく抜け出すすべを知らないアプコはアユねぇの叱責を一心に受けて半泣きになる。
「アユコの言うことはいちいち理屈が通ってるから、逆らえんのだよなぁ。」 昼過ぎ、試合から帰ったオニイが女の子たちの攻防を遠巻きに眺めて苦笑する。触らぬ神にたたり無しというやつだ。 「ほんとにねぇ、アユコのお片づけモードはちょっと厳しすぎるね。誰に似たのか知らないけれど。」と他人事のように笑うグウタラ母。 「あはは、我が家の女たちはみんなね・・・」 お、オニイ、わかってるね。そうそう、アタシよアタシ。アユコのいらいらモードは母そっくり。
「ねぇ、オニイ、彼女にするならアユコみたいな理屈のたつ女の子じゃなくて、ちょっとボーっとしてるくらいの女の子を選びなさいね。」 といったら、オニイ、ふんふんと鼻で笑って、でもあんまり同意はしてない様子。 「あれれ、君はしっかり者の賢い系彼女とぼーっとついてきてくれるタイプの彼女、どっちが好き?」 と聞きなおすと 「賢い女」とオニイ、即答。 へぇーそうだったんだ。そういえば、オニイが小さい頃から「ちょっといいな」と思っていたらしい歴代の女の子たちはどの子もかなりしっかり者系。異性に対する好みって意外と幼い頃から作られているものなのかもしれないなぁ。
そこへ「なに、なに?」と首を突っ込んできたゲンに聞いてみる。 「ゲンは自分より賢い彼女とちょっとおばかなくらいの彼女、どっちが好み?」 「えーっ?そりゃ、おばかな彼女。」 これも即答。 何で?と聞いてみたら、 「だって、気楽でええやん、その方がくつろげるって言うか・・・。」 はぁ、そうですか。 ゲンらしいお答えです。
そこへ帰ってきた父さんに「賢い彼女とおばかな彼女、どっちが好き?」と聞くのはやめておこう。 女の子部屋の片付けもようやくひと段落。アユコのいらいら解消にちょっとティータイム。 「かあさん、プリンでもどう?」 タイミングよくブレイクを入れて甘いものを勧めるオニイの要領のよさは父さん譲り。いい男に育ってくれよ。
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