月の輪通信 日々の想い
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朝から晴れ晴れとした春らしい青空。 小中学校は今日が終了式。 昼前には、アプコとゲンと自転車を押したアユコが一緒に「ただいま」と帰ってきた。一年間一緒に過ごしたクラスメートや担任の先生と一応の「さよなら」をして、宿題のない春休みに突入する開放感にどの子もちょっとハイテンション。玄関のところでキャアキャア賑やかにおしゃべりする声が台所にいる私にも早くから聞こえていた。
「お母さん、はい。成績表」 一番に成績表を見せてくれたのはアプコ。1,2学期にはあった「おまけつきの○」がなくなって、3学期の欄には文句なしの「よく出来ました」の○が続く。「字がきれいになりました」の講評がうれしい。 「僕のも見るのぉー?」 ともったいぶって見せてくれるゲン。 ふむふむ。ありゃ、結構上がってるじゃん。 「あたしは一番最後。」 とニヤニヤ笑っていたアユコ。前回の懇談で成績の低下を指摘され、学年末試験の時には遅くまで頑張って勉強していたようだけれど、その甲斐あってか、どの教科もかなり成績が上がってる。 みんな凄いねぇ。 3学期はずいぶん頑張っていたんだね。
我が家の3学期は、オニイの受験と父さんの展覧会で振り回された3ヶ月だった。夜遅くまで勉強してるオニイや釉薬だらけになって働く父さんの後姿とオロオロしながらそれを見守る母。 右往左往する親たちやオニイの姿を横目に見ながら、どの子も彼らなりの思うところがあったのだろう。 2年後の自分の高校受験に意識を改めるアユコ。 将来の職業について、オニイを通してイメージを膨らませるゲン。 「お母さん、花丸もらった。みてみて!」と母の注目を引き寄せようとアピールするアプコ。 オニイの受験の微妙な相乗効果が、下の兄弟たちの頑張りに現れているのかもしれない。これだから四人兄弟っていうのは面白い。
昼過ぎ、慌てて出かけていく父さんを駅まで送る。 降り際に、 「子どもら、みんな頑張ってんのにな。頑張らなあかんな、ぼくも・・・」 と父さんの一言。 またなんだか、考え込んでいることがあるらしい。 父さんは今でも十分に頑張っていると思うけどね。
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