月の輪通信 日々の想い
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2006年03月03日(金) 薄焼き卵

桃の節句。
義母に大きい半桶を借りて、散らし寿司を作る。
朝、NHKの料理番組でも薄焼き卵ですし飯を包んだ春らしい袱紗寿司の作り方を放送していた。アシスタントのアナウンサーが薄焼き卵をうまく作るコツをたずねたら、講師はにこやかに答えた。
「薄焼き卵っていうのはね、不思議なものでイライラしたりせかせかした気持ちで作るとその気持ちが伝わってしまうみたいなんですよ。だから、ゆっくり丁寧に、のんびりした気持ちで作るのが何よりです。」
なるほど、実感だなぁ。
としたら、今日の卵はうまく焼けそうにないなぁと思っていたら、果たしてそのとおり。厚くなったり薄くなったり、千切れたりしわくちゃになったり。
いいの、いいの。
刻んでしまえばそれでもいいの。

午後からまたみぞれ混じりの冷たい雨。
オニイは学校の帰りに残り二つの学校の下見に出かけているはずだ。
朝の好天にだまされてオニイはまたしても傘を持たずに出かけた。知らない町をまた一人で雨にぬれながら歩いているのかなと思うと、心が痛む。
こうしてもがいたりうめいたりしながら、子どもは母の手元から飛び立つ準備をしていくのだろう。
もどかしいけれど、親が代わりにもがいてやることは出来ない。
いつもどおりの顔をして、いつもどおりの夕食を用意して子どもらの帰りを待つ。
出来るのはそれだけ。


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