月の輪通信 日々の想い
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2006年01月21日(土) |
風邪引きと兄弟げんか |
昨日、下校のときに「お母さん、息をしたら喉と胸が痛い」と半べそをかいていたアプコは思ったとおり、夕方から発熱した。 「アプコ、大丈夫?」と心配しながら剣道の夜稽古にでたゲンも、帰りにアプコのお見舞いに買ったアイスを「なんか気持ち悪いから、明日食べるわ」と早々に寝てしまった。 今朝、半日遅れでゲンも発熱。 そういえば、ゲンのクラスでもぼちぼちインフルエンザが出始めたと話していたばかり。ついに来たか。 「自力でウイルスと戦え!」と予防接種を誰も受けていない我が家。 せめて受験生のオニイにだけはうつってくれるな。 難儀やなぁ。
幸いアプコの熱は夕方にはほぼ下がって、「ああ、おなかすいた」とご機嫌よく晩御飯。好物の餃子とレトルトふかひれスープをおかわりしてようやく食欲も戻ってきたらしい。 「ところで、今日はお風呂、誰が洗う?」 夕食が終わって、オニイが口を開いた。 我が家のお風呂洗いはゲンの役目。いつもなら、遅いとか汚いとか皆に散々文句を言われながらも、必ずゲンが浴槽を洗ってお湯張りをしてくれる。 今日はさすがに熱のある弟に風呂洗いを命じるわけには行かない。仕方がないのでジャンケンで決めようということになったらしい。 「アプコも、もう熱も下がったし、できるよな。」ということで、当然のようにアプコも引っ張り込まれて、オニイ、アユコ、アプコでジャンケンポン。 案の定、アプコが負けて風呂洗い決定。
ジャンケンには加わったくせに、やっぱりアプコは冷たい風呂洗いなどしたくない。ついさっき熱が下がったばかりのアプコをジャンケンに加えるのがそもそも無茶だなぁと思いながらみていたけれど、やっぱりアプコはこんこん空咳を繰り返してぐずぐず言っている。 「アプコは、ジャンケンで負けたんだから、ぐずぐずしないでちゃんとやってこい。」とオニイが大きな声で叱る。 「そんな頭ごなしに怒鳴ることないでしょ!お兄ちゃんはいっつも急に怒る!」 泣きべそをかいているアプコをかばって、アユコが怒る。 「アプコもぐずぐずしないで立ちあがりなさい。」 ああ、そう。やっぱり洗うのはアプコなのね。 思いがけなく始まったオニイとアユコの口争いに、成り行きを見計らいかねて、ますますかたくなにうなだれるアプコ。 はて、3すくみの兄弟げんか。 誰がどんな風に折り合いをつけるか。 母は黙って寝たふりをして、成り行きを見守った。
「アプコ。風呂、洗う気はないんやね。」 アユコが号を煮やして立ち上がり、そこら辺のドアをバタンバタン乱暴に開け閉めして、風呂場へ向かう。あわててアプコが立ち上がり、アユコのあとを追って行ったけれど、「来なくていい!」と叱られて、すごすごと戻ってくる。 「アユコだって、いきなり怒ってるやん!」とふくれるオニイ。 「お兄ちゃんは、アプコがやるかどうかわからないときから、いきなり怒る。私はアプコにやる気がないとわかってから怒ってるの!」 言い返すアユコの屁理屈は鉄壁。 「あー、そうですか。僕が悪かった。」 と開き直るオニイに、「お兄ちゃんはいっつもそんな風に謝るけど、ちっとも自分が悪いとは思ってないくせに・・・」と痛撃の切り返し。
「かなわんなぁ。アユコの屁理屈。」 そうそう、そのとおり。女の屁理屈は怖いのだよ。 大体、病み上がりのアプコを強引にジャンケンに引きずり込んだところからが失敗だ。 それにしても、いつもおちゃらけ担当のゲンがたった一日ダウンしたら、この始末。ぶうたれながらも黙々とお風呂洗いをやり続けてくれているゲンの偉大さをみんなで再確認。
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