月の輪通信 日々の想い
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2005年12月22日(木) 雪の日

夜半からの雪。
凍えるような寒さだけれど、朝はまだ雪もうっすらと道路を覆う程度。
今日が終業式の子どもたちは、ちょっとワクワクしながら早めに家を出た。犬コロのように走り出す子どもたちのあとを「ちょっと送って行ってくる。」とデジカメを持った父さんが追う。夜なべ仕事の後だというのにまぁ、元気なこと。まだ父さんも嬉しいのね、雪が。51歳にして。

子どもらが出て行ってしばらくすると急激な吹雪のような雪。
「まだ、車、大丈夫よね。」
今日は9時に歯医者の予約。
「まだ行けるんじゃない?」
という父さんの判断を頼りに、決死の覚悟で車を出す。
まだ轍の後も少ない新雪の上を踏みしめるようにジワジワ徐行で進む。ようやく駅前まで出て、もう大丈夫だろうと思っていたら、周囲の車はほとんど這うような最徐行。坂道で立ち往生して停止灯を点滅させている車もある。
ありゃぁ、これじゃ駄目だわぁと思ったとたん、愛車のトッポがジワリとスリップしてゆっくりと回転しながら坂道を滑った。
あれよあれよとハンドルを握り締めて、フリーズしてしまう。
結局滑った距離はほんの数メートル、歩行者も他の車も周囲にいなかったので、車は道沿いの駐車場の入り口付近にとまった。もうそこからは怖くて車を動かすことも出来なくて、とりあえず駐車場に車を置いてすごすごとうちへかえる。
初めての雪道運転、距離にして1キロ弱。
どっと疲れた。

昼前、アプコを迎えに小学校へ。
今日、終業式後に社会見学に出かける予定だった5年生も、雪で中止になって帰ってくるという。
「雪合戦したら、手袋ぬれちゃった」と、素手で赤い傘をさしているアプコの手は、すでに冷えきって真っ赤。雪の勢いも急に強くなって、帰りの山道を半分もあがらないうちにすでに「八甲田山雪の行軍」状態。
「おかあさん、あたし、雪、ちょっときらいになった。」
あんなに「早く、雪降るといいねぇ。」と楽しみにしていたのに、あっという間に半泣き状態。
一方、一緒に校門を出たゲンは、あっという間に糸の切れた凧のように雪合戦の群れの中に消えてしまい、気がつくと別の雪だるま作りのグループに合流していたり・・・。時々、後ろを振り返って見るけれど、ゲンはいっこうについてくる気配がなくて、どこかで夢中になって遊んでいるのだろう。
「犬は喜び、庭駆け回り・・・」というけれど、ほんとに戌年生まれだけのことはあるなぁ。

泣きそうなアプコを励ましながら、家の近くの地道まで帰ってくると、カーブの向こうに父さんの姿を見つけた。
雪を心配して迎えに来てくれたのかと思ったら、どうやらデジカメで近所の雪景色を撮影しに出てきていたのらしい。
「おやおや、妻と娘が雪で泣きそうになってるのに、写真撮影?」
とからかったら、
「いやぁ、こんな写真はめったに撮れないし、取材、取材。これも仕事のうちや」
と、やけにくどくど言い訳をする。
「はぁ、お仕事ね。それはご苦労様。」

どうやらゲンの「犬は喜び・・・」の血は父さん譲りらしい。


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