月の輪通信 日々の想い
目次|過去|未来
あちこちで小学生受難の事件が続いた。 一年生になって、ようやく一人で登下校できるようになってきたアプコの下校時のお迎えが復活して数週間。 いったいいつまで「お迎え」を続ければ安心なのだろうと、うっとおしくなり掛けてきたところに、昨夜、新たな不審者情報。 最寄り駅の近辺に包丁を持った男がいたらしいとのこと。昨夜はパトカーやバイクのおまわりさんたちが大勢警戒パトロールに回っていたのだそうだ。 その情報が警戒中のおまわりさんから、地区委員の方たちに流れて、翌朝の登校には委員さんたちが付き添うことにしたという。登校班の集合場所から離れた我が家の二人の小学生については、途中まで保護者が付き添ってきて欲しいといわれる。 下校時のお迎えに加えて、登校の付き添い。 一日2往復か。 幼稚園の送り迎え生活に逆戻りだなぁ。
子どもたち4人の下校時間はそれぞれ違うので、4人全部の送り迎えは不可能だ。中3になったオニイはともかく、日が暮れてから自転車で山道を登って帰宅するアユコ、ランドセルを放り出してしょっちゅう友達の家に遊びに行くゲン、そろそろ一人で外出したがるアプコ。 4人の子どもたちの生活を四六時中把握して、付き添うことは出来るはずもない。 「変なやつがいたら、自転車をすっ飛ばして逃げておいで。」「手を出されそうになったら、噛み付いて逃げるんだよ。」とあてにもならない防御方法をレクチャーして、子どもたちを送り出すのだけれど、いつまでもどんよりした不安が親にも子にも残る。 「いってらっしゃい!」と、晴れやかに子どもたちを送り出すことの出来ない時代の闇を憂う。
徒歩なら数十分、車なら十分あまりの送迎時間。 たったそれだけでも、家事や工房の仕事の中断は毎日のこととなると微妙な負担になってくる。 それでも、外に働きに出ているわけでもなく、なんとか時間をやりくりすれば出来ないこともない専業母の特権と思って、出来る限りのことをしていくしかないのだろう。
今日、アプコのために新しい防犯ベルを買った。 入学時に市から支給された防犯ベルは気がつくと壊れていて、電池を入れ替えてもうんともすんとも鳴らなくなっていた。 スーパーの文具コーナーには、かわいいイラストやマスコットのついた子供用の防犯ベルが出回るようになった。 「わ、これ、かわいい!」とキーホルダーを選ぶように喜んで、ブルーの防犯ベルを選ぶアプコに複雑な気持ちになる。 非常時に鳴らすことが出来ても、ぎゅっと本体を握り締めるとほとんど聞こえないような音になってしまうという当てにならない防犯グッズ。 こんな頼りないものに、お守りのようにわが子の安全を委ねなければならない無力さが歯がゆい。
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