月の輪通信 日々の想い
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2005年11月20日(日) 復活する人

朝から市内で行われる「クリーングリーン作戦」と呼ばれるゴミ拾いハイキングに家族で参加。朝から、地域の人たちとぞろぞろと山に登り、熱々のおでんの振る舞いをいただいて帰ってくる。我が家はもう10年来、毎年この行事に参加している。
ここ1,2年、仕事でいけなかった父さんも今年は一緒に参加。受験生のオニイも今年は脱落かと思われたが、意外にも「参加したい」という。久々に家族6人一緒に参加する事ができた。
一時期は小さい子どもを背中に背負ったり、ベビーカーを押したりしながら参加する事の続いたこの行事にも、やっと末っ子のアプコまでが一人前にゴミ拾いのお役に立てる年令になり、先頭集団から遅れずにガンガン歩く事が出来るようになって来た。
ようやくここまで・・・と、感慨無量。

先日、立ち話をしていたSさんが、「これだけ自然に恵まれた環境の中で子育てをさせていただいているのだから、年に一回くらいはその自然に恩返しのつもりで『クリーングリーン』には出来るだけ参加しようと思っているの。お宅は家族全員でいつも参加されて偉いわ。」
といわれた。
「恩返し」とは大仰な。生真面目なSさんらしい言い方だなぁと苦笑する。我が家の場合はただただ、運動不足解消とおでんが目当て。動機が不純で申し訳ない。

帰ってきて何気なくTVをつけたら、高橋尚子のマラソンの後半を放映していた。2年間の不遇の時期を克服し、再起を期しての優勝だという。
以前、この人がオリンピックの選考に落ちたり、二人三脚でやってきた監督と何となくべたべたした感じでメディアに露出したり、ある時期、嫌な感じの女性に見えた時期があった。
才能溢れるランナーがこんなふうに少しずつ崩れるように消えていくのを見るのは嫌だなぁと思っていたら、今日の快挙。怪我を押しての気迫の走りだったという。観衆の歓声に応える晴れ晴れとした笑顔がさわやかで、気持ちのいい勝者の顔だった。

そういえば、昨年自宅マンションのベランダからの転落事故で九死に一生を得た男優が、大怪我を克服して新作の映画に主演しているのだそうだ。私はこの人の作品をちゃんと見たことはないけれど、あちこちで新作のレビューを見る限りではなかなか好評なのだという。
以前この人に関しては、そのエキセントリックな発言や大麻疑惑など何となく後ろ暗いイメージが付きまとっていて、余り好きな俳優ではなかった。
けれども最近、映画の宣伝でラジオに出演している彼の発言を聞く機会があって、その素直で前向きな発言に以前とは随分違った印象を受けた。
人というのはこんな風に変わることが出来る生き物なのだなという事が、改めて感じられた。

一度、勢いをなくしてくすぶってしまった人がこんなふうに晴れやかに蘇ってくる場面に遭遇できるのは有難い事だ。


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