月の輪通信 日々の想い
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今朝早く、父さん、韓国出張。4泊5日。 大阪工芸協会の親善事業で、現地で展示会を開くのだという。 オープニングセレモニーでお抹茶のお接待をするからと、スーツケースに羽織袴と抹茶茶わん、お手前の道具を詰め込んで、大荷物で出かけていった。 日韓国交正常化40周年という事で、民間でも色々な交流事業が行われているようだ。たまたま父さんは、それに引っかかって、来月には引き続いて再び視察旅行の予定が入っている。こちらは春に竹島問題で一時中止になった隣市の交流事業の一環だ。 我が家にもかなり遅れてやってきた「韓流」というところか・・・。
ここ数日、父さんはさまざまな荷物の梱包と不在中の仕事の段取りで大忙しだった。最後の最後まで窯出しをし、こまごましたお手前の道具をそろえ、ここより気温の低い現地にあわせた衣類をかばんに詰める。 さあ、これで準備万端ととのったといいたいところだが、唯一後ろ髪引かれる思いを残していったものがある。 それは、月下美人の開花。 夜のほんの数時間しか咲かないという一日花。 去年、父さんが教室の人から大きな鉢植えで頂いてきた。 なかなか開花の兆しがなくてやきもきしていたのが、最近になってようやく小さなゴマ粒のようなつぼみをつけ、大きく膨らんできた。 そして、もう今日明日にも開花という所で、韓国行きの日を迎えてしまった。 「帰ってくるまでには、きっと咲き終わってるねぇ。」 ライオンの尻尾のような形に育ったつぼみを惜しそうに眺めて父さんは笑う。 「絶対、写真撮っておいて。」と、父さんはアユコに一眼レフの使い方を教えて、カメラアングルまで決めていった。
それがなんとまぁ、忘れてしまいましたよ。 私も、アユコも・・・。 昨夜はアユコとゲンが笛の稽古やら、父さんのいない「お子様ご飯」やら何となくせわしなくて、早くにベランダの雨戸も閉めてしまったので、ころっと忘れてしまいました。 あぁあ、あんなに楽しみにして待っていたのに、なんとまぁ、おバカなこと。
そういえば、先日は中秋の名月も見損ねた。 いつもなら、ささやかながらお月見ダンゴにススキの真似事ぐらいは忘れず用意していたというのに、今年に限ってはそれすら、ころっと忘れていた。 かねてから、四季のおりふしを忘れない生活をしたいと心がけていたいと思っていたのに、2度にわたるこの失態。 なんだか心に余裕のない生活をしているのかな。 反省反省。
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